理学部卒業生の体験談・就職先まとめ
数学科を目指した理由
小さい頃より数学が好きでかつ得意だったので、理学部数学科を目指すことにしました。
受験時は、数学の配点が高く、他に必要な受験科目も少なかったため、得意な数学を生かしやすく、勉強計画が立てやすかったです。
数学科で学んだこと・役に立っていること
ひたすら数学を勉強しました。
数学を教える仕事に就いたので、勉強したことはそのまま役にたってはいますが、大学で学んだことよりも、大学に入る過程で学んだことのほうが役に立っています。
現在プログラミングを始めましたが、条件分岐等が数学そっくりでした。
数学科の雰囲気
理系の中では女性が多いほうで3割程度いたと思います。
真面目な学生もいましたが、勉強しない学生、そもそも出席すらしない学生等、色々な方がいました。
印象に残っているのは、退学された方がかなり多かったです。
数学科の楽しかったところ
数学自体が好きだったので、勉強自体は楽しかったです。
あまり学校に行かなかったので、そんなに授業を受けてなかったことを、ものすごく後悔しています。
あとは普通に友達と一緒に遊んだり勉強したりと楽しかったです。
数学科のつらかった・大変だったところ
数学系の専門科目は良かったのですが、つらかったのは語学です。
第二外国語も必修でしたのでかなり苦労しました。
語学の授業は、出欠が厳しいので、出席しなければならない、しかし出ても何を言っているのかわからなくてつらかったです。
数学科の卒業後の就職先・進路
一つは教員を主とした公務員が多かったです。
不景気だったので安全な道を選ぶ方が多かったのかなと思います。
もう一つはメーカーのシステムエンジニアになる方が多かったです。
どちらも今も人気の職種だと思います。
卒業後の所感・メッセージ
直接的ではないですが、勉強したことが役に立つ学科だとは思います。
ただ高校までの数学と大学での数学は全く別物ですので、単に好きというだけで選ぶと後悔することになるかもしれません。
就職は工学部のほうが強いです。
理学科を目指した理由
他大学(MARCH)に1年在籍し、自分に合っていないと感じて大学を受けなおしました。
理系なので、もともと国際基督教大学は視野に入れていませんでしたが、理系の友人がこの大学に入学したので、理系の学科もあると知り興味を持ちました。
理学科で学んだこと・役に立っていること
どのように勉強に取り掛かると身になるかを教え込まれるので、大学院に進む際に有利でした。
また、専門ではないですが、英語の授業が非常に役に立ちます。
理系でも一年間はほぼ英語の授業しかない上、専門の授業も講義が英語の場合があるので、卒業時には誰もが英語をある程度使えるようになっています。
理学科の雰囲気
真面目です。
他大学で経験したようなコールのあるような激しい飲み会を、この大学に入ってからは経験しませんでした。
男女比は大学全体では女性の比率が高いです。
理系では男女比が半々か、男性6:女性4くらいでした。
理学科の楽しかったところ
自分が成長し、可能性が広がっていく事を知るのが楽しかったです。
学力があがり、以前視野に入れる事のできなかった進学先を視野に入れる事ができるようになります。
また、入学時には全くできなかった英語がいつの間にか話せるようになり、国際交流の機会が持てる事も楽しかったです。
理学科のつらかった・大変だったところ
勉強が一番つらかったです。
宿題が多く、朝起きてから寝るまでずっと宿題をしても間に合わないため、授業をさぼって宿題を終わらせる必要がある事も度々ありました。
入学後の方が、受験時以上に勉強をさせられます。
理学科の卒業後の就職先・進路
比較的自由に進路を決める人が多いです。
理系でも、卒業後は哲学など文系の分野に進む人もいますし、文系でも卒業後に宇宙工学など理系の専門に進む人もいます。
また、理系文系関係なく、多くの人が一度は海外に進学する、または海外で働く事を選びます。
卒業後の所感・メッセージ
高校生の時点で進路をはっきり決める事ができる人は多くないと思います。
まだ何がやりたいか分からない、そんな考えを持っている人には国際基督教大学は最適です。
大学に入ってからも、専攻を変える事が可能ですし、専攻外の授業も取りやすいです。
化学科を目指した理由
通っていた高校が化学の実験を積極的に行う学校で、とにかく実験とそれに基づいて考察する作業が面白いと感じていました。
オープンキャンパスで大学の化学実験に参加し、もっといろいろな実験をしてみたいという思いが強くなり、理学部化学科を目指しました。
化学科で学んだこと・役に立っていること
理学部化学科では、イメージしていた通り、さまざまな実験をこなしていきました。
初めは実験ノートに一つ一つの行程を書き出して、どの順番で何を行っていくのかを間違えないように必死でしたが、慣れていくにつれて頭の中で行程表のようなものがさっと浮かぶようになり、効率良く作業を行えるようになりました。
意外かもしれませんが、今では料理をする際など、下ごしらえや仕込みを含め、調理の手順などを頭の中でぱっと考え、手早く効率よく調理し、短時間で温かい料理を家族に提供できるようになりました。
直接、化学が役に立っているわけではありませんが、化学科で学んだ経験は日常生活の中で確実に活きていると感じます。
化学科の雰囲気
私は女子大だったので全員女性でしたが、他大学はやはり男性が多いようです。
しかし、理学部の中では化学科は、他学科と比べて女性が多い傾向があるようです。
何事に対しても「なぜこうなるのか?」「こうしたらどうなるのか?」と常に疑問と好奇心を持っている学生が多く、日常会話の中でも、どうでもいいくだらないことに対してもディスカッションしては楽しんでいました。
いわゆる文系・理系の違いはあると思います。
理系人間にとっては居心地のいい環境だと思います。
化学科の楽しかったところ
理学部化学科の醍醐味はやはり学生実験ではないでしょうか。
私の大学では2人1組ペアになって実験をしましたが、意外と待ち時間が長かったりしたので、その間、一緒に実験の考察をしたり、おしゃべりをしたり、将来について語ったりするのが楽しかったです。
実験が上手く行かずに遅くまで居残ることもありましたが、その分、先生やティーチング・アシスタントの先輩方にじっくり見ていただけて、興味深いお話も聞けたりして、充実した時間を過ごせたと思います。
化学科のつらかった・大変だったところ
私の大学では、化学科は他の学科に比べて必修科目が多かったので、それだけで時間割が埋まってしまう年もありました。
一つも単位が落とせないというのはかなりのプレッシャーで、興味のある他学科の授業を履修する余裕がありませんでした。
教職をとっている子は本当に大変そうで、早々に諦める子も多く見られました。
ですが、単位を落としても次取ればいいと割り切って、好きな科目を履修している子もいたので、その人次第なのかもしれません。
化学科の卒業後の就職先・進路
ほとんどが大学院に進学し、大手化学メーカーや大手化粧品メーカーに就職し、研究職に就く学生が多いです。
教職(理科、化学の教師)に就く学生も多くいます。
一方で、コンサルタントや銀行など、いわゆる文系職に就く学生もいます。
まれに博士課程へ進学し、アカデミックポストに就く学生もいます。
化学科は理学部の中でも潰しがきくと言われているので、就職先で困ることはほとんどないかと思います。
卒業後の所感・メッセージ
理学部化学科は、純粋な化学を勉強するところです。
研究室に配属されてから行う研究も基礎研究がほとんどなので、中には「この研究は一体世間で何の役に立つのだろうか」と疑問を抱き、躓いてしまう人もいるかと思います。
しかしながら、これらの基礎研究があってこその応用研究、製品開発です。
本当に化学が好きで、化学を勉強したいという強い気持ちを持っていれば、躓いたり、投げ出したくなった時でも、諦めずに最後まで研究をやり遂げることができると思います。
みなさんの大学生活が充実したものとなるよう応援しております。
化学科を目指した理由
もともとは薬(特に創薬)に興味があり、人間の体の中でおこるさまざまな反応(とくに化学的な反応)を学べるであろう薬学や創薬科学を扱う学部を見据えて勉強をしていました。
学力との兼ね合いや将来的に薬の道へも進めるという理由で最終的に理学部化学科を目指しました。
化学科で学んだこと・役に立っていること
理学部という学部は、自然の原理を科学的なアプローチで解き明かすことに重きが置かれています。(工学部などは原理を利用することに重きがあります)
この理学的な思考は、日常生活や仕事(あるいはアルバイバイト)において常に「なぜ?」を考えることを習慣にしてくれます。
なぜ今うまくいったのか、なぜ今回は失敗したのか、根本にある問題を冷静にみつめる癖がついているおかげで、問題解決能力が高くなったと思います。
化学科の雰囲気
理学部は物理学科や数学科など多数の学科にわかれますが、中でも化学科は真面目な学生が多い印象です。
もともと薬学部を目指していた学生も多いため、他学科と比べると入学時から意識レベルが他学科よりも高いのだと思います。
男女比はおよそ7:3です。
理学部のなかでは女性の割合が高いほうだと思います。
化学科の楽しかったところ
さまざまな試薬を使った実験を行えるのが理学部化学科の魅力だと思います。
大学生とはいえど、自分の調製しているサンプルが目の前でキレイに色を変えていく様子には、小学生のころ感じたようなワクワク感があります。
思うようにいかない実験やレポートの作成など大変なこともありますが、それらも含めて本当に学べていると感じるので楽しいです。
化学科のつらかった・大変だったところ
理学部では他学科の専門分野についても知識としてある程度勉強することになります。
学年があがるごとに専攻する学科の専門性があがることはもちろんですが、それに伴って必要となる他分野のレベルもあがります。
私は化学科ですが物理と数学は苦手だったため、そこでつまずきました。
化学科の卒業後の就職先・進路
例年約3~4割の学生は大学院へいきます。
また理学部の場合は教員として学校へ勤務する人も多い印象です。
とくに数学科は教員になる学生が多いです。
私の所属する化学科はそれに比べると少ないです。
また、企業へ就職する学生も同じく3~4割ほどいます。
製薬会社など専門性の高い企業にいく学生もいますし、理系とは関係のない企業で働く人もいます。
卒業後の所感・メッセージ
自分の興味のある学部・学科を見つけてそこを目指すのが一番良いですが、注意して欲しいのは必ずしも自分が好きな分野だけを学べるというわけではないということです。
どの学部・学科も突き詰めればひとつにまとまります。
その際には必ず他の分野の知見から助けを借りることになります。
そんなとき、自分の興味の幅を広げられるチャンスだとポジティブに捉えられるように、決して逃げの選択としての学部や学科を決めないでください。
生命科学を目指した理由
将来、生命科学の研究をしたくて、その基礎となる勉強をするために理学部の生命科学を目指しました。
理学部は基礎的な部分をしっかりと学習できるので、将来の基礎となる知識や経験を身に付けたい人に合っていると思います。
生命科学で学んだこと・役に立っていること
現在は希望していた医学系、薬学系の大学院に進学しています。
学部で学んだことを活かして研究に取り組んでいるところです。
学部でしっかり学ぶこと、勉強することは大学院入試でも役立ちます。
大学院入試は大学入試に比べて割と受かりやすいです。
ただどこの大学も英語の試験は重視されるので、しっかり英語に取り組み、加えて専門分野の勉強をすることが必要です。
生命科学の雰囲気
理学部の生命科学系は男女比率1:1か少し男の子の割合が多いかなという印象です。
文系と違って理系は授業や実験、レポートで忙しいです。
理系からみるとやはり文系はおしゃれで、自由な時間も多い印象をもっています。
生命科学の楽しかったところ
現在生命科学の進歩は凄まじいものがあります。
どんどん研究が進んで、いろいろなことがわかってきています。
その基礎となる内容から話題の研究成果まで学ぶことができることは、興味がある人にとってはとても楽しいことだと思います。
生命科学のつらかった・大変だったところ
やはり実験やレポートだと思います。
よく言われるのは、レポートに追われてゲームやスマホをする暇がそんなにないということです。
大学生ですから、サークルやバイトをした上で、レポートを書いて、授業にでて、実験をしてとなるとそれだけでいっぱいいっぱいです。
ただそうした充実した大学生活を送ることができることは素晴らしいことだと思います。
生命科学の卒業後の就職先・進路
卒業後は大学院に進学する人が多いです。
内部進学をする人もいますし、外部の大学院に進学する人もいます。
理学部の大学院に進学する人もいれば、医学系、薬学系、農学系の大学院に進学する人もいます。
当然、就職する人もいます。
中学や高校の教師になる人もいます。
卒業後の所感・メッセージ
将来、生命科学系、医学系、薬学系、農学系の研究をしたい人はもちろん、食品系や製薬系の仕事をしたい人にはオススメします。
理学部の生命科学だと、医学系、薬学系、農学系よりも基礎的な部分から学べると思います。
地球惑星科学科を目指した理由
中学や高校の頃から理科の授業が好きでした。
特に宇宙や惑星、地震や天気といった地学に関することが好きだったので、どれも学べるので目指しました。
また地層の模様の美しさに惹かれていたので、地質調査で色々実物を見に行けることが魅力的と思い目指しました。
地球惑星科学科で学んだこと・役に立っていること
地質や地震についての知識はとても役立っています。
賃貸や持ち家を探す際にはその場所が災害に強いか地層や地形から判断できます。
また地質を調べるために山を歩く実習があったので、地図の読み方や登山時に安全なルートの探し方もわかります。
地球惑星科学科の雰囲気
自然を多く扱うためか性格は総じて気取らずゆったりした人が多いです。
ただパソコンでシミュレーションを行う人たちはお洒落で細やかな神経の人もいます。
男女比は私が在籍していた10年程前は4:1でしたが最近では2:1位の時もあり女性の比率が増えてきています。
地球惑星科学科の楽しかったところ
なんといっても地質調査実習です。
ハンマーや計測器を持って山に入り、自然の中で地質を調べることはとても気持ちが良いものです。
綺麗な地層面が見えるとテンションが上がります。
手のひらの上で上手くハンマーで石を割れる人は、尊敬を込めてラピュタのぽむじいさんと呼ばれます。
地球惑星科学科のつらかった・大変だったところ
こちらも地質調査実習です。
学生4人グループで2週間、泊まり込みで山を歩いて地質の調査を行います。
調査は楽しいですが、田舎の閉鎖環境で朝から晩まで地層のことを考え、そこまで親しくない人たちと行動を共にするのはつらかったです。
地球惑星科学科の卒業後の就職先・進路
学部卒では理系教員や公務員になる人が多いです。
コンピューター解析をしていた人はシステムエンジニアになる人もいます。
花方は石油や鉱物資源の調査会社、JAXAなどの研究機関ですが学部卒では難しいです。
7割程の人は大学院に進学し、更に研究を深めます。
卒業後の所感・メッセージ
人数が少ないので全員と喋ることができ、他の科より仲が良いのが良かったです。
素朴な人ばかりなのでいじめとは無縁です。
ただ専門を活かすことのできる就職先は広くはないので、本当に好きで研究したい人しかオススメしません。
物質地球科学科を目指した理由
高校で物理が好きになって、その真髄を学びたくなったからです。
工学部は応用的なことを学ぶと聞いたので、より基礎的なことを学べる理学部を選びました。
聞きなれない学部名だと思いますが、実質的には物理学科と同じでした。
物質地球科学科で学んだこと・役に立っていること
物理全般を学びました。
物理学実験、電磁気学、統計物理学、相対性理論、量子力学、解析力学、流体力学、など一通り身に付けることができました。
半導体関係の会社に就職したので、基礎的な知識は役に立っていると思います。
物質地球科学科の雰囲気
学生の性格は真面目な人が多かったです。
物理学を生かせる職種は少ないので、院を目指す学生も多く、勉強の意識は高かったと思います。
男女比は9:1ぐらいでした。
女性が極端に少ないので、女性特有の妬み争いもなくサバサバしていました。
物質地球科学科の楽しかったところ
物理学実験は楽しかったと思います。
誤差の考え方はその後の人生でも使えます。
プログラミングの授業も、実技演習が多く楽しめました。
また、地学の授業も受けることができ、パソコンで島を立体的に表示するのが面白かったです。
物質地球科学科のつらかった・大変だったところ
学年が上がるにつれて、量子力学や相対性理論を学ぶので勉強が大変でした。
また卒業研究も、数値計算を行う研究室だったのでプログラムを組んでは一晩〜数日動かして結果を確認する、という地道な作業がつらかったです。
物質地球科学科の卒業後の就職先・進路
多い順に、院、民間企業、公務員(教員など)でした。
院に進む人が半数近くいたと思います。
民間企業の中では、自分と同じ半導体会社に約40名中3名が入り、部署は別ですが仕事で交流がありました。印刷会社に行った人もいました。
卒業後の所感・メッセージ
物理学をしっかり学べたことは、会社人生にも活きています。
特に統計は活用する場面が多いです。
物理は特殊な先生が多いのでついていくのは大変なこともあるかもしれません。
本当にやりたいことを見極めて、自分を信じて進んで行ってください。
物理学科を目指した理由
理学部物理学科を目指した理由は、一番のめりこめる分野だったからです。
自然界の事象のさまざまな要素を分解し、解析し、明快な公式で表現できることに魅力を感じました。
さらに、「自然科学」の研究現場に近づきたいと考え、理学部をめざしました。
物理学科で学んだこと・役に立っていること
理学部物理学科で学んだことで、今役にたっていることは、論理的な考え方です。
一見複雑に見える状態であっても、単純な現象の組み合わせてあることが多いからです。
個々の現象に分解し、最も考慮しないといけないことから手をつけることによって、一見困難な問題でも解決の糸口がつかめることがあります。
物理学科の雰囲気
理学部物理学科の学生は、興味のあることには集中力がすごいのですが、興味がないことには無頓着な性格の学生が多かったように思います。
理学部全体の男女比は9対1ぐらいでしたが、物理学科となると、女子の比率はその10分の1ぐらいでした。
物理学科の楽しかったところ
同じ講義・実習を履修する同級生と、自然科学に関する話題など、深い話ができて楽しかったです。
自然科学の専門的な知識や理解にユーモアを加えて、一つの話題から次から次へと面白い話に発展しました。
それぞれの興味のある方面が異なるので、お互いに良い刺激になりました。
物理学科のつらかった・大変だったところ
理学部物理学科の大変だったところは、実習(実験)でした。
まず教科書のような分かりやすい資料がなく、参考文献(英語)を調べないといけないところから始まりました。
実験の手法も、マニュアルがあるわけでなく、グループで試行錯誤しながらレポートにまとめました。
実験機器の不調(古い装置が多いのです)など、予想外の苦労がありました。
物理学科の卒業後の就職先・進路
卒業後の進路は、私を含め、大学院に進学する学生が一番多かったです。
同じ大学の理学研究科に進学する者以外に、他の研究科や、他大学の大学院を受験する学生もいました。
また、理学部から他大学の医学部を再受験する学生もいました。
就職先では、メーカー・製造業など理系の業種が多かったですが、文系分野に就職する学生もいました。
卒業後の所感・メッセージ
卒業して思うことは、理学部で過ごした期間が、人生で一番、自分と近い考えを持った人間と深く自由に触れあえて良かったということです。
大学院修了後の職場では、そのような自由な発想で、自然科学(に限りませんが)の深い話をする機会は乏しくなりました。
物理学科を目指した理由
もともとSF小説が好きで、タイムトラベルとは実現するのか、宇宙人はいるのか、宇宙はなぜあるのか等に興味があり、物理学科を選択しました。
自分は文系人間ですが、文系にすすむよりは就職もずっと有利だときいて理学部にしました。
物理学科で学んだこと・役に立っていること
基礎の数学から量子論まで学びました。
よく聞く、「シュレーディンガーの猫」や相対性理論を数式で学びました。
箱の中の猫は観察者が蓋をあけて確認するまで、生きている状態と死んでいる状態の確率でしか語れないことや、時間は絶対的なものではないことなど、日常の感覚では捉えられないようなことを学びました。
物理学科の楽しかったところ
講義の中で、SFやアニメ、映画作品等について、こういう仮定や展開はこの法則をあてはめればあり得ないことであるとか、こういう結果になっていなければおかしい等、身近な例に引き寄せて聞けたのが楽しかったです。
物理学科のつらかった・大変だったところ
化学科や生物学科、工学部などに比べればずっと少ないけれど、実験もあり、空想や理屈が好きなだけの学生にはつらい時間でした。
電磁気学等、興味がないけれど必修の科目もそこそこあって、単位を取るのが大変でした。
物理学科の卒業後の就職先・進路
大多数は大学院に進学しました。
就職する人はメーカーの総合職が多かったです。
IT関係に進む人も少なくなく、一部金融機関に就職した人もいました。
教職をとる人が非常に少なかったからか、教員になった人は見ませんでした。
卒業後の所感・メッセージ
もともと文系人間なので、受験勉強の数学や物理もあまり楽しいものではありませんでしたし、入学後も数学に苦労したりしました。
でも就職は苦労しませんでしたし、SF作品の読み方にも広がりが生まれて楽しさも増し、物理学科で正解だったと思っています。
文系的な学問は社会人になってから独学でやっても充分楽しめることですが、数学や物理は若い頃にしかできないことで、そういう素養が身についていることは大きな自信になっています。
数学科を目指した理由
私は子供のころから数字が大好きで、算数や数学の成績は小学校から高校まで常にトップを維持していました。
常に疑問に思うことが多く、教科書や参考書に書かれていないもう一歩先を求めており、数学の先生に個別に質問することが多かったです。
そして、高校の内容以上にもっと数学を究めようと思い、理学部数学科に進学しました。
数学科で学んだこと・役に立っていること
大学の数学は、高校までと異なり、証明が殆どです。
この証明というのは高校でも少し出てきているとは思いますが、数式入りの論文と言えばわかりやすいかと思います。
計算よりも論理の方がメインになってしまうので、正直少し矛先がずれてしまった気はしました。
そして、就職した後に役立ったかと言うと、当初システム運用会社のSEになりましたが、残念ながら大学で学んだ数字や計算のようなものは殆ど役に立っていません。
物事を進める時に論理的な考え方が身に付いたくらいかも知れません。
数学科の雰囲気
簡単に言えば、まじめでおとなしく、硬いイメージでしょうか。
勉学一筋という人も多かったです。
私の場合、第二部でしたので、授業が午後4時から9時という時間帯に行われておりました。
もちろん、日中は仕事やバイトという人も多かったです。
すなわち、友人たちの朝の顔は一度も見たことがない感じでした。
仕事やバイト疲れでの授業でしたが、それなりに楽しい雰囲気だったと思います。
ちなみに男女比は9:1でしたね。
数学科の楽しかったところ
授業の合間に友達と食堂で夕食を慌てて食べたり(昼で言う昼休みのような長い休憩時間が存在しなかったので)、試験前は皆で一緒に勉強したりとても楽しかったです。
放課後はパソコン室の開放を行っていたので、当時自宅にパソコンが無かった私でもパソコンスキルも身に付けられました。
殆どの人が仕事やバイトとの両立でしたが、気分転換の場になって良かったと思います。
数学科のつらかった・大変だったところ
世間でも有名な進級の厳しい大学でしたので、私のいた学科も例外ではなく、友達も落第していきました。
そして私自身も普通にやって全出席しても単位を落とした科目も幾つかありました。
試験の時は時間のある限り勉強しておかないと痛い目に遭うと実感しました。
数学科の卒業後の就職先・進路
私は教職課程を取っており、中学校と高校の数学教師の免許を取得しました。
しかし、その当時の教員は狭き門でしたので、教員は諦めました。
とある友達は3年掛かってやっと教員になった人もいます。
大学院に進んで研究者コースも憧れでしたが、学費の問題もあり私は断念しました。
そうなると、大半が一般企業への就職になり、私もその中の一員になってしまいました。
いわゆるIT産業でSEというのが多かったと思いますが、実際には営業といった文理関係ない就職先の人も多かったです。
卒業後の所感・メッセージ
良かったところは、思いっきり勉強することができたことです。
一般教養という科目もあるので、数学以外を学ぶ時間ももちろんあって楽しかったです。
最終的には数学の中にある統計学という分野で卒業研究・論文を書かせて頂きました。
数学が好きで数学をもっと究めたい方には、理学部数学科が必ずしも当てはまるとは限りません。
むしろ、情報数理学科と言った「情報」とつく学科の方が良い場合もあります。
物理学科でも計算はたくさん出てきますが、専門的になるので何とも言えません。
高校生のみなさんは、実際にオープンキャンパスへ足を運び、学内の空気に触れ、実感して頂き、パンフレットの内容に対し、担当者に些細なことでも質問してみることをお勧めします。
目標が定まれば、受験勉強もはかどると思います。