大切なのはプロレスを愛する気持ち
プロレスラー福田 洋さん
1987年8月15日生まれ。東京都小平市出身。2010年日本体育大学を卒業後、オーディションに合格し、ユニオンプロレスに所属。身長180cm、体重95kgで柔道三段。入場曲はSchool of Rock。
▶公式ブログ:ユニオンプロレス福田洋の「Kiss My Ass」▶Twitter:@Fukuda_unionpro
プロレスラ―の仕事について、一日の流れを教えてください。
一日の流れは試合のある日とない日で違います。試合のある日は、会場へ行き、リングを設営し、試合前の準備運動をしてから試合を行います。終わったらお客さんを送りだしたり、売店で物販をしたりします。その後、リングを元に戻して終わりです。興行は三時間弱ですね。
試合は基本的に土日祝日に行われます。たまに平日もあるので週2~3日です。大抵は一日一試合ですが、昼、夜で二試合の時もあります。また、東京の場合は三試合ということもあります。
地方への移動は主にバスとなります。夜に出発し朝に着くことや、朝早く出発し、昼に着くことが多いです。バスの中で過す時間が長いので寝て過ごしたり、休んだりもします。
また、平日は試合の日を抜かして週5日ほど合同練習が行われます。その他、個人的にトレーニングはほぼ毎日しています。休みは試合の次の日などになります。
プロレスラーを目指そうと思ったきっかけを教えて下さい。
最初はキン肉マンの再放送からはじまったんです(笑)。小学生の時からプロレスは大好きでよく、観戦していましたし、父に会場に連れて行ってもらったりもしました。
プロスポーツって、野球とかもそうだけど批評したりするじゃないですか? プロレスもやったことがないのに批評する人が多くいますよね。そういう人たちを観て、自分は本当にやるべきだ、やってみようと思いました。やってみないとプロレスのことはわからないですから。
プロレスラーになるまでの経緯を教えて下さい。
学生時代に新日本プロレスのオーディションに受かったのですが、その時は在学中のために、また卒業後に受けて下さいと言われました。
その後、卒業後に受けた時には落ちてしまい。どうしようかと迷っていた時に、同じスポーツジムでアルバイトをしていたバイト仲間から、ユニオンプロレスでオーディションがあるというのを聞き、受けました。
オーディションには受かったのですが、肩の脱臼癖があったりし、やっていけるか将来が不安で一度は辞退したんです。ですが、やはりやってみないとわからないと思いチャレンジすることに決めました。
ユニオンプロレスに入ったのはバイト先の人に紹介されたことがきっかけで、偶然受けたのですが、結果的には良かったです。
プロレスラーになるために苦労したことはなんですか?
苦労したことはないですね。自分のなりたかったことをするために苦労したことは、苦労だとは思いません。
プロレスラーの仕事のやりがいはなんですか?
たくさんありますよ。プロレスはクリエイティブな仕事です。お客さんを試合でどう楽しませるか、どういうワザをやれば喜んでくれるか、その時にどういう顔をしたらよいか、試合をしながらお客さんがあっと驚くことをしようと頭を使います。考えたことを実行し、時にはバカバカしいことだってしたりします。
考えることも楽しいですが、その結果、お客さんが反応したり、喜んでくれると嬉しいです。プロレスはライブなのでお客さんの声がすぐに届きます。
インターネット上でも、自分の発言に誰かが答えてくれたり、自分のことを誰かが書き込んでいたり。良いことでも悪いことでも反応があったりするのも嬉しいですね。お客さんの反応を感じた時に、仕事にやりがいを感じます。
プロレスラーの仕事に苦労や悩みはありますか?
やはり、やりたかったことなので苦労や悩みはないですね。緊張はしますけど、試合での緊張は日常生活では味わえないものなので、悩むこと自体も楽しいです。
仕事以外の楽しみはありますか?
元々プロレスが好きだから、仕事以外はほとんどないですね。営業に行った先でお酒を飲むことくらいですかね?あとは、トレーニングすることも楽しいです。どちらも仕事なんですが。
プロレスラーにはどんな人が向いていると思いますか?
人の気持ちがわかる人。人の気持ちを考えられる人。よくプロレスを観ている人。何事も楽しめる人。あとは自分が好きな人です。
人の気持ちがわからないと、人を喜ばせたり楽しませたり、人の感情を動かしたりできないですよね。プロレスは格闘技ですし、戦うわけですし、決して楽しそうなことじゃないですが、それを、どうやれば、楽しむだろう、驚くだろうと考えられることが大切です。
また、プロレスラーはみんな自分が好きです。どんな変な格好をしていても、自分のやっていることを肯定できない人はプロレスラーには向いていません。
今後プロレスの仕事や業界はどうなっていくと思いますか?
プロレス業界は下火になってきていると言われています。昔と比べると地上波の放送もなくなっています。
プロレスは人に見せる戦いとして進化していったと言えます。格闘技はバイオレンス過ぎる部分もあり、あまり、人前で見せるものではないかもしれません。それをどうお客さんにどうやって楽しませて見せるかが、今後の課題になってくると思います。
アメリカン・プロレスのようなエンターテイメントが必要です。テーマパークやアミューズメントパーク的なものをライバルとして、プロレスという戦いの部分だけではなく、人を楽しませることを総合的に進化させなければいけないですね。そうすれば、今後良くなっていくと思います。
高校生に戻れるとしたら何をしますか?
ダンスをします(笑)。ダンス部に入って女性にモテたいです。高校生の時は柔道部で男子ばかりで、華やかな高校生活を送れなかったので。
将来の夢や目標はありますか?
団体のトップに立つこと。海外の団体にも出場すること。そして、老後もプロレスを続けていきます(笑)。
プロレスラーを目指す方にメッセージをお願いします。
プロレスラ―を目指している方、あなたがしていることは決して無駄ではないはずです。大切なのはプロレスを愛する気持ちです。もっともっと、プロレスを日常的なものにしていき、一緒にプロレス界を盛り上げて行きましょう。
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