治験コーディネーターのつらいこと・大変なこと・苦労
治験コーディネーターのつらいこと・大変なこと
治験コーディネーターとして病院などの医療機関で働くときにつらいことのひとつは、院内にいる部外者として、医師をはじめとする医療スタッフとのコミュニケーションに苦労することです。
治験全体をサポートする治験コーディネーターの仕事には幅広い業務が含まれますが、治験がスムーズに進むよう、全体のコーディネートをすることが最も重要な役割です。
治験には患者さん、医師や看護師などの医療関係者、製薬企業の関係者など多くのさまざまな人々が関わっており、それぞれが立場や意識、時間軸などを当然別々に持っています。
そのため、思うようにいくことばかりではなく、ひとつの案件の中でそれぞれを調整していくのは大変なようです。
また、治験コーディネーターには病院に直接雇用される治験コーディネーターと、治験施設支援機関(SMO)などの民間企業から医療機関に派遣される治験コーディネーターに大別されますが、治験コーディネーターの多くはSMOに所属しており、治験が行われる現場(おもに医療機関)では部外者ともいえます。
そのため、治験に参加する患者さんだけでなく、医師や看護師、臨床検査技師など病院の医療スタッフとのコミュニケーションにも気苦労を感じることも多いです。
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治験コーディネーターの悩み
治験という大きなプロジェクトではその性質上、関わる人も大人数であるゆえに非常にたくさんの情報がやりとりされ、取り扱われる書類や文書もかなり多くのジャンルに及びます。
そうした文書のなかには、治験コーディネーターが作成または作成補助を担当するものが少なくありません。
必要書類や計画書、関係者とのミーティング用の資料や患者さん向けの文書などは治験コーディネーター自身が作成しなければなりません。
また、治験データを記載する症例報告書は医師が作成しますが、医学的判断を伴わない部分については治験コーディネーターが記載して作成を補助します。
こうした作業は治験コーディネーターの業務においてかなりの割合を占め、午前中に患者さんへの対応をしたのち、午後いっぱいを事務仕事に費やさなければならないことも少なくありません。
昨今ではほとんどすべての書類作成にはパソコンを使用するため、基本的なパソコンスキルが求められます。
事務仕事やパソコンが苦手な場合には、文書作成に苦労するようで、治験のプロジェクトじたいに直結する業務だけでなく、事務能力やパソコンスキルが壁になることも悩みになるようです。
ただし、企業によってはこれらのスキルを修得できる研修や補講などが用意されている場合もありますので、勤務前に確認しておくとよいでしょう。
治験コーディネーターをやめる理由で多いものは?
激務ではないといわれる治験コーディネーターですが、業務はチームでひとつの業務を行うのではなく、それぞれが個々で違うプロジェクトを担当する場合が多いです。
そのため、自分の仕事の進め方や配分次第では残業をゼロに抑えることも可能です。
しかしながら、新しい治験プロジェクトが動き出す時期は、業務量が多く、それらが重なったりするタイミングによっては残業も発生すると考えておいたほうがよいでしょう。
また、新たな被験者である患者さんの登録時などはミスが許されず、細かい登録基準を確認するなど神経を使う時期であり、体力的な激務ではありませんが精神的に疲労することは十分に考えられます。
自身の裁量でゆったり仕事ができ、残業は全くなく激務もない仕事だと思って転職した場合などは、いざ働き始めると思っていた状況と話が違うということにもなりかねません。
また、治験コーディネーターの業務は、ひとつの案件において被験者である患者さんや担当医師などの関わる人々のスケジュール管理や発注元である製薬会社・患者さんへの対応と多岐にわたります。
慣れないうちはコミュニケーションの難しさや業務のペースをつかめずに苦労する人も多いようです。
また、書類作成も多い仕事のため、覚えることや気を付けなければならないことも多く、想定以上のプレッシャーで自信を無くしてしまうケースもあります。
出張や移動の多さもネックになる
治験施設支援機関で働く治験コーディネーターは、遠方の機関に出向いたり定期的にある出張などといった、移動の多さがネックになるという声もあります。
コアタイムを設けフレックス制度を採用している企業などで働く場合には、勤務時間や業務のボリュームを各自で調整したりといったことができ、早く退勤できる日を作ったり代休を取ったりといった工夫をして勤務しているようです。
また、治験のプロジェクトのステージや進捗によっては外勤、出張がメインとなるタイミングもあり、急な出張などでプライベートにしわ寄せが来ることも治験コーディネーターが大変だと感じる要因のひとつです。