産業カウンセラーのやりがい・楽しさ・魅力
産業カウンセラーのやりがい・楽しさ
働きやすい社会をつくる使命
産業カウンセラーの大きな使命は、働く人たちが元気にイキイキと過ごせる社会をつくりあげることです。
かつて、日本の多くの企業には長時間労働やサービス残業を肯定するような雰囲気があり、また組織の中の力関係を利用したパワハラやセクハラの被害も発生していたのも事実です。
しかし、現代の社会はこのような問題に対する考え方が大きく変わり始めています。
国を挙げて「働き方改革」が進められていますし、「ワークライフバランス」なる言葉で表されるように、働き盛りの人であっても、家族と過ごす時間や趣味に没頭できる時間をもつことは心身の健康を保つ上で大切だと認識されています。
また、組織の中でも性別や年齢の違いによる差別は許されることではないという考え方が、新しい常識となりつつあります。
これらが世間により広く浸透していくように陰で力を尽くしているのが産業カウンセラーです。
社会がよりよい方向に変わろうとしているのを自分が支えているのだという実感が持てるため、やりがいは大きいでしょう。
精神的に追い込まれている人を救える
産業カウンセラーのもとに相談に来る人のなかには、仕事に追い詰められて、すっかり逃げ場を失ってしまっているような人もいます。
たとえば、上司によるパワハラのストレスや、営業成績を上げなければならないというプレッシャーから心を病んでしまう人もいますし、働きすぎで体を壊してしまいかけている人もいます。
こうした人たちには、第三者からの冷静で的確なカウンセリングやアドバイスが必要不可欠です。
一時的な休職や職場の配置転換が実現できるように相談者をサポートしたり、組織内の問題に対する解決策を提案したりすることで、その人が救われることがあります。
元気になった相談者に「あなたがいなければ、自殺していたかもしれません」とか「相談していなければ、あのまま退職していたと思います」と声をかけられることもあり、それは産業カウンセラーにとっては大きな達成感を得られる瞬間です。
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産業カウンセラーの魅力
あらゆる人生経験が生かせる
産業カウンセラーの仕事は、どのような人生経験も生かせるといっても過言ではありません。
相談者のバックグラウンドはさまざまであり、抱えている悩みや価値観も十人十色です。
そうした多様なケースを受け止めて、的確なサポートをするためには、むしろカウンセラー自身も多様な経験をし、幅広い価値観を身につけているほうが望ましいです。
そういった意味でも、年齢を重ねるほど、より深みのあるカウンセリングができるようになると話す人もいます。
年齢がハンデにならず、自分の人生経験を仕事におおいに生かせることは、この仕事の大きな魅力です。
能力・経験によってはよい条件で働けることも
近年、比較的規模の大きな企業を中心に、従業員のメンタルヘルスケアなどに携わる産業カウンセラーを設置するケースが増えてきています。
しかし、産業カウンセラーが一つの職場に何人、何十人もいることはめったにありません。
むしろ自分一人だけということも十分にあり得るため、その場合は一人であらゆる業務をうまく回していかなくてはなりません。
プレッシャーは大きいかもしれませんが、雇用側は、産業カウンセラーに対しては「労働現場のことを知り尽くした心理カウンセリングの専門家」として高い期待を寄せています。
他の従業員が簡単に取って代われる仕事ではないからこそ、よい給料・待遇で採用されるケースもあります。
スキルアップして独立も可能
産業カウンセラーは、企業などに常駐して働く人がいる一方、独立して働くこともできる職業です。
フリーランスとなって、さまざまな企業や団体と業務委託契約を結び、カウンセリング業務に携わることもできますし、自分でカウンセリングルームを開設して、来訪する相談者の悩みを聞くこともできます。
産業領域にとどまらず、幅広い領域における心理学の知識を深め、高いカウンセリング技術を身につければ、その分野の専門家として世間にも認知されるチャンスがあります。
知名度が上がれば、講演会や書籍の執筆、メディア出演などの可能性もありますし、小さな枠にとらわれず、自分の考え方次第でさまざまな仕事に挑戦できるでしょう。