政治や行政、政策に関わる仕事の種類(15選)

私たちが暮らす日本では、収入の差に関係なく義務教育や医療を受けることができます。

子育てや介護に関する補助金も多く、自分がその立場になって初めてありがたみを知る人も多いのではないでしょうか。

このような世の中の仕組みを作るために働いているのが、政治家です。

国民から集めた税金をどのように有効活用すればよいのかを考え、政策立案につなげていくのが使命です。

また、政治家の仕事を見守りながら世間に対して問題提起を行うマスコミや研究者も、重要な存在といえるでしょう。

それぞれがどのような役割を担い、どのようなやりがいを持って仕事をしているのか。

ここでは、政治に関わるさまざまな仕事の人たちをご紹介します。





政治に関わる仕事

国民の生活をよりよいものにするために政治を行う人のことを、政治家と呼びます。

政治家の使命は、関係各所への視察や審議などを重ねながら、法律や政策について考えることです。

国全体の代表である「国会議員」と、都道府県や市町村の代表である「県議会議員」「市議会議員」がいます。

さらに、それぞれの議員のマネジメントを行う「議員秘書」や政策立案のサポートをする「政策秘書」がいます。

日本は災害が多い国といわれており、近年も地震や台風、大雨で多くの被害が発生しています。

また、新型コロナウイルス感染症の流行では、医療の現場がさまざまな困難に直面しました。

国民の命と健康を守るために、政治家の果たす役割はますます大きくなっているといえるでしょう。

国会議員

国会議員の主な仕事は、 「法律をつくること」をはじめ、予算の決議、条約の容認、総理大臣の指名など、国家運営に重要な決定をくだすこと です。

地元選挙区の代表として、地元企業や住民の声を聞き、政府に届けることも国会議員の役割です。

日本国民であり、衆議院議員の場合は25歳以上、参議院議員の場合は30歳以上であれば、基本的には誰でも選挙に立候補することができます。

かつては地元にどれだけ利益をもたらしたかが評価対象でしたが、近年は国全体を考えた政策立案力、法案提案力がある議員を評価しようという流れが強くなっています。
国会議員の仕事紹介ページ

県議会議員

県議会議員(県議)の仕事は、条例の制定や予算の決定など県政の重要事項の議決、県の活動の監視、政策立案を行うための調査・研究などです。

北海道は道議会、東京都は都議会、京都と大阪は府議会となります。

県議選を通して選ばれた県民の代表であり、各県議会に提出された議案を審査し、議決することが最も重要な仕事です。

県議の多くが、まずは市議や国会議員秘書として政治の手法を学んでから県議になっています。
県議会議員の仕事紹介ページ

市議会議員

市議会議員(市議)とは、市民の声を市政に取り入れるために活動する人のことです。

議会会期中には、議案や市の行政運営が市民の立場から見て適切かどうかをチェックし、疑問点や問題点などがあれば厳しく追及します。

議会が閉会している時期には、議会の結果を市民に報告し、行政や市民生活の状況について調査をし、次の議会に向けた準備を整えます。

最近では、議員インターンシップや政治塾などで政治を学んだ20代や30代市議も誕生しています。
市議会議員の仕事紹介ページ

議員秘書

議員秘書とは、国会議員の補佐をする仕事です。

スケジュール管理や資料の調達から、後援会イベントの企画、選挙のサポートや広報活動など、議員の片腕となってあらゆる仕事をサポートします。

「公設秘書」と「私設秘書」があり、公設秘書は国費でまかなわれる公務員という立場で、一人の議員に三名まで認められています。

私設秘書は、私的に雇われる秘書で、人数に制限はありません。

公設秘書は国会での活動に合わせた仕事が多く、私設秘書は後援会活動に関係する仕事が多くなる傾向にあります。
議員秘書の仕事紹介ページ

政策秘書

国会議員政策担当秘書は、国の政治を担う多忙な国会議員をサポートする仕事です。

関係省庁や専門官と連携をとり、議員が国会に提出する政策や法案の立案を手助けしたり、法案に対する委員会質疑に向けて議員や党の意向を踏まえた質問案を作成したりします。

この仕事に就くには「国家資格の政策担当秘書試験に合格する」、もしくは「選考採用査定認定を受ける」という2つの方法があります。

政策秘書としての専門性を磨くとともに、人脈を築いておくことが必要でしょう。
政策秘書の仕事紹介ページ

行政に携わる仕事

次は、政治に関わる仕事のなかでも、行政に携わっている公務員を紹介します。

官公庁や県庁などで働く公務員は一般行政職と呼ばれており、国や地方自治体が決めた政策や方針に沿って業務を行うのが仕事です。

公務員にはいくつかの種類があり、国の官公庁で働く人を「国家公務員」と呼びます。

国家公務員のなかでも中央省庁で働き、政策決定に強い影響力を持つ人たちのことを「官僚(キャリア)」と呼びます。

県庁や市役所などの地方自治体で働いている人たちは「地方公務員」になります。

なお、知事や市町村長は地方公務員ではありますが、地方公務員法は適用されず特別職として扱われます。

公務員は安定性や待遇のよさに注目されることが多いですが、近年では定員の削減や給料カットなど、厳しい一面もあります。

「世の中をよりよいものにしたい」とか「誰かの役に立ちたい」と思う人が目指すべき仕事といえるでしょう。

国家公務員

国家公務員とは「国民全体の奉仕者」として国に勤務し、国全体に関わる業務を行う公務員のことをいいます。

活躍の場は、中央省庁とその出先機関です。

国の財政運営や外交、防衛などから医療や社会福祉、教育。

私たちの暮らしに身近な分野まで多様な領域で活躍し、政策の企画・立案をはじめとするさまざまな仕事に携わります。

社会貢献性が高く、スケールの大きな仕事が多いため、人気のある職業です。
国家公務員の仕事紹介ページ

官僚

「官僚(キャリア)」という言葉は法律で明確に定義されていませんが、一般的には「国家の政策決定に影響力を持つ国家公務員」のことを指しています。

官僚の多くは「三権分立」で成り立つ日本の政治構造のうち、行政権を持つ内閣の下に位置する「中央省庁」に勤務します。

官僚になるためには、難関試験である「国家公務員採用総合職試験」に合格し、官庁訪問を経て、各省庁に採用される必要があります。

安定した身分が保証され華やかなイメージが先行しがちな職業ですが、昨今の官僚批判や厳しい出世競争、ハードワークなど大変な面もあるようです。
官僚の仕事紹介ページ

地方公務員

地方公務員は、国民全体の奉仕者となる公務員のなかでも、都道府県や政令指定都市、市町村といった自治体組織に所属して働く人のことをいいます。

事務を行う「行政職」に就く場合は、福祉、健康、文化、治安、まちづくりなど、地域の生活や産業に密着した業務に携わります。

地方公務員になるには、各自治体の地方公務員試験を受けて、採用される必要があります。

地域密着型の仕事をする地方公務員は、行政の立場から日本全国の人々の暮らしを支えるうえで不可欠な存在です。
地方公務員の仕事紹介ページ

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政治の情報を伝える仕事

私たちが普段目にするテレビや新聞では、常に政治に関するニュースが流れています。

新しい政策や選挙の予想など、メディアから情報を得ているという人は多いのではないでしょうか。

そんな政治の情報を伝えるため、メディアを中心に活躍している人たちを紹介します。

まずは、「テレビ局社員」です。

記者やアナウンサー、ディレクターなどの職種の人たちが、取材やリポートなどで政治の問題を追いかけています。

新聞記者」も同じように、政治の情報を伝えることを使命としている職業です。

テレビでも新聞社でも、政治を専門に取材する記者は「政治部」に所属して専門的な知識を積み重ねることが多いようです。

さらにこうしたメディアで活躍するのが、「ジャーナリスト」や「評論家」と呼ばれる人たちです。

どちらの職業も専門性の高さを武器にしており、独自の視点から政治の問題点や課題に切り込みます。

ニュースを見た人が世の中の問題に関心を持ち、政治に主体的に参加することはとても大切なことです。

マスコミやジャーナリストは、世の中に問題提起をするという大事な役割を果たしています。

テレビ局社員

テレビ局社員とは、テレビ番組の企画・制作を行うテレビ局に勤務する局員のことを意味します。

テレビ局では、番組制作に携わる「ディレクター」や「プロデューサー」のほか、「アナウンサー」「記者」「カメラマン」「営業」「編成」など、多種多様な職種の社員が活躍しています。

テレビ局への就職試験では4年制大学以上の学歴が必要となることが多く、とくに「キー局」といわれる大手テレビ局への入社ハードルは高めです。

比較的待遇がよく、高収入が得られる業界として知られていますが、近年ではテレビ離れが加速し、テレビ局の経営は厳しいものとなっています。
テレビ局社員の仕事紹介ページ

新聞記者

新聞記者は国内外のあらゆることを取材して、新聞記事を書く仕事です。

本社勤務の場合は、政治、経済、国際、社会部などの各部に配属され、記者クラブを拠点にして、担当者からの発表等を記事にします。

その際、担当者の発表の「ウラをとる」ことが重要になり、取材力があればあるほどスクープなどの記事を書くことができます。

政治学部や社会学部だけでなく、工学部など科学系の専門知識を持った学生も採用されています。
新聞記者の仕事紹介ページ

ジャーナリスト

ジャーナリストは、ニュース、話題を追いながら、それらの解説や背景、見通しなどを記事にする仕事です。

ジャンルは幅広く、政治、経済、社会、スポーツ、芸能、文化などに専門化しています。

既存のニュースソースを読み込むだけでなく、人に会って直接話を聞くことが、ジャーナリストの重要な仕事です。

新聞記者、雑誌記者、報道記者などを経て、ジャーナリストになるというルートが一般的です。

インターネットに寄稿したり、ホームページやブログを開いて、自分の見解、主張を展開するケースも多くみられます。
ジャーナリストの仕事紹介ページ

評論家

評論家の仕事は、特定の分野に関して豊富な専門知識を持ち、鋭い考察や批評をすることです。

政治の評論家、経済の評論家、金融の評論家、スポーツや芸術の評論家もいます。

評論家には、得意な分野について解説したり多くの人に伝えたりできるというやりがいがあります。

ときには世論を動かすほどの大きな影響を与えることもあるでしょう。
評論家の仕事紹介ページ

政治の研究やリサーチをする仕事

政治に関係する仕事のなかには、政策に関する研究やリサーチをする仕事もあります。

誰もがイメージしやすいのは、研究所や民間企業に所属している「研究者」でしょう。

また、大学の政治学部や政治学科に所属している「大学教授」も、講義や講演会などを通して広く活躍しています。

この他にも政府系の「シンクタンク社員」は、政策の提言に携わる仕事をしています。

どの仕事も、政治に関する専門知識と情熱がなければ務まらない仕事です。

研究熱心でコツコツ努力ができる人に向いている職業といえるでしょう。

研究者

研究者とは、人類や社会の新たな発見のための研究活動を続ける人のことを意味します。

各分野で研究者たちがそれぞれの研究活動を続け、新たな知見を発表し、世の中の発展や人々の豊かな暮らしに貢献しています。

研究者の活躍の場は、国立研究所などの研究機関や民間企業が中心です。

自分が決めたテーマを深く探究していく姿勢が求められ、学生時代は大学から大学院へ進む人が大半を占めています。
研究者の仕事紹介ページ

大学教授

大学教授は、大学で専門分野に関する講義を行うとともに、専門分野の研究をし、研究の成果を論文や学会で発表します。

本の執筆、企業と共同でのベンチャー企業設立、セミナーなどでの講演、公共機関の顧問など、さまざまな活躍をしている人もいます。

大学院卒業後に「助手」として採用されるのがキャリアのスタートで、研究の成果が認められれば、「講師」「准教授」「教授」へとステップアップすることができます。
大学教授の仕事紹介ページ

シンクタンク社員

シンクタンク社員とは、研究機関であるシンクタンクで働く人のことをいいます。

シンクタンクは「政府系」と「民間企業」の2種類があるので、政治に関わりたいのであれば前者の政府系シンクタンクを選ぶとよいでしょう。

政策の提言や調査活動に携わることができるので、政治に興味がある人にとってはやりがいのある仕事です。

この記事のまとめ

「政治に関わる仕事といえば政治家」というイメージを持っている人は多いかもしれません。

しかし実際には、公務員からマスコミ、研究者まで、幅広い業界で政治に関わる仕事ができます。

「政治を通して世の中をよくしたい」という思いがあるのであれば、このような仕事を選ぶのもよいのではないでしょうか。

世の中への影響力も大きく、この仕事ならではの達成感を得ることができるでしょう。

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