夜間や通信で臨床工学技士の資格は取得できる?
夜間の学校で資格を取得するには
臨床工学技士になるためのルートはいくつかありますが、通信の学校では基本的に臨床工学技士の資格を取得することができません。
決められた通学制の学校に通い、学ぶ必要があるというわけです。
臨床工学技士養成校のうち、一部では臨床工学専攻科の「2年課程」があり、そこは夜間のカリキュラムとなっています。
よって、夜間であれば臨床工学技士を目指すことは可能ですが、全国でも夜間に学校を開いているところは数えるほどしかないようです。
また、2年制の養成校は、入学のためにいくつかの要件があります。
そのひとつは、学校教育法に基づく大学・短期大学、もしくは高等専門学校、医療系の専門学校などに1年以上在籍し(高等専門学校においては4年)、所定の科目を修めていることです。
ここでいう「所定の科目」としては、臨床工学技士法に基づき、厚生労働大臣の指定する「人文科学」「社会科学」「専門科目」などが挙げられています。(さらに詳しい条件は、臨床工学技士の夜間過程を置く専門学校のホームページなどで確認してください)
こうしたことから、高校卒業してすぐの人が2年制の夜間で学ぶことはほぼ不可能といえます。
昼間の3年制の専門学校か、4年制の大学へ進学することを考える必要があります。
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通信制についての今後の展望
先ほど、通信では臨床工学技士の資格が取得できないと述べました。
しかし、大学卒業者や医療系の国家資格取得者(理学療法士、看護師、臨床検査技師など)が放送大学などで必要な単位を取得した後、臨床工学技士養成校の1年課程に入学することはできます。
もちろん、そこで得られるのは臨床工学技士の国家試験受験資格です。
通信制度を考える学校もあるようですが、それには省庁の認可が必要であり、日本臨床工学技士会も通信制度には反対の立場をとっています。
事実、養成校にしても大学にしても、専攻課程にしても、国家試験の受験資格を得るためには必ずカリキュラムの一環として病院実習が必要になります。
実習は、資格を持って働く前に実際の臨床現場を知ることができる貴重な機会ですが、病院などの施設へ実習に行かせるには学校教員と病院との信頼関係が必要です。
もし通信が認可されたとしても、病院での臨床実習はどこが受け入れるのかといった問題が山積みであり、実現は困難を極めるでしょう。
現状では、臨床工学技士になるには、養成課程のある大学もしくは専門学校への通学をして学ぶのが一般的なルートとなっています。