プロレスラーの現状と将来性
プロレスラーの現状
プロレスはかつて、ゴールデンタイムにテレビ放映され、国民的な人気を誇っていた競技です。
しかし、1990年代の半ばからプロレスの人気は徐々に衰退していき、K-1やPRIDEといった総合格闘技の人気に押されるようになりました。
当時、多くのプロレスラーたちが総合格闘技のトーナメントに参戦しましたが、結果が残せなかったこともプロレス人気をさらに低下させる一因となってしまいました。
しかし、2010年頃からプロレスの人気が復活しつつあります。
それまでのコアなプロレスファンに加えて、女性や子どものファンが増えているからです。
後楽園ホールや東京ドームを満員にし、入場者の半分が女性ファンというプロレス団体も出てきています。
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プロレスラーの今後の動向
プロレスラーのメディア露出で人気回復
プロレス人気が復活した理由は、おもにふたつあります。
ひとつは、メジャーなプロレス団体の一つである「新日本プロレス」に代表される経営戦略のうまさです。
所属選手をテレビ番組やCM、雑誌広告などに出演させ、「プロレスが流行している」というイメージの植え付けに成功しました。
プロレスラーのメディアへの露出が増えたことで女性ファンが増加し、カードゲーム「キングオブプロレスリング」を発売したことで小学生にもプロレス人気が広まりました。
後楽園ホールの試合では、対戦カードが発表される前からチケットが完売するといった現象も起きています。
東京ドームや横浜アリーナなどの大きな会場でも再び興行が行われるようになっているのは、プロレス人気復活の兆しです。
イケメンレスラーや等身大レスラーの活躍
プロレス人気が復活した理由のもうひとつは、「DRAGON GATE」や「DDTプロレス」といった団体に代表されるイケメンレスラーや等身大レスラーの活躍です。
たとえば、DRAGO GATEでは身長180センチ以上という入門条件を取っ払ったところ、身長160cm代、170cm代と小柄ながらルックスのいいイケメンプロレスラーがたくさん誕生しました。
イケメン選手が鍛えられた体でスピーディーなプロレスを展開したことで、新たな女性ファンを獲得することに成功したのです。
プロレスラーが会場でグッズを販売したりサイン会を開いたりと、ファンと触れあう機会を増やす努力もしています。
その一方、試合では流血などの危険行為を禁止したことで、入場者の約半分が女性ファンになるほどにプロレスの女性人気が拡大中です。
プロレスラーは体が大きくて筋肉質な超人的存在という従来のイメージから、「身近でかっこいい男性たち」という新しいイメージに変わりつつあります。
こういった戦略を今後も続けていくことで、プロレス人気はさらに右肩上がりとなる可能性があります。
プロレスラーの将来性
プロレスの歴史を振り返ると、1990年代以降に人気が下がった大きな原因としてスターレスラーの引退があります。
プロレスに限らず、プロスポーツの世界では次々に新たなスター選手が誕生しなければファンの関心が薄れてしまいます。
その意味では新たなスターレスラーの育成が今後のプロレス界にとって大きなカギとなりますが、現実にはプロレスラーになりたい人の数は減少傾向です。
逆にいえば、プロレスが大好きで自分もプロレスラーになりたいという人にとってはチャンスが広がっているといえるでしょう。