カスタマーエンジニアになるには
門戸の広い職種
カスタマーエンジニアになるには、コンピュータ本体や各種機器のメーカーや保守サービス会社、アフターサービスをする販売会社などへの就職を目指しましょう。
募集要項には「高卒以上」としか記されていない場合も多いため、門戸の広い職種であるといえます。
業界によっては高卒者の採用が極めて難しい場合もあるのは言うまでもありません。
しかしカスタマーエンジニアは高卒で就職し、活躍している人が他の業種に比べて比較的多い傾向にあります。
その理由の一つに年齢的に若いことをメリットととらえる会社が多いことが考えられます。
というのもカスタマーエンジニアは入社してからの研修が1年前後に及ぶのが一般的な業種。
柔軟性があり、飲み込みが早い若年者は重宝されるという側面があるのです。
20代で正社員への就職・転職
進学するなら理系の道へ
カスタマーエンジニアの大半はコンピュータ本体や各種機器のメーカー、保守サービス会社、アフターサービスをする販売会社などに所属しています。
これらの会社の採用条件に必要な資格などはありません。
前掲の通り、会社を選ばなければ高卒で就職活動をすることも可能です。
ただしより有利に活動を進めるためにも工業高校卒業程度以上の工学の知識を持っておくことをおすすめします。
進学先としては機械、電気・電子・通信工学、情報工学などを学べる専門学校や大学を選ぶとよいでしょう。
在学中に情報処理関係の資格を取得しておくとなおプラスです。
手厚い研修が業界の特徴
カスタマーエンジニアとして必要な保守技術や関連する知識は入社後に研修で習得することができます。
扱う機器も一般的には目にすることのないような類のものが多く、高度な技術や知識を要するため、研修期間が長めに設定されているのがこの業界ならではの特徴です。
1年前後は研修が続くものと考えておきましょう。
逆に言えばそれまでどんな経歴であったとしても入社後にフォローが受けられると考えることができます。
20代で正社員への就職・転職
よりよいスタートダッシュをかけるために
カスタマーエンジニアを目指す上で入社前にできることとしては、やはり工学の基礎知識を持っておくことでしょう。
最低でも工業高校卒業程度の知識は習得しておきたいものです。
高校卒業後は機械、情報学、情報工学、電気・電子・通信工学などを学べる大学や専門学校に進学するとなお有利に就職活動を進めることが可能になります。
在学中に情報処理関係の資格取得を目指すのもいいでしょう。
顧客対応も研修で習得
カスタマーエンジニアにとって保守に関する知識や技術と同じくらい重要なのが顧客対応能力です。
専門知識のない顧客に対して懇切丁寧に対応できる力も入社後の研修で学ぶことになります。
もちろんその土台となるコミュニケーション能力は入社前から磨いていけるもの。
部活動やサークル活動での人間関係や接客のアルバイトでの経験がものをいいます。
この点を意識して学生時代を過ごすことをおすすめします。
生涯学び続ける姿勢を
高度情報化社会である現在、昨日までの知識や技術が通用しなくなることもしばしば。
コンピュータ本体を始め、各種機器は日々進化を続けています。
カスタマーエンジニアは入社後も、そして研修を終えて独り立ちした後も常に新たな技術や知識の習得に励み続ける必要があります。
カスタマーエンジニアになることはできても、カスタマーエンジニアであり続けなければ意味がありません。
スペシャリストへの道は甘くないことを覚えておきましょう。
カスタマーエンジニアに必要な資格
高卒は必須
カスタマーエンジニアになるためにはコンピュータ本体や各種機器のメーカー、保守専門の会社、アフターサービスを請け負う会社などに就職することが必要です。
これらの会社から採用されることを目指すにあたり、必ず高校は卒業しておきましょう。
工業高校であればなお良いといえます。
ただし、高卒の場合、給与や出世のスピード等を考えた時、大学や専門学校の卒業資格に比べて不利になることもあります。
可能であれば機械、電気・電子・通信工学、情報工学などを学べる専門学校や大学への進学も視野に入れることをおすすめします。
必須資格は特になし
カスタマーエンジニアを目指すにあたり、入社前に必ず取得しておかなければならない資格はありません。
というのもカスタマーエンジニア業界の大きな特徴として1年近い研修が義務付けられているということが挙げられます。
極端な話、カスタマーエンジニアに必要な知識や技術、資格は入社後に習得することになると考えて下さい。
外回りに自動車の運転が必要に
カスタマーエンジニアは扱う機器を実際に運用している現場に出向いて作業することがメインの職種です。
1日に最低でも5件は現場を回ることになるでしょう。
その際の移動手段として自動車の運転が必要になります。
入社前に普通自動車免許を取得しておきたいものです。
アピールポイントとして取得したい資格
必須資格がないとはいえ、苦労して取得した資格は財産であり、採用する会社側にとっても評価対象になることは否めません。
入社前に情報処理関連の資格を取得しておくとよいでしょう。
またマイクロソフト認定技術者試験(MCP等)、シスコ技術者認定(CCNA等)、オラクル認定資格制度といった専門性の高い資格を持っていると任される仕事の幅が広がり、好待遇での雇用も目指せます。
現場で大型のPCを扱う場合、第1種電気工事士や電気通信設備工事担任者等の資格が必要になることがありますが、これらは実際に現場に出た後、会社から指示を受けて取得することになるでしょう。
語学力は高いほど良い
特に外資系の会社では英語が話せることを必須条件にしている場合があります。
マニュアルが全て英語だったり、上司が外国人だったりするため、日本語だけではコミュニケーションツールとして不足であるためです。
海外支社に転勤になることや、外国人ユーザーと接することも可能性として低くありません。
語学力があれば仕事の幅が広がるでしょう。
カスタマーエンジニアの志望動機、面接
長い研修に耐えうる忍耐力のアピールを
カスタマーエンジニアの大きな特徴の一つとして、入社後の研修期間が長いことが挙げられます。
会社によって差はありますが大体半年~1年前後は研修で過ごすことになると考えていいでしょう。
つまり、新しい知識や技術を学ぶ立場として過ごす期間が他の職種に比べて長いというわけです。
学生とまではいかないまでも学び続ける姿勢を長年間保つことができなければ一人前のカスタマーエンジニアとして現場に出ることができません。
この期間を謙虚な気持ちで乗り切れる人間性を面接時に伝えられると、会社側も採用の決め手の一つとして評価するはずでしょう。
部活動やアルバイトなど何か一つのことを一定期間継続した経験は是非アピールしておきたいものです。
コミュニケーションスキルを存分に発揮しよう
カスタマーエンジニアはほとんどの業務を出先の現場で行います。
その際、顧客とのコミュニケーションを避けることは不可能。
専門的な内容でも噛み砕いて分かりやすく説明するなど、信頼関係の構築に高いコミュニケーションスキルを要することを理解しておきましょう。
これも前掲の研修期間中に訓練される内容ですが、面接時に素地になる朗らかさなどをアピールできるとよいでしょう。
声の大きさやトーン、話すときの表情など、先方が好感を持てるような所作を心掛けて下さい。
コンピュータが好きであることは大前提
この先ずっと付き合うことになるコンピュータや関連機器の扱いが好きであることは必須の志望動機です。
機械いじりが苦手だったり、細かい作業が嫌いだったりする人が志す職業ではないことは言うまでもありません。
逆に言えば志願者全てに共通する志望動機であるため、差別化が図りにくく先方の記憶に留まりづらいということになります。
これを伝える際は独自性のあるエピソードをからめられるとよいでしょう。
女性のカスタマーエンジニアも活躍できる?
募集に男女差なし
性別を限定して募集をかけている会社はほとんど見受けられません。
しかし、注目すべきは福利厚生欄です。
ここに育児休暇、産前・産後休暇を明記している会社には女性が活躍した実績があると見ていいでしょう。
そうでない場合は女性が働く環境としてはまだ途上であるといわざるを得ません。
エンジニアはもともと男性中心の職業であったため、その風潮が根強い会社も多いのが現状です。
長く活躍するためにも就職活動の際の企業リサーチは綿密に行いましょう。
ライフスタイルに合うかどうか
カスタマーエンジニアは24時間体制でトラブル対応を行っています。
休日返上で現場に出向くことも珍しくありません。
会社によっては、定時で上がれることも少ないと考えていいでしょう。
このような勤務体制は家庭を持つ女性にとっては厳しさを感じざるをえないものになりえます。
特に小さい子どもを抱えている女性は、周囲のサポートなくして勤務を継続することは難しいでしょう。
前項で述べたように福利厚生で短時間勤務制度の設置がある会社であれば育児中も安心です。
また派遣やパートで都合のつく時間だけ働くという手段もあります。
ただしそれは一定以上の勤務実績が前提で可能になる話です。
実は女性の能力を生かせる職種
機械の修理は男性の方が得意であるというように見られる風潮が根強いのは事実です。
しかしカスタマーエンジニアに必要なのは専門の知識や技術だけではありません。
それと同じくらい高いコミュニケーション能力が必要なのです。
というのも現場で出会うのは自社の人間ではありません。
いわゆるアウェイな環境でいかに信頼を得られるか、また専門知識のない人を相手にいかに分かりやすく話ができるか、これらもカスタマーエンジニアの腕の見せ所なのです。
この能力に長けている人は女性でもたくさんいます。
むしろ女性ならではの細やかさが重宝されるともいえるでしょう。