国際学部で学ぶこと、学科、志望理由、就職先(読了時間:13分9秒)

国際人としての教養と広い視野を養う

国際学部とは

国際学部は、国際社会における国と国との関係性のありかたを学ぶ学部です。

授業内容の柱となるのは政治・経済・文化の3分野です。

政治分野では安全保障など、国際社会の平和を維持するための方策を学びます。

経済分野では国際協力や開発援助といった国同士の経済的なつながりについて探求します。

文化領域では比較文化や国際交流といった、異文化との関わり合いについて考えます。

国際学部を志望する学生の中には、海外メディアの報道や海外旅行の経験を通じて外国に興味を持ったことがきっかけとなり、諸外国についてより深く研究してみたいと考えている人が多くいます。

また、大学によってはさまざまな国から留学生が訪れていたり、教授陣に外国人が多かったりと、国際色豊かな雰囲気があります。

就職状況としては、国際関係についての教養や語学力を活かして海外との取引など外国人と接する機会の多い仕事に就いたり、海外に拠点がある企業で働いたりする人が比較的多い傾向があります。

近年はグローバル化が進んでおり、国内で働く場合も同僚が外国人ということはめずらしくなくなっています。

国際学部で学んだことは、社会人になってからもグローバル社会を生き抜く上でのポテンシャルとなることでしょう。

国際学部の理念

国際学とは、政治や経済のほか、文化、環境、スポーツなど、あらゆる領域において、自国と外国とのより良い関係性を研究していく学問です。

国際関係は、多様な要素が複雑に絡み合って成り立っており、それらをまず的確に理解することが他国を尊重し、世界平和を築くためのスタート地点となります。

国際学部では、急速に変化し続ける現代の国際社会において活躍できるグローバル人材の育成を目指します。

近年、グローバル化の発展とともに、このような理念の下に研究・教育を行う学部が増えていますが、大学によって国際学部のほか、「国際関係学部」「国際教養学部」「国際文化学部」など、多様な名称の学部が存在します。

国際学部で学ぶこと、勉強すること、授業内容、卒論

国際学部で学ぶこと

国際学部では、国際関係概論、国際関係史、国際政治学などを基礎科目として学びます。

同時に、豊かな人間性を養うために必要となる一般教養や、グローバル社会で活躍するために不可欠な外国語の習得にも力を入れたカリキュラムが組まれています。

年次が上がると、より専門的な科目が増え、各専攻に応じて民族紛争や宗教、文化、環境問題など、多様な視点から国際学についての学びを深めていきます。

大学によっては海外での留学プログラムや、短期海外研修をカリキュラムに組み込んでいるところもあります。

国際学部の授業内容

国際社会について深く探求していくには、豊かな教養が必要となります。

そのため、国際学部では幅広い分野の学問について学ぶことになります。

一例として、法学・経済学・政治学・社会学・宗教学などが挙げられます。

また、各国の歴史的背景や文化的土壌を知ることは非常に重要であるため、歴史学や文化人類学を学ぶこともあります。

異文化交流を行う上で語学力は必須のものとなりますので、英語をはじめとする語学に力を入れている大学も少なくありません。

国際学部の卒論の例

  • 北アイルランド紛争とナショナリズムの動態
  • アメリカのナショナリズムとヒスパニックに関する研究
  • アイヌと国際法
  • 人種差別による賃金格差問題について
  • インドにおける女性問題
  • 児童労働とフェアトレードについて
  • 難民問題と日本の役割

国際学部で学んだことの口コミ

  • 世界の貧困問題など、日本で暮らしていると気づかない深刻な問題に気づくことができた。
  • 留学を通じて海外での暮らしや文化に対する理解が深まった。
  • 英語で会話をしたり発表したりする機会があり、英語を話すことに自信がついた。
  • 多様な文化や宗教観があることを知り、視野を広げることができた。
  • 学んできたことを現地研修で実際に目の当たりにし、実感をもって卒論を書くことができた。
  • 授業でプレゼンや発表をする機会が多く、人前で話すことや資料作成が得意になった。
  • 日本について客観的な視点で見る機会を得たことで、自国に対する理解が深まった。

国際学部の主な学科・分野と概要

国際学科

多文化社会、比較文化、平和研究、環境問題といった世界の諸問題に対し、学際的なアプローチを行います。

国際文化学科

言語や芸術、哲学、科学、宗教といった広い意味での「文化」をキーワードに、国際的な視点で多様なテーマについて学びます。

国際教養学科

国際的な広い視野と教養を身につけ、国際社会の諸問題について考え、主体的に発信するための力を身につけます。

比較文化学科

各国の文化の成り立ちを理解し、異文化間の関係の探究を通して、異なる文化的背景をもつ人々の共生、共存の道を探ります。

グローバル・コミュニケーション学科

多言語・多文化社会に対応した環境で、グローバル社会で活躍するために必要な語学力、異文化理解力、国際教養を身につけます。

国際学部で学ぶ学問分野・概要

国際学には国際関係学、国際文化学、国際貿易学などの分野があります。

国際関係学

国際政治
各国の政治構造を学びながら、地域紛争やエネルギー問題の解決策について探ります。

国際法
国家間の条約や国際犯罪者の引き渡し協定といった、国際法の詳細について研究します。

地域研究
アジア研究、欧州研究といったように研究対象を絞り、その地域の政治・経済・文化などを研究します。

国際文化学

文化人類学
世界の民族と社会を比較・研究し、異文化への理解を深めます。

現代社会学
現代社会に特有の傾向や風潮を取り上げ、掘り下げながら将来の展望について考えます。

国際貿易学

貿易システム論
国家間の貿易の仕組みやパワーバランス、課題点などについて研究します。

マーケティング論
国際経済を市場という視点から考察し、販路の確保や拡大について研究します。

国際学部で目指せる主な資格

・中学校教諭1種免許(社会・英語)
・高等学校教諭1種免許(公民・英語)
・社会教育主事
・学校図書館司書教
・学芸員

国際学部でなければ取得できない資格はありません。

教員免許や図書館司書、学芸員といった、国際学部での履修内容に関わる資格取得を目指すのが基本となります。

これらは国際学部を卒業すれば自動的に付与される資格ではないため、資格取得のために単位を取得したり、別途試験を受けたりする必要があります。

国際学部の大学選びのポイント

国際学は大学によって学部・学科の分け方が異なる学問領域です。

国際教養学部や国際関係学部といった学部名の場合、国際学全般というよりその一部を取り上げた研究がメインの場合がありますので注意が必要です。

また、東京外語大学(国際社会学部国際関係コース)や金沢大学(人間社会学域国際学類)のように、社会学としての位置づけで国際学の学科を設置している大学もあります。

自分が興味のある分野や研究内容の授業・ゼミがあるかどうか、シラバスや過去の卒論テーマを調べるなどして、確認しておくことが大切です。

国際学部の入試方法・受験科目

国際学部では諸外国の政治・経済・文化について学びますので、入学時点で語学に関する能力や社会科の基本的な知識が身についているかどうかを重視した入試科目になっているケースが多いと言えます。

一般的には、英語・国語が必須科目となっており、さらに地歴・公民・数学から1科目を選択するタイプの大学が多い傾向があります。

中でも英語に傾斜配点がかけられ、1.5倍、2倍の得点に換算して合否判定を行う場合がありますので、とくにどの科目に力を入れて勉強しておくべきかどうかをよく見極めることが大切です。

国際学部の学費

国際学部の研究は他の文系学科と同様、特別な研究費用を必要としないことから、他学科と比べても平均的な学費の大学が多くなっています。

一例として、文教大学国際学部国際理解学科では、1,292,000円(入学金280,000円、授業料742,000円、教育充実費270,000円)、4年間で4,328,000円 といった学費になっています。

このほかに、学科やゼミによっては海外留学や現地研修が必須となっている場合もあり、上記の学費に加えてこれらの費用が必要になることもあります。

国際学部の志望理由、例文、面接

国際学部の志望動機

国際学部を選択する人の大半は、「海外が好き」「世界のさまざまな国に興味がある」といった思いをきっかけに、異国の文化や歴史、政治、経済などについて深く学びたいという理由で、この学部へ進んでいます。

大学ごとにカリキュラムに大きな特色があり、たとえば高い語学力を身につけるための専門科目が充実していたり、在学中に留学経験ができたりする大学もあることから、そうした経験を積みたいという明確な目的を持って、国際学部に進む人も少なくありません。

民間企業への就職に限らず、世界を股にかける仕事や国際的なボランティア活動などをしたいという思いを持っている人が多いようです。

国際学部の志望動機の例文

私は中学生の頃から、テレビのニュースで報道される中東の紛争や戦争について不思議に感じていました。

なぜ常に紛争や戦争が起きている地域があるのか、解決策はないのか、といったことが気になっていたのです。

高校生になり、中東の歴史や民族間の紛争の歴史、宗教の違いといった背景を知るにつれて、とても複雑な事情があることが分かってきました。

日本にいるとあまり気に留めないことであっても、世界では大変な問題が多々起きていることにショックを受けた記憶があります。

大学で学ぶのであれば、世界の動きを理解し、課題解決に向けて貢献するための基礎を身につけられる学問に取り組みたいと考え、国際学部を志望いたします。

国際学部のAO・推薦入試の面接で聞かれること

国際学部のAO入試や推薦入試の面接で聞かれることとしては、志望動機と学びたいこと、将来の希望に関する質問が多いでしょう。

志望動機については、なぜ国際学部を目指そうと思ったのか、きっかけとなるエピソードを添えて伝えるようにしましょう。

学びたいことについては、大学入学後の授業内容を詳しく調べるのは難しいはずですので、あまり細かいことをピンポイントで述べるよりも、学びたいことのおおよその方向性を大枠の内容を伝えたほうがいいでしょう。

たとえば、「紛争について詳しく知りたい」「貧富の格差について研究したい」といった伝え方をするのが得策です。

また、将来の希望として、国際学部で学んだことを活かしてどのような仕事に就きたいか、具体的な目標があれば伝えるようにしましょう。

国際学部の志望理由の口コミ

  • 外国人の教授が教えてくれるなど、高校とは違った雰囲気で学べると思ったから。
  • 海外の貧困問題を取り上げたドキュメンタリー番組を見て、詳しく研究してみたいと思った。
  • コンビニなどで外国人の店員を見かけることが多くなり、国際人としての教養を身につけたいと感じたから。
  • 海外で日本のアニメが人気と知り、外国と日本の文化の違いに興味がわいたから。
  • 将来、貿易関係の仕事に就きたいので、国際関係や国際経済が学べる学部を選んだ。

国際学部の雰囲気・男女比

国際学部の男女比は、3:7程度で女性のほうが多い大学が多いようです。

国際学部の特徴は、比較的新しい学部であることと、少人数教育に力を入れる大学が多いことです。

そのため、法学部や文学部などと比べると学生の人数もそこまで多くなく、アットホームな雰囲気があります。

しかし、国際という名の通り世界に目を向けている学生がたくさん集まっていることから、積極的に海外旅行をしたり、自主的に留学したりする人も多くなっています。

また、他の学部に比べると、外国人教授による講義も多めとなっています。

個々の価値観やバックグラウンドを理解しようとし、尊重するタイプの人が多く、自由な雰囲気が強いことが特徴のひとつといえるでしょう。

国際学部の雰囲気・男女比の口コミ

  • 他学部と比べると女子学生の割合が多いほうだった。
  • 英語をはじめ外国語を自主的に学ぶなど、語学に熱心な人がたくさんいた。
  • 海外旅行好きはとても多く、旅行のためにアルバイトに励む人もいた。
  • 外国人の教授による講義はユニークな内容のものもあり興味深かった。
  • 個性的な人もいたが、多様な価値観を認める人が多いのか割と受け入れられていた。

国際学部の楽しいこと・大変なこと・つらいこと

国際社会について研究する学部ですので、他学部と比べると留学や現地研修で海外へ行く機会が多い傾向があります。

海外の動向に強い興味がある人にとっては、講義や現地研修はとても面白いものになるはずです。

また、外国人の教授陣による講義を受けることができたり、留学生と交流できたりと、国際学部ならではの貴重な経験ができたことが良かったと振り返っている人も多いようです。

反対に大変なこととしては、英語を使って発表を行う授業や、講義そのものが英語で行われる授業があるため、英語が得意でないと苦労する場合もあるようです。

国際学部の楽しいことの口コミ

  • 海外留学が必修だったため、交換留学生として現地の大学に通うなど貴重な経験ができた。
  • いま世界で起きていることについて、日本のメディアではあまり報道されない事実も知ることができる。
  • 外国人の教授陣や留学生との交流を通じて、日本にいながらにしてグローバル感覚を養うことができる。

国際学部のつらいことの口コミ

  • コミュニケーション学科だったので英語を使う機会が多かったが、はじめは人前で英語を話すのに勇気が必要だった。
  • 国際教養学部でしたが、英語で行われる講義が多いので、英語がかなり得意でないと大変な思いをすると思います。

国際学部の口コミ一覧

国際学部の就職先、業界、目指せる職業・仕事、進路

国際学部の就職先

国際学部の出身者は、他の文系学部と同様、民間企業へ就職する人が多いようです。

業界としては、商社、メーカー、ホテル、旅行など、海外との取引や、外国人と接する機会が多い企業を目指す傾向が強いようですが、この限りではありません。

また、高い語学力とグローバルな視野を生かして外資系企業で働く人もいます。

民間企業のみならず、専門性を生かして外交官や国際公務員を目指したり、NPOなどの組織で発展途上国支援等に携わる人、留学してさらに国際感覚を高める人、海外に飛び出して現地で働く人などもいます。

このように、国際学部の出身者の進路は多岐にわたっています。

国際学部の就職の状況と需要

国際学部で得たグローバル感覚や、留学・現地研修で経験したことは、就職活動で活かせる可能性があります。

そのため、外資系企業など競争率の高い人気企業への就職を成功させる人もいます。

また、TOEICのスコアなど語学力を客観的に示すことのできる材料があれば、就職活動を有利に進められることもあるでしょう。

グローバル化が進み続ける現代社会では、国際学の知識や語学力、広い視野を生かせる場が増えています。

卒業生は、一人ひとり自らが理想とする生き方を追究しながら、多様な道へ進んでいます。

国際学部の就職以外の進路

近年では国際学部の歴史が少しずつ深まるにつれ、関連した研究を専門的に行える大学院も増えています。

こうしたことから、大学院へ進学する人の割合も徐々に高まっているようです。

ほかにも、海外ボランティアやNPO法人での海外活動など、海外での活動を通じて日本ではあまり経験できないことに挑戦する人もいます。

また、外国についての知見を活かして海外で起業する人もいます。

日本国内で起業する場合と比べると各国の商習慣にも通じている必要がありますが、国内にはないマーケットを開拓できるチャンスもあります。

国際学部の就職の状況の口コミ

  • 留学の経験について、就活の面接で興味を持ってもらえることがよくあった。
  • 学部で学んだことが直接役立つ仕事に就いた人はごく一部だった印象。
  • 語学が得意な人は他学部にもいるので、語学だけを強みにするのは危険。
  • 自分のやりたいことを決めておかないと、就活で苦戦するかもしれない。
  • 外資系企業や海外勤務の人が多いイメージがあったが、普通に国内の企業に入る人も多かった。

国際学部から公務員を目指せる?

外交官をはじめとする国家公務員になる人だけでなく、自治体で一般の行政職に就く人もいます。

国際学部で学んだことが公務員を目指す上で直接役に立つというよりは、他学部の学生と同様に試験を受けて公務員になったのち、仕事の中で外国とやりとりする機会があれば役に立つ場合もある、といったイメージです。

よって、国際学部から公務員を目指すことは可能ですが、国際学部だからという理由で有利になるわけではない、というのが実情です。

国際学部の卒業生の感想

国際学部の卒業生の感想としては、学部で学んだことが何かに直接役立ったとか、就職に有利になったといったことはあまりない、といった声が多いようです。

語学に力を入れている大学であれば、在学中にTOEICを受験するなど就活で役立つ結果を残すこともできるかもしれませんが、一般的には「国際感覚が身についた」といった、やや漠然とした感想を持つ人が多そうです。

留学がカリキュラムの中に組み込まれている大学もありますので、印象に残っていることとして留学経験を挙げる人もいます。

国際学部の卒業生の感想

  • 英語を日常的に使うイメージで入ったが、実際には英語を使う授業はごく一部だった。
  • 国際学部だから外資系企業に入れるわけではない。就職を第一に考えるなら法学部や経済学部にするべき。
  • 外国語学部と混同されることが多く、「英語ペラペラなの?」と聞かれたことが何度かある。
  • 留学の経験は自分の中での財産になったと思う。
  • 社交的な人が多かったので、友達をたくさん作りたい人にとっては楽しいキャンパスライフになると思う。

グローバル化する現代の国際社会において、国ごとの違いや取引のマナーについて知っておくことは、一種の教養になりつつあります。

国際学部で学んだことは、グローバル社会の一員として生きていく上で貴重な教養となる可能性があります。

外国の文化に興味がある人や、将来は外国で働きたいと考えている人は、国際学部を志望してみてはいかがでしょうか。

日本にいながらにして国際感覚を磨くことができる国際学部なら、グローバル社会を生き抜くヒントが見つかるかもしれません。

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