プロ野球選手がメジャーリーグへ行くには|実際の選手の事例も紹介
現在、国内で活躍中の若手プロ野球選手たちも、早々から「将来はメジャーリーグへ挑戦したい」という意向を示すケースが少なくありません。
しかし、メジャーリーグへの挑戦は、決して簡単な道のりではないことも事実です。
この記事では、プロ野球選手がメジャーリーグへ行く方法や流れなどを紹介します。
日本人メジャーリーガーの大半は日本のプロ経験者
「メジャーリーグ(MLB、大リーグとも)」とは、アメリカ合衆国とカナダに本拠地を置く全30球団によって編成されるプロ野球リーグです。
ここでは、どのような日本人選手がメジャーリーグで活躍しているのか、その概要を紹介します。
プロ野球経験なく活躍する日本人メジャーリーガーは少ない
現在はメジャーリーグで日本人プロ野球選手がプレーすることは珍しいことではありません。
しかしながら、メジャーリーガー(メジャーリーグの選手のこと)のほとんどは、日本のプロ野球で活躍した経験をもつ選手たちです。
マック鈴木投手や田澤純一投手のように日本のプロ野球を経ずにアメリカへ渡った選手もいますが、それは本当に一握りです。
現実的には日本のプロ野球を経ずにアメリカへ行っても、メジャーリーグで活躍することは難しいのが実情です。
将来、メジャーリーグへ行きたいという夢がある選手は、まずは日本のプロ野球で活躍してからアメリカを目指すのがよいでしょう。
まずプロ野球に進むことを決めた大谷選手の例
2018年以来、メジャーリーグで最も活躍している日本人選手といえる大谷翔平選手は、花巻東高校時代からメジャーリーグに強い憧れを持っていました。
高校卒業後、直接アメリカへ行くことも考えていたようですが、ドラフト会議で北海道日本ハムファイターズから指名され、最終的には日本のプロ野球選手になることを選びました。
北海道日本ハムのスカウトは、当時、さまざまなデータを示して大谷選手を説得しました。
そのデータのひとつとして、「メジャーリーグで成功する日本人選手は、そのほとんどが日本のプロ野球を経験している」というものもあったようです。
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海外FA権を行使してメジャーリーグへ行く
日本のプロ野球界としては、日本のスター選手が次々とメジャーリーグへ移籍してしまっても困ります。
そこで、現在はプロ野球選手がメジャーリーグへ移籍するためのルールが決められています。
日本のプロ野球選手がメジャーリーグへ移籍する方法のひとつに「海外FA権」を行使する方法があります。
海外FA権とは、日本のプロ野球の選手が、外国のプロ野球組織や国内外の球団と選手契約を締結できる権利を意味します。
プロ野球で一軍登録された日数のうち、145日を1年として累計で9年が経過すると海外FA権を取得できます。
海外FA権を取得すれば、海外のどんなチームとも自由に契約することができます。
ポスティング制度を利用してメジャーリーグへ行く
ただし、海外FA権を取得できる「一軍登録が累計で9年」という条件をクリアできるのは、たいていの選手は30歳を超えてからです。
海外FA権の制度では若い段階でのメジャーリーグ移籍が難しいことから、「ポスティング制度」という方法も設けられています。
ポスティング制度では、日本のプロ球団が海外FA権を取得していない所属選手の移籍を認めた場合、対価となる譲渡金を設定してメジャーリーグの球団に告知(ポスティング)します。
契約を望むメジャーリーグの球団が選手と交渉し、契約を結ぶという方法です。
東北楽天イーグルスに所属していた田中将大投手は、2013年のオフにこの制度を利用してニューヨーク・ヤンキースと契約しました。
イチロー選手や、西武ライオンズからメジャーリーグへ行った松坂大輔投手も、この方法でした。
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自由契約になってメジャーリーグへ行く
プロ野球選手が日本の球団を自由契約(選手として特定の球団に所属していない状態のこと)になった後、メジャーリーグの球団と交渉して契約をする方法もあります。
しかし、若い主力選手を自由契約にしてメジャーリーグとの契約を認めても、日本の球団にはメリットがありません。
ポスティング制度のある現在、若い選手がこの方法でメジャーリーグに移籍することは難しいでしょう。
過去には日本の球団を戦力外となり、自由契約になった後でメジャーリーグへ挑戦した選手もいました。
メジャーリーグで51勝をあげた大家友和投手は、23歳の時に一軍での活躍がないまま、当時の横浜ベイスターズを自由契約になりました。
しかし、戦力外で自由契約になったわけではなく、メジャーリーグへの憧れが強く、自ら球団に申し入れて自由契約にしてもらった形でした。
まとめ
メジャーリーグへ行く日本人プロ野球選手のほとんどは、まず日本のプロ野球球団に所属して一流選手になることを目指します。
メジャーリーグへ行くには、海外FA権の取得、ポスティング制度など、いくつかの方法があります。
いずれにせよ、野球選手がメジャーリーガーとなり、さらにメジャーリーグで活躍するには、相当な厳しい道のりであることは間違いありません。