コラムニストの仕事内容
コラムニストの仕事とは
コラムニストの仕事内容は、コラムを執筆することです。
コラムとは、新聞などの囲み欄(らん)のことです。
客観的な事実をもとに主観的な見解をはさんだもので、新聞、雑誌、ウェブサイトなどのメディアに、評論やエッセイなどニュース以外の短い文章を提供します。
社内の新聞記者や編集者などが自らコラムを執筆することもありますが、一般的には、フリーランスあるいは外部からのコラム提供者のことをコラムニストと呼びます。
コラムニストの業務の内容
コラムニストは、新聞社や出版社などのクライアントの担当編集者などとやりとりをして、コラムの掲載コーナー、テーマ、タイトル、文字数、締切、原稿料などを打ち合わせます。
それから読者ターゲットや担当編集者などの意向を考慮し、コラムを執筆します。
執筆のためにはネタを探したり、取材したり、読者ターゲットの志向性を調査したりすることも珍しくありません。
またコラムは一般的に短い文章が多く、少ないボリュームで読者の心を動かすような工夫が必要です。
書き上げた原稿は担当編集者のチェックを受け、修正点があれば書き直し、最終的に納品することで著作権を依頼元に委ね、原稿料を受け取ります。
コラムニストの役割
社説とコラムの違い
コラムと似た役割を持つものに「社説」があります。
社説は新聞社としての意見をまとめたもので、時事問題や話題となったニュースなどに関し、新聞社のベテラン記者や論説委員などが議論を重ねて原稿を制作します。
一方、コラムはニュースだけでなく世の中の身近なテーマを扱うことが多く、コラムニスト自身の人柄が現れるのが特徴です。
コラムニストは新聞社や出版社の考え方にとらわれることなく「自分の思い」や「物事の視点」を自由に書くことができ、多くの人に刺激を与え、考え方に影響を与える存在です。
執筆対象は多岐に渡る
どのようなコラムを書くのかといった執筆対象によっても、さまざまな種類のコラムニストが存在し、多くの人に刺激を与えています。
たとえば政治・経済などの分野から、料理・グルメ、旅行、ファッションといったエンターテインメントに関わるもの、医療、科学など専門的な分野まで幅広いのが特徴です。
たとえば経済コラムニストの小笠原誠治は九州大学法学部を卒業後、28年間の大蔵省勤務を経て、執筆活動をはじめたことで知られています。
また料理記者の岸朝子は、現在の女子栄養大学を卒業後、東大農学部に勤務し、カキ養殖業を経て、執筆活動に入りコラムニストとして活躍しました。
このようにコラムリストの執筆対象は非常に多種多様で、専門分野を称するコラムニストは、さまざまな経験を経たのちに、その経験を生かしたコラムニストとなるパターンが主流です。
コラムニストの勤務先の種類
コラムを執筆する人のことを幅広くコラムニストと呼びますが、その勤務形態は人によってさまざまです。
たとえば『朝日新聞』の1面に1904年から1世紀以上にわたって連載されている「天声人語」という有名なコラムは、朝日新聞社の記者が執筆しています。
そのほか『読売新聞』の「編集手帳」、『毎日新聞』の「余録」、『東京新聞』の「筆洗」、『日本経済新聞』の「春秋」などのコラムも同様です。
コラムニストにはこうした新聞社や出版社などの社員もいますが、フリーランスで活躍する人も多いのが特徴です。
また本業は別にあり、その仕事に関わる専門分野についてコラムを執筆する兼業コラムニストや、本業とは無関係の分野で専門をもつコラムニストも存在します。
コラムニストと関連した職業
コラムニストは、同じ文筆業でも小説家、作家、文芸評論家、脚本家、劇作家、放送作家、詩人、歌人、俳人、作詞家などとは、書く内容が異なります。
ジャーナリストやエッセイストとは執筆内容が重なる点もあり、コラムニストと兼業する人もたくさんいますが、厳密には報道(ニュース)か否か、著作権の有無に違いがあります。
ジャーナリストは、主に報道の場で活躍し、自身が書いたものは著作権が発生します。
一方、コラムニストは時事ネタに関する執筆も行いますが、主に報道以外の部分を担うことがほとんどです。
また、原稿料を支払われる代わりに、著作権は新聞社や出版社に譲渡されることが多くなっています。