JICA職員の給料・年収はいくら? 初任給はいくらもらえる?
JICA職員の平均年収・給料の統計データ
JICAが就職先として高い人気を誇る理由の一つに「給与水準の高さ」があるでしょう。
大卒初任給こそ約21万円とそれほど高い金額ではありませんが、勤続年数が長くなるにつれて年収は右肩上がり伸びていきます。
40代後半から50代では年収1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
正職員は海外赴任が必須であるなど大変な部分もありますが、その場合は在勤手当や国際緊急援助手当などが上乗せされるため、ハードな仕事内容に見合った報酬が期待できるでしょう。
JICA職員の手取りの平均月収・年収・ボーナスは
JICAの公表する資料では、国内拠点で働く常勤職員の2019年度平均年収は838万円、うち賞与額(ボーナス)は231万円です。
参考:JICA 独立行政法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準の公表
ここから社会保険料や所得税などを差し引くと、620万〜720万円程度が手取りの平均年収と算出できます。
ただし上記はあくまで全年齢の平均金額であるため、入社後すぐにそれだけの報酬がもらえるわけではありません。
JICA職員の初任給はどれくらい?
JICA職員の新卒採用の募集要項では、初任給は大卒で212,827円、大学院卒で225,600円と記載されています。
なお、厚生労働省の発表によれば、全業界の平均初任給は大卒者が210,200円、大学院修士課程修了者が238,900円です。
参考:厚生労働省 令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況
これらを比較すると、JICA職員の初任給はほぼ平均並の水準といえるでしょう。
JICA職員の福利厚生の特徴は?
JICA職員の福利厚生は、一般的な企業と比較して充実しています。
休日については土日祝休みの完全週休2日制であり、そのほか年次有給休暇や夏季・年末年始休暇、産休・育児休業制度なども準備されています。
各種手当に関しても、住居手当、単身赴任手当、寒冷地手当、国際緊急援助手当などがあり、勤務状況によっては手当部分だけでも相当な金額になるでしょう。
20代で正社員への就職・転職
JICA職員の給料・年収の特徴
海外勤務はさらに高額給与
2019年度における国内拠点で働く常勤職員の平均年収は838万円と先ほど紹介しましたが、同年度の海外拠点で働く在外職員の平均年収は1,346万円です。
国内で働く職員よりも年収が高い理由は、海外赴任の場合は毎月の基本給に加えて在勤手当(海外勤務手当)などが支給されるからです。
在勤手当の金額は、海外事務所の所在地における物価や為替相場、生活水準などを考慮したうえで決定されます。
JICAの給料が高い理由
JICAの仕事は開発途上国が抱える問題の分析や支援プロジェクトの企画、各国政府との交渉・連携など、高いレベルでの専門性や調整能力が求められます。
こうした仕事をこなせる優秀な人材の採用活動は、総合商社や金融機関などと競合するため、人材確保のためにはそれ相応の給与を提示しなければなりません。
とはいえ、頻繁にある海外出張や、ときには家族と離れて生活しなければならない点を考えると、報酬面の魅力だけでJICAの仕事を続けていくのは難しいでしょう。
JICA職員の正社員以外の給料・年収
期限付職員
期限付職員とは、半年間や1年間など、一定の業務期間をあらかじめ決めたうえで採用される雇用形態です。
期限付職員の募集情報は、JICAが運営する国際協力キャリア総合情報サイト「PARTNER」で出されます。
「期限付」とは言っても、各国政府や関係機関の情報集取、新規案件にかかわる企画立案・調整、必要に応じて海外出張もあるなど、正社員に近い業務を任される場合も少なくありません。
そのため求められるハードルも高く、募集要項には一定以上の英語力に加えて「企業、官公庁、大学、団体等での職務経験を原則として3年以上有すること」などの条件が設けられていることもあります。
待遇面は手厚く、JICA規程に応じた基本給(学歴や経験によって変動)、年2回の賞与、残業時には超過勤務手当が支給され、そのほか有給休暇や研修制度なども利用可能です。
アルバイト
それほど数は多くありませんが、JICAではアルバイトの募集も不定期に出されています。
こちらも国際協力キャリア総合情報サイト「PARTNER」で見つけられます。
過去の募集例としては、「人事部での経理補助」「海外研修員受け入れのコーディネートスタッフ」「市民交流のコーディネートスタッフ」などが挙げられます。
基本的にはJICA本部と各拠点の連絡支援や、資料・データ作成補助などを任されることが多いでしょう。
給料は日額で設定されているケースが多く、時給換算では1,000円程度がほとんどです。
募集する業務内容によっては英語力を求められたり、Word、Excelなどのパソコン操作が問題なく使えたりすることが応募条件となっています。
20代で正社員への就職・転職
JICA職員が収入を上げるためには?
JICA職員が収入を上げるためには、さまざまな地域を担当したり大きなプロジェクトを完遂させたりするなかで、豊富な実務経験や専門的知見を積み上げていくことが必要です。
一定の段階までは勤続年数に応じて昇給していきますが、管理職員に昇進すれば報酬はさらに高額となります。
JICAの公表する資料によれば、「本部課長」の平均年収は971万円(平均年齢45.4歳)です。
もちろん立場が上がるにつれて求められる能力や責任も大きくなりますが、JICA組織内でキャリアを着実に積んでいくことで、同年代の平均以上の年収は十分に期待できるでしょう。