市議会議員に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
市議会議員に向いている性格・適性
地元に対する思いの強い人
市議会議員は、私たちの生活にもっとも身近な政治家であり、市議自身も、一市民として同じコミュニティのなかで暮らしています。
その街で暮らす時間が長ければ長いほど、いいところも悪いところも実感としてわかりますし、文化や歴史、そこで暮らす住民に対しても愛着が湧きます。
街の裏路地1本1本まで知り尽くしているという詳細な「知識」と、地元に対する「愛着」を兼ね備えた人こそ、市議会議員に向いている人です。
ずっと同じ街で生まれ育ったという人をはじめ、地元に対する思い入れの強い人は、市議会議員としての適性が高いといえるでしょう。
市議には、かなりのハードワークが求められますし、選挙に負けたらその日から無職になるという大きなリスクもあります。
そういったリスクを顧みず、地元が大好きだから、地元のために身を粉にして働けるという人でないと、市議の仕事は務まらないでしょう。
弱者に寄り添える人
市議のところには、日々さまざまな困りごと、相談ごとが持ちかけられます。
収入が減って生活が苦しい、子どもが不登校になった、配偶者から暴力を受けている、親の介護に疲れたなど、相談者は自分では手に余る悩みを抱えて弱っています。
そういった社会的弱者に寄り添う地域レベルの政策を立案できる人は、市議会議員に向いているといえます。
市議会議員は、国会議員のような国を動かすダイナミックさは味わいにくいかもしれませんが、市民に近いぶん、人の役に立っているという実感や素朴な喜びは得られやすいでしょう。
日常生活のなかで、友人など周囲への関心が高い人や、ニュースに共感を覚えやすいという人は、市議としての資質があります。
勉強熱心な人
市議会議員は、一般市民よりもはるかに博識でなければなりません。
市政が扱う分野は非常に広く、教育、医療、介護、子育て、都市開発、環境、観光、税など、市議会では毎回さまざまな議題があがり、その内容について審議がなされます。
正しく議論するためには、それらすべての知識を網羅的に備えていなければならないことはいうまでもないでしょう。
したがって、学生時代から勉強熱心で、社会人になってからもずっと学び続けたいという知識欲旺盛な人は、市議会議員に向いているといえます。
ニュースは毎日必ず見る、新聞を隅から隅まで読む、自室の棚がさまざまなジャンルの本でぎっしり埋まっているという人は、市議の素質があるかもしれません。
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市議会議員に必要なスキル・能力
実行力
市議には、一度決めたことを最後までやり抜くという実行力が求められます。
何かを変えようとするとき、それに反発する人、不利益を被る人は必ず出てきます。
ときには厳しい叱責を受けたり、強硬な態度に出られることもあるかもしれません。
そんな職業であっても途中で投げ出さず、己の信じた道を貫き通せる強さが、市議に大切な資質です。
交渉力
上記で述べたような障壁を乗り越えて目的を達成するためには、交渉力が重要になります。
駆け引きして妥協点を見出す、相手を懐柔させる、あるいは強行突破する、どんな手段を取るにせよ、なんらかの交渉は不可欠です。
一般的な政治家のイメージと同じように、「弁が立つ」ということが、市議会議員にとって大事な能力といえます。
逆にいうと、いわゆる口下手なタイプの人は、市議になっても苦労が多いかもしれません。
市議会議員に向いていないのはどんな人?
やりたいことが明確に固まっていない人
市議会議員は、ほかの一般的な職業とはやや事情が異なり、「市議会議員になること」それ自体が目的にはなり得ません。
市民に訴えたいことや、市民生活のなかで変えたいこと、改革したいことがあって、それを実現するための手段として市議になるのです。
ただなんとなく市議になりたい、「議員」という肩書やステータスが欲しい、市議って高給そう、市議って休みが多くてラクそうなど、軽い気持ちで市議になってしまうと大変です。
やりたいことがきちんと固まっていない人は、市議を目指すべきではないでしょう。
脚光を浴びたい人
政治家というと、国会議員や都道府県知事のように、テレビや新聞などのマスコミで報じられるような、脚光を浴びる仕事をイメージするかもしれません。
しかし、市政が一般向けのニュースで報道されることはほぼなく、不祥事を除けば、市議会議員がメディアに登場する機会もまずありません。
市議の仕事は、私たち市民の生活に根付いている分だけ、想像以上に地味なものです。
テレビに出たいから市議になりたいなど、「目立つことだけが好き」という場合は市議向きではないでしょう。