野球のバット職人・グローブ職人の仕事内容やなり方・必要なスキルを解説

スポーツに関わる仕事にはさまざまなものがあります。

今回ご紹介する野球用具の職人もそのひとつで、スポーツ界を陰で支える職業です。

野球用具の職人には、おもに「バット職人」「グローブ職人」がおり、野球をするのに欠かせないバットとグローブを手作りで製作します。

この記事では、バット職人・グローブ職人の仕事内容やなり方、必要なスキルを解説します。

野球用具の職人の仕事内容

木製バットを制作するバット職人

バット職人とは、1本の木材から削り出して木製バットを製作する職業です。

おもにスポーツ用具メーカーに勤めて働いています。

野球で使用されるバットは、高校野球までは基本的に金属バットが、大学生以上では木製バットが使用されます。

社会人野球では、以前は金属バットが使われていたこともありましたが、現在は木製バットが使われています。

バット職人は大学野球、社会人野球、プロ野球などの試合で使用される木製バットを手作りで製作します。

とくにプロ野球ではバットに対するこだわりが強い選手が多く、バット職人はその注文に忠実に答えて、バットづくりを行います。

1ミリ単位の調整が必要な作業となるため、非常に高い技術が求められる仕事です。

グローブを制作するグローブ職人

グローブ職人もバット職人と同様に、野球界を陰で支える重要な仕事です。

グローブ職人はスポーツ用具メーカーに所属している場合もあれば、グローブを製作するメーカーと契約して働く場合もあります。

バット職人が製作する木製バットは大学生以上のカテゴリーで使用されることが多いですが、グローブ職人が制作するグローブは、子どもからプロ選手までが使用します。

また、野球のグローブはすべて手作りです。

材料となるのは一枚の牛革で、それを縫い合わせてグローブを製作します。

グローブ作りでは、革の微妙な状態の違いなども見極めなくてはならず、バット職人と同様に高度な技術が必要となる仕事です。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す(PR)

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

野球用具の職人になるには・必要な資格

野球用具の職人になるために必要な資格はとくにありません。

大手メーカーに入る場合は大学卒業以上の学歴が必要となることもありますが、基本的には学歴も関係ありません。

バットの作り方やグローブの作り方を学べる学校なども存在しておらず、技術はメーカーに就職したあとで一から学んでいくことになります。

バット職人であれば最初は材料となる木材の管理などの下積みを行い、素材を見極める目を養います。

その後、まずは練習時に使うノックバットなどの製作から任せられ、アマチュア野球のバット作りを担当して、実力が認められればプロ野球のバット製作を担当する場合もあります。

グローブ職人についても同様で、最初は素材を見極める目を養うことから学び始め、少しずつ技術をマスターしていきます。

バット職人もグローブ職人も、職人として日々技術を高めるための努力が欠かせません。

野球用具の職人に向いている人・適性・必要なスキル

バット職人もグローブ職人もその名の通りに「職人」ですから、顧客から信用されるだけの技術力が不可欠です。

技術を高めるためには現状に満足せずに日々の努力を続けることが重要で、よりよいバットやグローブをつくるためにはどうしたらいいか、と考え続けられる人でなければ務まりません。

また、とくにプロ野球選手のバットやグローブを製作する場合には、選手側から細かいリクエストがあります。

選手のさまざまなリクエストに対応していく柔軟性や経験も、野球用具の職人には求められます。

職人の世界ですから、バット職人もグローブ職人も、最初からバットを製作させてもらえるわけではありません。

バット職人であれば材料となる木材の管理、グローブ職人であれば牛革の良し悪しを見極める目を養うことなど、地道な下積みの期間があります。

先輩の技を見つつ、地味な作業を経験しながら時間をかけて一人前の職人となっていくため、忍耐力も欠かせません。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

野球用具の職人の求人状況

野球用具の職人の求人は、バットとグローブを製作しているスポーツ用品メーカーで随時出されています。

バットを製作しているスポーツ用品メーカーは国内に数十社あり、2024年2月現在、日本のプロ野球を統括する一般社団法人日本野球機構(NPB)が公認しているバットメーカーは35社です。

野球のバットは素材や質の違いによってプレーに大きな影響が出るため、プロ野球で使用できるバットを製作できるメーカーは限られています。

そのため、バット職人としてプロ野球選手のバットを製作したい場合には、NPBが公認しているバットメーカーに就職する必要があります。

グローブ職人の場合もグローブを製作しているスポーツ用品メーカー、もしくはメーカーから製作を請け負っている会社に就職します。

また、グローブ職人についてはグローブを扱っているスポーツショップで働くことでも貴重な経験を積むことができます。

スポーツショップでグローブの修理などを経験し、その後、グローブ職人となる人もいます。

野球用具の職人の現状と将来性

国産のバットの多くはこれまで、「アオダモ」という木から作られていました。

しかし、近年はプロ野球選手のバットを作れるような良質なアオダモが不足してきており、「ホワイトアッシュ」や「メープル」など他の木材を使用するようになってきています。

この変化はバット職人にとっても大きなもので、以前に比べてバットを製作するメーカーも減ってきています。

大きな環境の変化はあるものの、良質な木製バットを作れるバット職人は今後も需要があることは確かです。

グローブ職人も時代とともに環境は変化しており、現在では人件費の安い海外でグローブが製作されることも増えています。

しかし、プロ野球選手が使用するようなグローブは今も多くは日本のグローブ職人の手で作られています。

時代とともに環境の変化はあるものの、野球は日本で最もメジャーなスポーツのひとつですから、野球用具の職人は今後も一定の需要がある職業といえます。

「野球用具の職人」のまとめ

野球用具の職人は、技術を磨いて野球に欠かせないバットやグローブを手作りで製作する職業です。

基本的に資格や学歴などは必要ありませんが、職人としての向上心を持ち続け、地道に技術を磨き続けていかなければいけない仕事です。

時代とともにさまざまな変化がある業界ですが、野球界を陰で支えたい人には向いている職業といえます。