ホールスタッフの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説
「ホールスタッフ」とは
飲食店でお客さまをもてなす仕事。ご案内から注文、配膳、会計まで幅広く担当する。
ホールスタッフの仕事は、飲食店での接客サービス全般です。
パチンコ店のフロア係をホールスタッフと呼ぶこともあります。
飲食店のホールスタッフは、お客さまの案内、注文、配膳、会計などを行います。
ホールスタッフになるために特別な資格や学歴が求められることは少ないでしょう。
各種求人サイトや求人雑誌などで希望条件に合う募集を見つけることができます。
正社員ホールスタッフの給料は一見高額ですが、時間外手当や夜間勤務手当が支給されないのが一般的なため、応募時に勤務時間帯や残業時間数などを確認する必要があります。
設備の機械化が進む中で、将来的には高度な接客ができる人材がより求められるようになるかもしれません。
「ホールスタッフ」の仕事紹介
ホールスタッフの仕事内容
お客さまと厨房の橋渡し役
ホールスタッフの仕事は、レストランやカフェなどの飲食店での接客サービスです。
お客さまが来店したら、席に案内し、注文をとり、厨房に連絡します。
注文したメニューが出来上がったら、テーブルに配膳し、食事が終わったら会計をします。
簡単な業務のように見えますが、お店によってオペレーションが違うため、さまざまな働き方があります。
小さなお店ではすべてを一人で行うことが多いですが、大きなお店や高級店では、案内係、注文係など、担当が分かれていることもあります。
厨房にいるスタッフは、お客さまの顔を直接見ることができません。
お客さまと厨房をつなぎ、気持ちよく食事をしてもらうサービスと空間を提供するのが、ホールスタッフの仕事です。
関連記事ホールスタッフの仕事とは? 店長の仕事内容もわかりやすく紹介
ホールスタッフになるには
求人誌やHPをチェック
ホールスタッフ職は、未経験者可の求人が多い職種です。
ホールスタッフになりたければ、まずは未経験可の求人に応募してみるとよいでしょう。
ただし格式高いホテルや高級レストランでは、飲食店での勤務経験が必要な場合もあります。
ホールスタッフの求人を探したいときには、アルバイトや求人誌を探してみるのがおすすめですが、HPやお店の張り紙でホールスタッフの求人を募集していることもあります。
特定のお店やチェーン店が気になる場合は、ぜひチェックしてみましょう。
関連記事ホールスタッフになるには? 取っておくとよい資格はある?
ホールスタッフの学校・学費
学歴は問わないところがほとんど
ホールスタッフになるために、学歴を問われることはほとんどありません。
しかし、ホールスタッフを経て店長やエリアマネージャーを目指すいわゆる「幹部候補」の場合は、大卒以上を求められる場合もあります。
また、ホールスタッフになるために特別な学校を出る必要もありません。
調理やホテルに関する専門学校では、接客やサービスの仕方などを学ぶコースもあるので、将来ホールスタッフを目指す人にとっては、有利であるとはいえるでしょう。
ホールスタッフの資格・試験の難易度
特別な資格は必要なし
ホールスタッフになるために特別な資格は必要ありません。
ここではホールスタッフがとっておくと便利な資格を2つご紹介します。
ソムリエ検定は、社団法人日本ホテル・レストランサービス技能協会が実施しているワインに関する検定です。
フレンチやイタリアンなど、ワインを扱う飲食店で働く人におすすめの資格です。
レストランサービス技能検定は、飲食サービスに関しては唯一の国家検定です。
レストランで働く上での知識と技術をアピールすることができます。
特に格式高いホテルやレストランで働きたい場合には、有効なアピール材料となるでしょう。
ホールスタッフの給料・年収
地域による差が大きい
正社員の場合、月収は20万円以上のことが多く、大手企業で店長や幹部候補になれば、月収40万円以上の収入を得ているホールスタッフも珍しくありません。
さらにボーナスも支給されます。
しかし、給料は地域により大きく差が出ます。
地方では月収が20万円を切ることも多く、アルバイトの時給も800~900円と他の職種に比べ低く設定されています。
飲食店は近年人手不足が懸念され、時給や給料を上げている企業も多くなってきていますが、給料が安いことが理由でホールスタッフを辞める人が多いのも実情です。
関連記事ホールスタッフの年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説
ホールスタッフの現状と将来性・今後の見通し
慢性的な人手不足が深刻
ホールスタッフは常に求人があり、人手不足が深刻な職種です。
そのためぎりぎりの人数でスタッフを回すお店も少なくありません。
オーダーやレジも機械化がすすみ、仕事内容は簡素なものになってきてはいますが、体力が必要なきつい仕事の上、クレームの矢面に立たされることも多く、離職する人も後を絶ちません。
そんななか、経験を積み未経験者に指導ができる熟練ホールスタッフや、格式高いサービスができるホールスタッフは貴重な存在となってくるでしょう。
ホールスタッフとして長く働きたい場合は、知識や技術を深め、専門性を高めていく必要があります。
ホールスタッフの就職先・活躍の場
レストランやカフェなどの飲食店
ホールスタッフの活躍の場は、レストランやカフェなどの飲食店です。
飲食店は、個人経営のお店から、大手企業が展開するチェーン店までさまざまです。
また、短時間で食事をさっと終えるカジュアルな雰囲気のお店から、コース料理を提供しゆったりとした時間を過ごすお店など、お店の雰囲気によって、仕事内容は大きく異なります。
そのほか、飲食店ではなく、ホテルや結婚式場などの宴会の場でホールスタッフとして専門に働く人もいます。
ホールスタッフの1日
勤める店舗によってさまざま
ホールスタッフの仕事は勤務先によって大きく異なります。
ここではファミリーレストランで働くホールスタッフを例にご紹介します。
11:00 出勤
ランチタイムに向けて、すでに開店している店内をチェック。
12:00
店内が混みだすので、他のスタッフと協力しスピーティーに注文を取る。
静かに食べたいお客とグループ客が離れるよう、案内する席にも気を配る。
14:00
ピークタイムが過ぎたため、ほかのスタッフに休憩をすすめる。
テーブルの状態や備品の不足がないかチェックする。
16:00 休憩
休憩時間は休憩室でまかないを食べる。
外に出て気分転換することもある。
17:30
朝からのスタッフと夜のアルバイトが交代するため引継ぎを行う。
18:00
店内が少しずつ混みだす。
アルバイトスタッフの動きを見ながらときには指導する。
21:00
店内が落ち着いてきたころ、厨房から新しいメニューの評判はどうかと相談を受ける。
お客様の評判を伝え、今後の展開や新メニューを相談する。
22:00 退勤
清掃とレジ締めを他のスタッフに任せ帰宅。
関連記事ホールスタッフの1日のスケジュール・勤務時間と休日についても解説
ホールスタッフのやりがい、楽しさ
お客様からの「ごちそうさま」
ホールスタッフはお客さまと直接接する仕事です。
自分のサービスが、直接お客さまの心を動かす仕事でもあります。
厨房のスタッフが聞けない「ありがとう」「おいしかったよ」「ごちそうさま」といった感謝の気持ちが大きなやりがいとなります。
また、接するお客さまは毎日変わります。
長年勤めていたとしても、一日として同じ日はありません。
目の前にいるお客様に対して、どのようなサービスをすればよいか、自分で考え臨機応変に対応していくところにやりがいを感じる人も多いようです。
ホールスタッフのつらいこと、大変なこと
不当なクレームにも対応する
ホールスタッフで一番大変なことはクレームを受けることです。
料理やサービスに問題があった場合、自分に直接非がなくても、お客さまに頭を下げなければなりません。
不当なクレームを受けることもあり、そんなときにどのような態度をとるかで多くのホールスタッフが苦心しています。
また、ホールスタッフは、料理とともにお店を印象付ける大切な役割を果たします。
どれだけ料理がおいしくても、ホールスタッフの態度が良くないお店に来たいと思う客はいないでしょう。
常に誰かから見られているという意識を持ち、一瞬でも気が抜けないのがホールスタッフです。
ホールスタッフに向いている人・適性
体力があり明るい接客ができる人
ホールスタッフに求められるのは体力です。
サービス中は常に立ちっぱなしのため、体力勝負の仕事です。
昼夜シフトで働く場合も多く、健康を維持しながら働くのが難しい職種なので、体力に自信のある人が向いています。
また、どんなお客さまに対しても、明るく笑顔で対応できる人が求められます。
ホールスタッフは、一人でお店を回している場合を除き、他のスタッフとのチームプレーが必要です。
ほかのホールスタッフや厨房スタッフと連携をとるためにも、周囲に明るく元気な印象を与えられる人が向いています。
関連記事ホールスタッフに向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
ホールスタッフ志望動機・目指すきっかけ
「なぜそのお店で働きたいか」を伝える
ホールスタッフを目指すきっかけは、人によりさまざまです。
しかし、大切なのは「なぜそのお店で働きたいか」です。
世の中には多くの飲食店があり、ホールスタッフを募集しているお店は無数にあります。
そのなかから「どうしてこのお店を選んだのか」「なぜこのお店で働きたいのか」をしっかりと伝えられなければ、面接で良い印象を与えることはできません。
また、自分のアピールポイントと合わせて「こんなホールスタッフになりたい」「私のアピールポイントを生かして、こんな風に働きたい」という具体的な将来像を話すのもよいでしょう。
ホールスタッフの雇用形態・働き方
アルバイトから正社員までさまざま
ホールスタッフの雇用形態は、アルバイトから正社員までさまざまです。
アルバイトの場合、自分の好きな時間だけ働くことができます。
しかしお給料は時給で支払われるため、短時間だけのアルバイトの場合は収入も少なくなってしまいます。
正社員の場合、企業に雇われているので、月給が支払われボーナスもあります。
ホールスタッフだけを続けるのではなく、他の部署に異動する場合や、ホールスタッフを経てから店長やエリアマネージャーなどになる人もいます。
ホールスタッフの勤務時間・休日・生活
シフト制で不規則になりがち
ホールスタッフの勤務時間は働くお店によって大きく異なりますが、ほとんどのお店ではシフトを組んでスタッフを回しています。
お店のピークタイムに正社員を配置することが多いため、夜にお客の多いお店は必然的に夜のシフトが多くなります。
出勤や退勤が不規則になりがちなので、生活リズムを整えながら仕事をする必要があります。
休日は4日~8日というところが多く、他の職種に比べると少ないところがほとんどです。
また土日は多くのお客さまが訪れるため、休みをとれることはまれです。
ホールスタッフの求人・就職状況・需要
人手不足で求人は多い
飲食業界はハードできついイメージがあり、人手不足が深刻な業界です。
特に都心部では、ホールスタッフが集まらないため、お店を休業したり、営業時間を短縮したりするお店も出てきています。
反面、ホールスタッフとして飲食店で働きたい人にとっては、格好のチャンスといえます。
とはいえ無数にある求人の中で、希望に沿った求人を選びだすのは至難の業です。
レストラン、カフェ、居酒屋など、自分がどんなお店で働きたいかを明確にし、条件を絞り込んで探していきましょう。
ホールスタッフの転職状況・未経験採用
未経験でも採用されやすい職種
飲食業界は、これまでに経験がなくても受け入れてくれることが多い職種です。
求人によっては、未経験可でも正社員として雇用してくれる場合もあります。
未経験の場合でも、いきなりホールに立たせるのではなく、ほとんどのお店ではしっかりとした研修があり、先輩がついて指導してくれるので、安心してください。
コミュニケーション力、マネージメント力など、自分が今までしてきた仕事の中で、ホールスタッフとして生かせる強みはないか、探してみましょう。