航空整備士に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
航空整備士に向いている性格・適性
誠実で嘘をつかない人
航空整備の現場では思わぬトラブルに見舞われることも多いですが、たとえば担当機の出発時間が迫っているからといって不具合箇所を黙ったまま離陸させてしまうと、後々さらに大きなトラブルに発展してしまうケースもあります。
「これくらいなら大丈夫だろう」という慢心や嘘が、時に取返しの付かない大事故に繋がる恐れもあるため、簡単な作業でも慢心せず、常に謙虚さと誠実さを持って業務に取り組める性格の人が向いているといえます。
時間を守れる人
航空整備士は「時間」を意識して働く必要があります。
フライト前の航空機や到着機の整備・点検を行う「ライン整備」においてはとくに時間管理を徹底することが大切です。
フライト前の整備が遅れてしまえば、そのままフライトの遅れへとつながり、乗客をはじめ大勢の人に迷惑をかけてしまうことになるからです。
航空整備士の仕事はただ単に整備を行うだけでなく、限られた時間の中で正確かつスピーディに作業を進める必要があるため、日ごろから時間を意識してテキパキと動ける人が好ましいです。
もちろん遅刻なども厳禁であり、時間にルーズであっては、この仕事は務まりません。
勉強し続けられる人
航空整備士には、国家資格から社内資格までさまざまな種類の資格が用意されており、入社後も業務の幅を広げていくためには、仕事の傍ら資格の勉強を続けていかなければなりません。
試験が近づくと、帰宅後に毎日何時間も机に向かって勉強する日々が続くこともあります。
また資格勉強に限らず、常に進化し続ける航空テクノロジーに関する技術知識も日々蓄えていく必要もあります。
したがって、勉強が嫌いな人や、社会人になってからも机に向かって学ぶのは嫌だという人にはあまりオススメできない仕事です。
その分、勉強をして資格を取得した社員はしっかりと評価してくれる会社が多いため、勉強意欲の高い人や向上心旺盛な人にとっては、モチベーションを保ちやすい環境といえるでしょう。
手先が器用な人
航空整備士は、小さな部品を扱うことや、工具を扱った作業も多々あるため、不器用よりは器用であるほうが望ましいといえます。
普段から機械をいじるのが好きであったり、手先を使った細かな作業が得意という人は、そのスキルを航空整備の仕事に存分に生かすことができるでしょう。
責任感のある人
航空整備士として働く上でとくに重要になるのは「責任感」です。
航空機は飛行中にトラブルが起きても、地上を走る自動車のように簡単に停止することはできません。
また航空機のトラブルの多くは、パイロットの操縦ミスなどよりも、事前の整備漏れや整備ミスが原因となっていることのほうが多いといわれます。
逃げ場のない空中では、些細な整備漏れが発端となり、墜落事故や死亡事故につながる恐れもあります。
したがって、多くの乗客の命を預かっていることを自覚し、常に責任感を持って業務に取り組める人がこの仕事に向いています。
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航空整備士に必要なスキル・能力
コミュニケーション力、チームワーク
航空機の整備は一人で行うものではなく、何人もの同僚の整備士たちと協力して作業を進めていきます。
とくにジャンボジェット機のような大型機の整備ともなれば、たくさんの整備士が力を合わせて行いますのでチームワークは必要不可欠であり、独りよがりの個人プレイをすると時に大きなトラブルに発展することもあります。
この仕事では、周囲を把握し、仲間と円滑なコミュニケーションを取れる力が求められます。
また、将来的にそれらの整備士たちをまとめるリーダーポジションにステップアップしていくためには、チームマネジメント力なども必要とされます。
英語の読解力
航空機関連のマニュアルのほとんどは英語で書かれているため、航空整備士として働く上では、英語の読解力は必要不可欠です。
ただし、必要なのはあくまで読解力(リーディング)であり、英会話力(スピーキングやリスニング)はさほど重視されません。
ただし、将来的に海外の空港などで働くことになった場合は、英会話力もあるに越したことはないでしょう。
体力や持久力
航空整備士は常に身体を動かす仕事であり、時に重い部品を運んだり、慣れない態勢で作業をすることもあります。
また、冷暖房の完備されていない整備場も多く、真夏の暑さ、真冬の寒さの中、身体に鞭を打ちながら働くこともあります。
航空整備士の仕事は体力勝負の一面もあり、長く続けていくためには業務に耐えられるだけの丈夫な身体と基礎体力が必要となります。
さらに空港で働く航空整備士の場合、「3交代制」での不規則勤務となる場合が多いです。
日勤と夜勤を交互に繰り返すと、身体への負担もより大きくなるため、それに合わせた身体づくりをしていく必要も出てきます。
航空整備士に向いていないのはどんな人?
航空整備士に向いていないのは、しいて挙げるとすれば、航空機や航空整備に関心のない人です。
航空整備士の仕事は、乗客の命を担う重い責任やプレッシャーが圧し掛かり、常に勉強もしなければならないため、決して楽な仕事ではありません。
航空整備士を目指す多くの人は、「昔から飛行機が好きだった」「航空機のエンジンに関心があった」「機械いじりが好きだった」など、何かしらこの仕事に通じる興味関心を持った上で、航空整備士の道を歩んでいるケースが多く、それが厳しい仕事を耐え抜くモチベーションとなっていることが多いようです。
したがって、「なんとなく」「とりあえず」でこの仕事を目指す人や、「かっこいい」「華やか」などの表面的なイメージだけでこの仕事を目指す人の場合、航空整備士として長く働いていくのは難しいかもしれません。