医療情報技師の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
医療業界の縁の下の力持ち
医療業界の代表的な職業といえば医師や看護師、薬剤師を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
病院で検査やリハビリを受けたことがある人であれば、臨床検査技師や理学療法士、作業療法士を思い浮かべるかもしれません。
しかし、実はこうした医療現場の人たちを支えるために、世間からは見えにくいところでもたくさんの職業の人たちが働いています。
今回ご紹介する「医療情報技師」もそのような職業のひとつです。
医療情報技師は、医療分野の情報システムの開発や運用を担当することで医療スタッフと患者双方の負担の軽減をめざしています。
新しい職業ということもあり、まだまだ世間での認知度は高くはありませんが、まさに医療業界における縁の下の力持ちともいえる存在です。
20代で正社員への就職・転職
システムの開発で快適な医療環境を
それでは、医療情報技師の具体的な業務内容を見てみましょう。
医療情報技師は病院や医療機器を取り扱う企業に就職することが多く、メインの業務としては病院内のシステムに携わることになります。
たとえば、昔は患者のカルテや診断書は全て医師による手書きの書類が当たり前でしたが、近年では多くの病院が電子カルテの導入に踏み切っています。
電子カルテに移行することで医師や病院間での情報共有が簡単になったりペーパーレスによる経費削減が実現できたりとさまざまなメリットがありますが、移行の作業には高い専門知識と技術が求められます。
医療情報技師はこうした開発作業に携わり、システムができあがったあとも保守やメンテナンスを担当することで病院内の医療環境を整えます。
遠隔医療の実現をめざして
また、近年ではIT技術の進化とともに「遠隔医療」という新しい概念が生まれています。
患者が病院に出向かなくてもスカイプなどを使ってオンラインで医療関係者に相談する、レントゲンなどの映像をファイルで送信することで遠隔地の専門医が解析する、難しい症例がある場合テレビ会議で複数の病院の医師が検討する、ということが可能な時代になってきたのです。
このような新しい医療システムの提案や構築においても、医療情報技師が活躍します。
地域の医療崩壊や僻地における医師の確保が課題となっている現代社会において、IT技術を駆使して遠隔医療を実現することができれば多くの人々の命を救うことに繋がるでしょう。
20代で正社員への就職・転職
医療情報技師と診断情報管理士の違い
診療情報管理士の仕事とは
医療情報技師は職業名に「技師」という名前がついていることからわかるように、医療関係の情報システムを構築するための専門知識と技術を持っている人のことを指します。
電子カルテなどのシステムの運用や保守を行うこともあるので技術職としての役割が強いのが特徴です。
一方、診療情報管理士の場合は、電子カルテなどに記載されている診療情報の管理をしたり情報処理を行ったりするのが仕事です。
ときには特定の病気のデータ調査や分析をすることもあるので、ITを取り扱うための技術ではなくて医療や医学に関する知識が求められるのが特徴です。
もちろん、こうした作業はパソコンを使って行うので、最低限のパソコンスキルは求められます。
職業の適性の見極め方
医療関係の専門学校では「医療情報技師」と「診療情報管理士」それぞれの育成のためのコースを設けていることがあります。
どちらの職業のほうが向いているか迷った場合は、IT技術への興味や関心が高い人は医療情報技師、医学への興味や関心が高い人は診療情報管理士を選ぶとよいでしょう。
どちらもまだまだ新しい仕事ではありますが、医療業界においてもさまざまなシーンでデジタル化が進んでいるため、時代に必要とされる職業ともいえます。
これからますます活躍の場は広がっていくと考えられます。