花に関わる仕事の種類(13選)
色とりどりの花々は、見る人の心をいつも穏やかにしてくれ、リラックスさせてくれます。
こうした美しい花に囲まれて働ける仕事には、いったいどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、花に関わる職業や仕事のうち、代表的なものを紹介していきます。
花の生産や流通に関わる仕事
花の生産や流通に関わる仕事は多種多様で、花が私たちの手に届くまでには、さまざまな人の手を経ています。
「花屋」は、店頭で切り花、観葉植物、鉢花を販売する仕事で「生花店」とも呼ばれます。
花の仕入れから管理、手入れまで幅広く行い、とくに私たちの身近にある花に関わる仕事です。
「花卉(はなかき)栽培農家」は、花を専門に栽培する農家で、主に栽培するのは切り花・鉢植え・球根・苗です。
季節ごとに人気の花を販売できるように工夫をしながら育てるほか、贈答や冠婚葬祭などでつかわれる業務用の花も扱っています。
「種苗会社社員」は、花のタネや苗を農業従事者や園芸愛好家に販売する仕事です。
年間を通しタネや苗を安定供給させるために、営業・販売・バイヤー・生産管理などさまざまな業種の人が働いています。
「育種家」は、植物の品種改良をする仕事です。
暑さに強いもの、成長が早いもの、病気が強く形がきれいなもの、味の良いものなど、花や植物、野菜などをより人類の役に立つように品種改良していきます。
花屋
花屋は、主に生花店や園芸店などで、花の管理や販売をする仕事です。
花屋の1日は、市場で需要のありそうな花を仕入れるところからスタートします。
その後、店では鮮度を保つための作業、来店した方への接客、店舗の清掃など、花を売るためにさまざまな業務をこなします。
花屋になるために特別な資格はいりませんが、自ら店を切り盛りしていこうとすれば、植物に関する専門的な勉強と経験が求められます。
また、店舗内のレイアウトなどに配慮して、お客さまにとって心地よく、楽しんでもらえる店づくりをすることも重要な仕事の一部です。
花卉栽培農家
花卉(かき)栽培農家とは、多肉植物や観葉植物、山野草、花木、盆栽など、観賞用の植物を栽培・生産する農家のことです。
花卉には切り花のほか、鉢物、球根などさまざまなものがあり、生産するものの種類に応じて栽培技術を使い分け、季節に合った花を供給できるように生産を管理しながら育てます。
花卉の栽培には、土作や管理方法、農薬の使い方など、園芸に対する専門的知識が必要となります。
そのため、家業を継ぐ以外でこの仕事を目指す場合、大学の園芸学科や農学部などで学んでから花卉栽培を行う会社や農家に就業する形が一般的です。
経験を積んだのちには独立し、オリジナルの品種を生産する人もいます。
農家の仕事紹介ページ
種苗会社社員
種苗会社社員とは、農作物のタネを生産し、農家に供給する種苗会社に勤務する社員のことをいいます。
食料自給率の問題などから農業の重要性が再認識されている今、食と農業の原点といえる種苗会社の果たす役割は大きなものとなっています。
新しいタネの研究開発や生産に携わったり、種苗のプロとして農業システムや生産管理に関わる人もいます。
そのほか、他の業種の会社と同様に、営業や企画、マーケティングなどのほか、総務や経理といったバックオフィス業務まで、さまざまな職種に就く人が活躍しています。
日本全国に展開する大手企業から、地域に根付いた小さな企業まで、さまざまな規模の種苗会社があります。
育種家
育種家とは、より優れた性質を持つタネを作り出すために、植物を交配し、新しい品種を作り出す仕事です。
たとえば、病気に弱い花、暑さや寒さに弱い花、色付きが悪い花などを別な品種とかけあわせて、より生産流通させやすく、人々が扱いやすい花にしていきます。
日本の育種家の技術は世界でも高く評価されており、品種の多様性においては日本がトップレベルを維持しています。
基本的には植物学や遺伝子学、バイオテクノロジーなどを学んだ人がなる職業ですが、農林水産省に登録される種苗登録者の4分の1が個人育種家といわれており、個人で楽しむ人も多いです。
花のアレンジに関わる仕事
こうして流通された花をさまざまな形にアレンジし、空間を演出したり人を喜ばせたりする仕事もあります。
「フラワーコーディネーター」は、パーティー会場やホテルなど、特別な空間・シーンにふさわしい花を選び、場を彩る仕事です。
希望や予算をヒアリングしながら、色合いや花の大きさ、花言葉などを考慮した上で最適な花をセレクトしていきます。
「華道家」は、季節に応じた花を花器や花瓶などに美しく生けたり、花を使って空間全体を演出する仕事です。
華道は日本を代表する伝統芸能のひとつであり、古くから受け継がれてきた確かな技術や知識に基づいて花を生けていきます。
「フラワーデザイナー」は、 結婚式やホテル、ホールや美術館、ショールームなど、華やかな場所に相応しい花を演出する仕事です。
とくにブライダル関連は花の演出が欠かせない分野であり、結婚式場やホテルはフラワーデザイナーの需要が高いです。
「ブーケデザイナー」は、結婚式で欠かせないブーケを作る仕事です。
新婦を美しく引き立てるため、花のセレクトからデザイン、制作までを行います。
「ブライダルフラワー・ブーケ専門店」は、結婚式で使われる花やブーケを専門に扱う生花店です。
一般的な花屋と違い、新郎新婦や会場担当者と相談しながら結婚式の場にふさわしい花をセレクトし、販売から当日の設置まで一貫して行います。
「葬儀花専門店」 は、葬儀用の花を専門に扱う仕事です。
葬儀会社から依頼を受け、祭壇をはじめ生花装飾による葬儀式場・お別れ会会場などの演出を担当します。
「花雑貨店」は、花に関する雑貨を扱う仕事です。
プリザーブドフラワー、ドライフラワー、ハーバリウムなど花を使った雑貨や、ハンドメイドで扱われる資材、それをつかってつくられた雑貨などを販売します。
フラワーコーディネーター
フラワーコーディネーターは、花をコーディネートするスペシャリストとして活躍する人のことです。
パーティー会場やホテルのラウンジに花を飾ったり、母の日やクリスマスのフラワーギフトを作ったりし、花で人々の生活を美しく彩っていきます。
アイデアを形にしていくデザインセンスはもちろん、クライアントの希望を聞き出す力、また自ら花の仕入れや管理も行うことがあるため、植物に関する幅広い知識が求められる仕事です。
多くのフラワーコーディネーターは、花屋や園芸店などで働いています。
華道家
華道家は、季節に応じた花を、花器や花瓶などに美しく生けるプロフェッショナルのことをいいます。
コンサート会場や公共施設など、多くの人の目に触れる場所に花を飾ることが多く、花の素晴らしさを人々に伝える役割を果たします。
華道には「流派」があるため、華道家になるには家元へ弟子入りして師範の免状を取得するか、専門学校などで学んで華道の資格を取得するのが一般的です。
独り立ちできるようになると、カルチャースクールなどの講師として勤めたり、自分で華道教室を主催している人もいます。
フラワーデザイナー
フラワーデザイナーは、花の美しさを活かしながら、さまざまな用途に合わせて花をアレンジする仕事です。
結婚式にかかわるフラワーデザイナーは、花嫁のブーケや髪飾り、花婿のブートニア、フラワーシャワー、メイン装花からゲストテーブルにいたるまで祝福の花で演出します。
花のデザインを手がける花屋やフラワー産業が増加傾向にあるため、フラワーデザイナーが必要とされる場はさらに拡大しつつあります。
フラワーコーディネーターとの厳密な区別はなく、主に結婚式やホテルなどで花をコーディネートする職業をフラワーコーディネーターと称しているようです。
ブーケデザイナー
ブーケデザイナーは、結婚式で新婦を引き立てるウェディングブーケを作る仕事です。
新婦の好みや当日のドレス、ヘアメイク、結婚式のコンセプトなどをヒアリングしながら、花をセレクトし、ブーケをデザインしていきます。
一生に一度の結婚式に携わる仕事であるため、失敗は許されませんが、その分人の幸せの瞬間をサポートできる仕事です。
公的な資格はありませんが、花や色彩に関する知識や、ブライダルに関するマナーなども求められ、主にブライダルフラワー・ブーケ専門店やブライダルショップ、結婚式場やホテルで働きます。
ブライダルフラワー・ブーケ専門店
ブライダルフラワー・ブーケ専門店は、新婦のブーケやヘッドドレス、ドレスフラワーや会場装花などを専門に扱う仕事です。
ブライダルの場には花は欠かせない存在のため、新郎新婦の意向や当日のドレスやヘアメイク、会場の雰囲気や結婚式のコンセプトを考えながら、一組一組に合った花を選んでいきます。
ブライダルで扱う花は一般の花屋には置かれていないものもあり、傷や汚れが許されないため、花の知識やカラーコーディネートのスキルが求められます。
ブライダルフラワー・ブーケ専門店でフラワーデザイナーやブーケデザイナーが働くこともあります。
葬儀花専門店
葬儀花専門店とは、花祭壇、フラワーアレンジメント、供花、供物などの葬儀花を専門に扱う仕事です。
葬儀花とは、葬儀の際に使われるお悔やみの花で、主に菊・蘭・百合などの白い花を使います。
近年、葬儀におけるスタイルは多様化してきており、遺族から話を聞き、故人様の好きな色、好きな花を使って祭壇を表現する方法も増えてきています。
遺族から話を聞き、葬儀に使われる祭壇をはじめとした花製品の作成のほか、葬儀時に開花を迎えるよう花の開花調整をしたり、お花に添える名札をつくったり、個人宅への花の配送をしたりもします。
花雑貨店
花雑貨店は、花にまつわる雑貨を扱う仕事です。
花瓶やフラワーベース、植木鉢といった直接花に関わるものから、プリザーブドフラワーやハーバリウムのような花製品、花をモチーフとした雑貨、花の香りのフレグランスなどを販売します。
そのほか、ドライフラワーや木の実・枝葉・果実といったハンドメイドやクラフト手芸のパーツとなるアイテムを扱うこともあります。
花にまつわる雑貨は多種多様であるため、各店舗が個性を打ち出しながら、オリジナルのアイテムを販売しています。
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造園に関わる仕事
庭師
庭師は、主に個人宅の庭を設計・管理し、日本庭園を製作する仕事です。
「造園家」と呼ばれることもあります。
関連する資格として「造園技能士」や「造園施工管理技士」がありますが、造園に関する知識や経験を積めば、資格がなくても働くことは可能です。
職人的な仕事となるため、多くの人は造園会社に勤務し、長い時間をかけて修業を積みながら一人前を目指していきます。
住宅以外にも、公園やゴルフ場、公道などあらゆる場所が庭師の活躍の舞台になりますが、現代の庭師には日本式の庭園造りのノウハウに加え、洋風庭園に関する理解も必要とされています。
ガーデンデザイナー
ガーデンデザイナーは、豊富な園芸の知識を生かして個人宅の庭や街の公園、庭園などを設計・デザインし、美しい景観造りを行う仕事です。
庭師が植物を切ったり、石を動かしたりするのに対し、ガーデンデザイナーはどのような庭にしていくかのアイデアを出し、図面作成やデッサンを行うことが中心です。
実際に工事が始まれば、現場の人たちに自ら指示を出すこともあります。
ガーデンデザイナーの活躍の場は造園会社や設計事務所が中心となりますが、経験を積んだのちに独立開業する人もいます。
実力があれば、大規模な都市開発のプロジェクトに携わることも可能です。
この記事のまとめ
このように、普段私たちが何気なく見ている花も、種や球根などを作る人、流通・販売する人、そしてさまざまな花を使って空間をコーディネートする人まで、さまざまな役割を担っている人がいます。
花への関わり方に違いはありますが、それぞれにやりがいや楽しさ、そして魅力があります。
気になった職業がある人は、くわしい仕事内容や必要な資格などを詳しく調べてみましょう。
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