歯科技工士国家試験の難易度・合格率

歯科技工士免許とは

働くためには必須の免許

歯科技工士として働くためには、歯科技工士の免許が必要になります。

歯科技工士は国家資格であり、厚生労働大臣が実施する歯科技工士試験に合格することで免許をもらうことができます。

ただし、この国家試験は誰でも受けられるというものではありません。

受験資格として大多数を占める流れは、高校を卒業後に歯科技工士養成施設(文部科学大臣または厚生労働大臣が認めるもの)に入学、2年以上の勉強を経て得るというものです。

歯科技工士の学校は大学、専門学校が中心になりますがそのほとんどが私立であり全国に50程度あります。

一方、国公立は10校ほどと少なくなっています。

平成6年の歯科技工士法改正によってこれまでのような専門学校だけでなく大学や短大でも所定の学科を修了すれば受験資格が獲得できるようになりました。

歯科技工士国家試験では筆記試験と実技試験が行われ、年1回、例年2月に実施されます。

2014年度までは各都道府県で行われていましたが、2015年度より全国統一の国家試験として実施されることになりました。

国家試験に合格したら

歯科技工士国家試験に見事合格してからは、どのようなプロセスがあるのでしょうか。

まず、厚生労働大臣が行なっている試験に合格しただけでは歯科技工士として働くことができません。

合格したことを保健所に申請すると歯科技工士名簿に登録されることになります。

これによって、初めて歯科技工士免許証を受け取ると同時に歯科技工士と称することができるのです。

ちなみに、歯科技工士が行わなければならない届出のなかには、初めての免許申請および歯科技工士名簿に登録してもらうための新規申請のほか、2年ごとに届出の必要がある就業届、独立開業に関連する歯科技工所の開設届や廃止届などがあります。

歯科技工士になるには? 必要な資格は?

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歯科技工士国家試験の難易度、合格率は?

歯科技工士を養成する大学や専門学校を卒業しても、歯科技工士の国家試験に合格しなければ、「歯科技工士」と名乗って仕事に就くことができません。

しかし、ここ数年の合格率を見ても、歯科技工士国家試験には90%以上の受験者が合格しているので歯科技工士養成機関で着実に知識とスキルを積み上げていれば、合格の確率はかなり高いと考えてよいでしょう。

歯科技工士試験には受験資格が設けられています。

次のうち、いずれかに該当していなければ国家試験に受験すらすることができません。

1. 文部科学大臣または厚生労働大臣が指定している歯科技工士学校または歯科技工士養成所を卒業したり、試験日までに卒業の見込みである人
2. 歯科医師国家試験または歯科医師国家試験予備試験の受験資格がある人
3. 外国の歯科技工士学校を卒業したり、外国で歯科技工士の免許を取得している人で、上記の1.または2.と同等の知識や技能を持っていると認められる人

歯科技工士国家試験受験者数の推移

歯科技工士国家試験は、平成26年度までは各都道府県で行われていましたが、平成27年度より全国統一で実施されることになりました。
歯科技工士国家試験の受験者数は、令和5年度は835人となっています。

歯科技工士国家試験受験者数_令5

歯科技工士国家試験合格率の推移

歯科技工士国家試験の合格率は、令和5年度は95.7%となりました。学校で技術と知識をしっかりと学べば、ほぼ合格できるといえるでしょう。

歯科技工士国家試験合格率_令5

歯科技工士国家試験の内容

歯科技工士国家試験は、大きく分けて「学科試験」と「実地試験」が行われます。

学科試験

歯や口腔にまつわる解剖学や有床義歯技工学、クラウンブリッジ補綴学や保存修復学を学ぶ歯冠修復技工学をはじめ、矯正歯科技工学、小児歯科技工学などのほか、咬み合わせにまつわる顎口腔機能学や歯科理工学そして歯科技工士法などの法規といった8科目から出題され、すべて全科目必修となっています。

これらは養成学校の座学でしっかりカバーされており、学習した知識で試験に対応することができます。

実地試験

さらに、歯科技工士としての基礎的なスキルを見るための試験も行われています。

必修試験としては全部床義歯の人工歯配列および歯肉形成とカービングが課題になっています。

また、出題内容は都道府県や受験する年度によってちがう歯冠修復物のワックス形成などといった任意問題も課されます。

歯科技工士国家試験の合格率は令和5年度は95.7%ですので、学校で技術と知識をしっかりと学べば、ほぼ合格できるといえるでしょう。

歯科技工士国家試験の合否基準

参考に、歯科技工士国家試験の合否基準(令和5年度)を見てみましょう。

学科試験では、配点を1問題1点、合計80点満点とし、48点以上の者を合格とするとなっています。

ただし、基礎科目群及び専門科目群別得点のいずれかが、その科目群の総得点の30%未満である者は不合格とするとされる足切りがありますので、注意が必要です。

実地試験では、1課題を30点、合計90点満点とし、54点以上を合格とするとされています。

この学科試験および実地試験それぞれの合否基準を満たした場合に合格となります。

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令和6年度 歯科技工士国家試験の概要

試験日 令和7年2月16日(日曜日)
試験地 北海道、宮城県、東京都、大阪府及び福岡県
受験資格 文部科学大臣の指定した歯科技工士学校を卒業した者(令和7年3月14日(金曜日)までに卒業する見込みの者を含む。)
受験手続き 受験に関する書類は、令和6年12月2日(月曜日)から同年12月6日(金曜日)までに一般財団法人歯科医療振興財団に提出すること。
試験科目 (1)学説試験
歯科理工学、歯の解剖学、顎がく口腔くう機能学、有床義歯技工学、歯冠修復技工学、矯正歯科技工学、小児歯科技工学及び関係法規
(2)実地試験
歯科技工実技
合格率 95.7%(令和5年度)
合格発表 令和7年3月26日(水曜日)午後2時に、一般財団法人歯科医療振興財団ホームページ及び厚生労働省ホームページの資格・試験情報のページに、その受験地及び受験番号を掲載して発表
受験料 30,000円
詳細情報 厚生労働省 歯科技工士国家試験