国際関係学とは? 大学で学ぶことや就職先は?





国際関係学の概要・理念

国際関係学は、世界の国々やさまざまな地域における諸問題について研究し、相互理解を目指す学問です。

グローバル化が進み国や言語の違いが生み出す壁は昔ほど高くなくなっているものの、国際社会には紛争や領土問題、貧困問題など、まだまだ解決しなくてはならない問題が山積しています。

それらの問題のほとんどは各国の利害関係や信仰の違い、あるいは経済格差など、デリケートな問題が複雑に絡み合っており、すぐに解決策が見つかるものではありません。

そのため、それぞれの国や地域の背景にある歴史や文化、政治、経済、社会の情勢について理解を深め、幅広い視野を持って考えることができる知見が求められます。

また、語学力やコミュニケーション能力といった実用的な技能についても、国際関係学を学ぶ上で必要と考えられるケースが増えています。

このように、国際関係学は国際社会を舞台に活躍する人材にとって必須の学問となっていると言えるでしょう。

国際関係学で学ぶこと

国際関係学を学ぶにあたって、まずは各国や地域の情勢や歴史的背景について知る必要があります。

体得しておくべき知識は幅広く、政治や法律、経済、文化をはじめ、地理や宗教などについて理解を深めていきます。

土台となる知識を得た上で、それぞれの国や地域同士の関係性を良好に保つための施策を考えていきます。

文献やインターネットを使った調査はもちろんのこと、ディベートや発表による意見交換なども行います。

また、将来的に国際社会で活躍する人材としてふさわしい語学力やコミュニケーション能力を高めるため、語学の授業も並行して行われます。

語彙や表現を豊かにするとともに、対話や発表によって論理的に考えを説明し、伝えるためのトレーニングも行われることがあります。

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国際関係学の大学での授業科目の例

国際政治学

各国の政治の仕組みを学ぶとともに、紛争や貧困、エネルギー問題、環境問題などそれぞれが抱える諸問題について理解を深めます。

国際法学

国家間のルールを定めている条約や協定について学び、国際法の在り方や具体的な手続きの進め方に関する知識を体得します。

言語・文化論

研究対象となる国や地域の言語を学ぶとともに、文化的背景について研究します。

地域研究

欧州、アジア、アメリカといったように、地域ごとの情勢や諸問題について調査・研究します。

国際協力論

国連をはじめ、国際条約やNGOといった国際的な協力関係を構築するための仕組みについて学びます。

国際関係学のレポート・テーマの例

国際関係学のレポートでは、特定の国や地域に焦点を絞って情勢を把握したり、抱えている諸問題を詳しく調べたりするテーマが課されるケースが見られます。

切り口は多彩で、扱うテーマも多岐にわたりますので、レポートを書くにあたって必要となる調査は膨大な量に及ぶこともあります。

  • ・インドにおける児童労働問題について
  • ・中日食文化の差異
  • ・イスラーム法とイスラーム教
  • ・スウェーデンの子育て支援策
  • ・キプロスの歴史と展望

国際関係学と関連する学問

それぞれの国や地域の情勢を知り、諸問題について正確に理解するには、幅広い学問領域の知識が必要になります。

政治学経済学法学社会学地理学歴史学といった分野は必ずと言っていいほど関わりがあります。

研究テーマによっては、文学宗教学といった分野の知識が求められる場合もあります。

また、語学との関連性が強く、研究対象とする国や地域で使われている言語を学ぶことで、必要な情報を現地の言葉で理解できるようになります。

国際関係学を学んで就職に有利な業界・仕事

国際関係学を学ぶことで国際的な視野を得ることにつながり、同時に語学力も身につきます。

そのため、商社やメーカーなど海外と取引がある業界や外資系企業においては、国際関係学についての知識を持っていることが高く評価される場合があります。

職種としては、外交官などの国家公務員はもちろんのこと、通訳や記者といったように、国際感覚や語学力が求められる職業において、国際関係学を学ぶことで得た知識や技能を活かせる可能性があります。

近年は多くの企業が海外に向けたビジネスの展開や、訪日外国人を対象とした新たなビジネスを検討する機会も増えていますので、各国の情勢に明るい人材や国際感覚に優れた人材が評価されることは十分にあり得るでしょう。

グローバル化が進みつつある現在、国際感覚が求めらる業界や職種は着実に増えていくことが予想されます。

その意味においては、国際関係学を学ぶことで得た知識や技能は、あらゆる業界・職種で活かせる可能性を秘めています。

国際関係学の知識は人生でどう役立つ?

グローバル化が進む中、たとえ日本国内で暮らしている場合でも国際情勢について無関心ではいられない状況になりつつあります。

たとえば、ある地域の政治情勢や取引のある国々との関係が悪化することにより、原材料の価格が高騰したり、輸出入量に直接影響したりといったことは十分にあり得ます。

国際関係学を学ぶことを通じてより広い視野で世界を見ることができるようになり、今現在起きている国際社会での問題や今後の展望について、自分なりの考えを持って捉えることができるようになるはずです。

国際情勢は時々刻々と変化していますので、国際関係学を学ぶことで研鑽してきた国際感覚の素養は、生涯を通じて「世界を見る視点」を支えてくれることでしょう。

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