航空整備士の求人・採用の状況
目次
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航空整備士の就職先にはどんなところがある?
特殊なスキルをもつ航空整備士にはさまざまな働きの場があります。
<航空整備士の主な就職先の例>
・航空会社(大手の例:JAL、ANAなど)
・航空整備会社(大手の例:JALエンジニアリング、ANAラインメンテナンステクニクスなど)
・官公庁(警察、消防、海上自衛隊、航空自衛隊など)
・航空機関連メーカー(大手の例:三菱重工業、三菱航空機、川崎重工業、ジャレコなど)
・その他(テレビ局、新聞社、自家用航空機をもつ企業や富豪宅など)
なかでも代表的な就職先といえるのが「航空整備会社」です。
航空会社に所属して航空整備に関わる人は決して多くなく、JALやANAなどが保有する旅客機の整備を行っているのは、それらが委託する航空整備会社の航空整備士であることが多いです。
そのため、航空整備士を目指す学生の多くは、航空整備会社の「航空整備士職採用」を受験することになります。
そのほか「警察」「消防」「自衛隊」などの官公庁でも、たくさんの航空機やヘリコプターなどを保有しており、こちらも航空整備士の就職先です。
航空整備士の求人の状況
全体的な求人の傾向
「大量の人口を誇るベテラン整備士の定年退職」「航空機の発着数増加」「航空整備士を目指す若者の減少」などが影響し、航空整備士の人手不足が進みつつあります。
そのため、業界全体で航空整備士の需要は高まっている傾向です。
しかし、育成にコストのかかる未経験者を採用する会社は決して多くなく、企業側としては、専門の学校で航空整備について学んできた学生、もしくは既に航空整備士として働いた経験のある即戦力となる人材を求めたがります。
航空整備士向けの求人も増加傾向にありますが、その多くは新卒学生や既卒の経験者を対象としたものであり、未経験者向けの求人はかなりに数が限られてきます。
「航空整備会社」の求人状況
「JALエンジニアリング」や「ANAラインメンテナンステクニクス」など、大手の整備会社の場合、毎年数十名の新卒採用が行われています。
学歴としては、航空専門学校・高等専門学校・大学(大学院)などで航空整備について学んできた学生が採用対象となることが多いです。
「航空整備士職」としての採用となるため、志望する学生も専門の教育施設で学んできた学生が多くなります。
なかには、在学中に「二等航空整備士」や「一等航空整備士」の取得した上で志望する学生もいます。
すでに航空整備の基礎を身に付けた学生たちがライバルとなるため、航空整備とは関連性の薄い学部・学科の出身者は、就職活動で苦戦することもあるでしょう。
「技術総合職」の求人状況
JALやANAのような航空会社の「技術総合職」でも、新卒の求人が出される年度が多いです。
一般的に4年制大学または大学院の理系学部・学科で学んだ学生が採用対象となり、採用倍率の高い職種であり、難関大学出身の学生も多数応募するため狭き門といえます。
航空会社の技術総合職は、適性によってさまざまな部署に配属される形となり、航空整備に携わることができるのは「整備部門」などの特定の部門に配属された場合のみです。
また、将来的には航空整備士というよりも、技術部門のゼネラリストとしてのキャリアを歩む形になるため、その点は理解しておく必要があります。
中途採用の求人状況
各社で航空整備士の人手不足が進んでいることもあり、すでに航空整備士の経験や資格をもつ人に対しては積極的に中途採用が行われており、奪い合いが進んでいます。
とくに最近は、発着便が増えているLCC(格安航空会社)系の航空整備士求人が増加傾向です。
経験者向けの求人の場合、「一等航空整備士」の資格を持っていれば優遇されるケースが多く、なかには「二等航空整備士」でも応募できるところもあります。
一方で、「未経験可」「資格不問」「学歴不問」など、未経験者向けに条件を緩くした求人を出す整備会社もあるにはありますが、数としては限られてきます。
航空整備士の就職先の選び方
空港で働くか、空港以外で働くか
「JALエンジニアリング」「ANAラインメンテナンステクニクス」などの航空会社系列の整備会社に就職すると、空港での旅客機の整備に携わることが多くなるでしょう。
空港で働く場合、ジャンボジェット機のような大型旅客機の整備に携われる魅力もありますが、同時に空港では24時間体制の整備が行われているため、3交代制などでのシフト勤務となり不規則な生活が強いられるというデメリットもあります。
一方で、官公庁(警察、消防、自衛隊など)、テレビ局、新聞社などに就職すると、空港ではなく各々の敷地内での整備作業となることが多いです。
空港のように24時間体制の不規則勤務が発生しにくいというメリットがありますが、ヘリコプターなどの小型機の整備が中心となり、空港のように大型機の整備には携わりにくいです。
自分にとってどちらが合っているかよく考慮したうえで選ぶことをおすすめします。
どの分野の航空整備が行いたいか
航空整備会社にもさまざまな種類があり、分野問わず総合的に請け負う整備会社もあれば、それぞれの分野に特化した整備会社も存在します。
たとえば、ANA系列であれば、到着機のライン整備を中心に手掛ける「ANAラインメンテナンステクニクス」、格納庫内でのドック整備を中心に手掛ける「ANAベースメンテナンステクニクス」、航空機の装飾品の整備を手掛ける「ANAコンポーネントテクニクス」など、整備分野別に会社が分けられています。
一分野に特化した整備会社では、その分野に特化した経験を積み、スペシャリストを目指せます。
待遇をチェックする
航空整備会社によって、給料制度、休暇制度、福利厚生などの仕組みは異なります。
手厚い「住宅手当」や「資格手当」が支給される会社、優待航空券などが社員特典として支給される会社など、待遇は会社によってさまざまです。
また、官公庁(警察、消防、自衛隊など)に就職する場合は「公務員」としての採用となるケースも多く、国から公務員としての手厚い待遇が受けられることもあります。
航空整備士の志望動機・面接
航空整備士の仕事は体力的にハードな側面もあるため、「なぜ航空整備士を目指すのか」の部分が明確になっている学生を求めている傾向があります。
したがって、航空整備士を目指す理由を明確にし、具体的に伝えられると、好印象を与えやすいでしょう。
また、航空整備士の業務はひとつ間違えば乗客の命にかかわることもあるため、正確さや丁寧さが求められ、また時間に対してルーズであると務まりません。
そのため、履歴書やエントリーシートの文字1つ1つも正確かつ丁寧に記載し、面接などの時間も遅刻なくしっかりと守る必要があります。
就職先はどのように探したらいい?
就職サイトで探す
新卒学生であれば、「リクナビ」や「マイナビ」といった就職サイト経由で、新卒向けの航空整備士求人にエントリーできます。
JALやANAといった大手の航空会社や大手系列の航空整備会社のほとんどは、リクナビもしくはマイナビからエントリー可能です。
就職サイトは無料で利用できるため、まずはいくつかの就職サイトに登録しておくことをおすすめします。
「就職課」経由で探す
大学や専門学校には「就職課」が設置されています。
就職課では、これから就職活動をする学生に向け、会社情報の提供、進路相談、エントリーシートや履歴書の作成指導、面接の練習などのサポートを行ってくれています。
また、航空整備に関する専門な教育を行っている大学・専門学校には、独自ルートで航空会社や航空整備会社から毎年多くの求人が届くようです。
学校経由で、自分に合った就職先が見つかることもありますので、就職活動時には就職課にも足を運んでおくのがよいでしょう。
各自治体のホームページで探す
警察や消防など官公庁系の航空整備士の募集は、各自治体のホームぺージに掲載されていることがあります。
たとえば「〇〇県 消防ヘリコプター採用」といったように、各都道府県もしくは各市町村のホームページで、航空整備士の採用試験や求人募集の案内が載せられていることがあります。
その自治体に住んでいないとエントリーできないという訳でもありませんから、視野を全国の自治体にまで広げて、希望の求人がないかを探してみるのもおすすめです。