花屋の需要・現状と将来性
花屋の現状
花屋は生活を彩る花を購入するために欠かせない存在ですが、売り上げが下がっているのが現状です。
かつて1980年代のバブル期には花が流行した「花ブーム」の時代があり、花屋も次々とオープンしていました。
しかし現在は1人当たりの年間購入額が減少し、市場規模も縮小の傾向です。
現在のフラワー業界の課題は、若者を中心に花を贈る習慣が減ってきており、それにともない街の花屋や企業の売上高も減少していることです。
そのため業界全体で11月22日のいい夫婦の日や、2月14日のバレンタインデーに、花を贈る習慣を促進するなどの対策が行われています。
また農林水産省でも日本の伝統文化の「いけばな」を世界に発信したり、子どもたちが花に親しめる教育プログラムを推進するなど、多方面からのアプローチを実施中です。
業界全体の売り上げは減少しているものの、メディアに取り上げるほど成功し注目されている花屋もあるので、斬新なアイディアやニーズの開拓次第でチャンスはまだまだあるといえるでしょう。
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花屋の需要
世の中における花の需要は、華やかなイベントがある方が多くなります。
たとえば結婚式は、盛大な披露宴であればあるほど、会場の装花も豪華になるのが特徴です。
お葬式の場合も同じで、盛大な式であるほど花輪などの、立派な花の出番は増えます。
しかし近年の日本では、こうした儀式を簡素化する傾向にあり、結婚式やお葬式を親族だけでひっそりと行う人たちも増えてきているのです。
花屋としては大型の案件が減ってしまうことにつながり、今まで以上に企業や個人のお客さまを確保する手立てを考える必要があるでしょう。
そのため日本全国どの都道府県に行っても花屋はありますが、正社員求人というのはそれほど多いわけではありません。
多くが個人経営の小規模店舗で、人手が足りないときに求人募集を行うのが一般的です。
即戦力が求められるため、アルバイト・パートから仕事を少しずつ覚えて、正社員を目指すのが現実的な道となっています。
花屋の将来性
花屋の仕事は、景気に左右されやすく、将来性を考えたとき楽観視するのは危険でしょう。
花屋が扱う花や植物は、食料品とは違い生活必需品ではないため、極端な言い方をすれば、ただ生きていくためには「なくてもいい」ものなのです。
そのため不況で金銭的に苦しい家庭や企業が増えれば、真っ先に経費を削減される項目になるリスクがあります。
たとえばオフィスや企業の受付、ショールームなどの定期装花を発注してくれている企業との契約が切れれば、それだけ定期的な収入が減ってしまうのです。
そのため就職先をみるときは、他と特色があり、花を売れる仕組みを常に考えているような花屋を選ぶのがよいでしょう。
ひとくちに花屋といっても、街の花屋から大手花屋、ネット専門店まで多種多様にありますが、最近はネット注文がその利便性の高さから浸透してきています。
特に「母の日」「父の日」「バレンタインデー」など季節ごとのイベントは、事前に注文しておけば当日に花束が届くように手配してくれるので、忙しい人でも忘れずに花束を贈ることができるのが大きなメリットです。
営業時間に関係なく注文できてクレジットカードで簡単に決済できたり、一定の金額を買えば送料が無料になったり、メッセージカードを同封してもらえたりとサービスの手厚さも人気を集めています。
ネットショップで花束を買う人は、今後も増えていくことが予想されているので、生き残りに必要な営業スタイルといえるでしょう。
ネットショップを使えば、地方の花屋でも実店舗を持たないショップでも、全国に顧客を増やす可能性もあるのも魅力です。
また近年では男性をターゲットにしたシックな花屋や、カフェと併設したオシャレな花屋など、コンセプトや空間デザインが秀逸で人気を集めている花屋もあります。
ただ花屋を経営していくだけでは先行き不安ではありますが、時代やお客さまのニーズを捉えてうまく取り入れた戦略ができれば、花屋の将来性はあるといえるでしょう。
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花屋の今後の活躍の場
花屋の今後の活躍の場は、花を扱うセンスや技術、アイディア、戦略次第で広げることが可能です。
街の花屋として地域に愛される店舗づくりをすることはもちろん、企業のイメージやホスピタリティを表現して空間づくりを行うフラワーコーディネートの仕事にも需要があります。
人気の花屋では飲食店やオフィス、イベント会場などのディスプレイや、広告用のフラワーデザインなどを担当したり、アーティストとして作品づくりを行うなど、思わぬ異業種とコラボする仕事もあるのです。
中には日本国内だけでなく、海外からの依頼を受けて世界で活躍する花屋もあります。
また店が空いている時間を利用して、季節の花を使ったワークショップや、フラワーアレンジメントの出張レッスンなど、新しいサービスを提供することも可能です。
地域貢献として子どもたちに花に親しめるレッスンを行ったり、老人福祉施設でフラワーアレンジメントを教えるボランティアをするなど、有償無償にかかわらず花の知識を生かすことができます。