タクシー運転手のつらいこと・大変なこと・苦労
タクシー運転手のつらいこと・大変なこと
1回の勤務時間が長い
タクシー運転手の勤務体系は独特です。
1日の勤務時間が15時間~20時間程度と長く、出勤日と休日を交互に繰り返す「隔日勤務」と呼ばれる働き方が主流です。
もちろん、途中には休憩時間もありますし、常にお客さまを乗せているわけではありませんが、慣れないうちはこの働き方が大変だと思うこともあるでしょう
歩合制のプレッシャー
基本的にタクシー運転手は歩合制です。
限られた時間内に、お客さまをどれだけ乗せることができるかによって収入が変わってきてしまいます。
なかなかお客さまが見つからない日はプレッシャーを感じることもあるでしょう。
地理に詳しくなければならない
タクシー運転手である以上、その地域の交通事情には詳しくなければなりません。
東京など大都市を走る場合は、複雑に入り組んでいる道や標識も多く、大変苦労します。
また、主要な建物や目印となる建造物なども知っておく必要があります。
近年はカーナビを利用するのが一般的ですが、お客さまは「運転手は道に詳しくて当然」と思っているので、新人のうちは緊張の連続です。
仕事を続けるうちにどんどん道には詳しくなっていきますが、自ら積極的に覚えようとする努力が必要です。
アクシデントに見舞われる可能性も
タクシー運転手は、さまざまなお客さまをタクシーに乗せて走ります。
ほとんどのお客さまとは何事もなくやりとりできますが、なかには泥酔して怒鳴り散らしたり、「時間に間に合わなければお金を払わない」など、何かと因縁をつけてきたりする人もいます。
近年では悪意のある乗客がタクシー運転手に対し、刃物を突き付けて脅迫してくるような事件も起こっています。
タクシー運転手をしている限り、こうしたアクシデントに見舞われる可能性はゼロではありません。
しかし安全に営業できるよう、タクシーの車内にドライブレコーダーを装着するなどの対策をとって、万が一の自体に備えるタクシー会社が増えてきています。
タクシー運転手の悩み
長時間運転による身体の疲れ
タクシー運転手は、1日の長い時間を狭い車内で過ごすことになります。
同じ体勢を取り続けるため、どうしても身体の痛みや疲れを感じる機会は多くなるでしょう。
とくに運転を続けていると、常に上下の振動がかかることから腰に負担がかかり、腰痛に悩まされている運転手は多いといわれます。
ひどくなると椎間板ヘルニアにもなってしまうため、早めのケアが大切です。
そのほか、運転手ならではの職業病といえるのが「痔」です。
座席に座り続けていると臀部に負担がかかること、また全身の血流が悪くなることなどが原因とされています。
また1日中車内にエアコンをつけっぱなしとなる夏季は、思っている以上に身体が冷えてしまうため注意が必要です。
眠気との闘い
運転手にとって、最も気を付けるべきことは眠気です。
眠いまま運転を続ければ大きな事故につながってしまう可能性もあるため、眠気には非常に注意を払います。
勤務中にどうしても眠くなってしまったときは、コーヒーなどカフェインが多量に入っているドリンクを飲む、冷たい水で顔を洗う、歯磨きをする…など、人によってさまざまな対処をしています。
そのほか、窓を開けて大きく深呼吸をしたり、車を停めてその場でできるストレッチをしたりといった方法もあります。
大切なのは、少しでも眠いと感じたらすぐに休憩をとることです。
それほど眠いとは感じていなくても、疲れて集中力や判断力が鈍ってきたと感じたら要注意です。
運動不足の解消
タクシー運転手は、どうしても運動不足になりやすい仕事です。
仕事では歩くことがほとんどありませんから、オフの時間には積極的に身体を動かすことが必要です。
タクシー運転手は血管の病気が多いといわれ、脚を動かさないことから血管が詰まってしまったり、流れが悪くなったりする割合が高くなっています。
これが悪化すると脳梗塞や心筋梗塞にもつながっていきます。
安全な運転は、自分の健康状態が良くなくては実現できません。
タクシー会社でも、定期的な健康診断や日々の健康チェックには積極的に取り組んでいますが、運転手として元気に働き続けるためには、自ら健康を意識して生活することはとても大切です。
タクシー運転手を辞める理由で多いものは?
タクシー運転手を辞める理由で多いものは、仕事を続ける体力がなくなったというものです。
タクシードライバーの平均年齢についての都道府県別データを見ると、全国平均でのタクシードライバーの平均年齢は60.1歳です。
一番平均年齢が若い東京都でも55.1歳と、非常に高いのが特徴です。
高齢で病気やけが、体力がなくなったことを理由に退社するケースは非常に多いです。
また、東京のように交通量の多い地域では、交通違反や事故に遭う機会は多くなり、それがもとで退職するという人もいます。
勤務中に起こした交通違反や事故にかかる費用については、会社によって運転手が全額負担しなくてはならないこともあるため、注意が必要です。