高卒で航空整備士になるには

高卒者の採用は多くない

航空整備士の大量採用が行われていた昭和40年~50年代頃は、高卒者を航空整備士として採用することも珍しくはなかったようですが、現在は、高卒者を採用する会社は数が限られてきます。

とくにJALやANA系列の大手航空整備会社の場合、新卒採用の対象者は工業高等専門学校卒や航空専門学校卒、もしくは大学・大学院卒となっています。

つまり、高卒の人の場合は学歴の段階で弾かれてしまうことも多いです。

また、プロの航空整備士として働くには高度な専門知識が必要であり、さらには「二等航空整備士」や「一等航空整備士」といった国家資格も求められてくるため、やはり専門の学校で基礎を学んできた学生が求められる傾向です。

そのため航空整備士を目指す学生の多くは、高校卒業後、国土交通大臣により「指定航空従事者養成施設」や「航空機整備訓練課程」として指定されている大学や専門学校に進学します。

在学中に関連知識を身につけ、最低限の資格を取得したうえで整備会社などに就職するのが一般的なルートです。

高卒者が航空整備士になるには?

高卒者が専門学校や大学に進学せず、航空整備士として就職するのは極めて難しいのが現状です。

ただし100%不可能というわけはなく、いつくかルートは用意されています。

未経験可の整備会社に就職する

JALやANA系列の「大手」の航空整備会社は、高卒者を採用することは少ないです。

一方、昨今は航空整備士の人手不足が進んでいることもあり、中小やベンチャーの航空整備会社であれば、「未経験可」「学歴不問」「無資格可」「年齢不問」などの条件で求人を出している会社もちらほらと見られます。

そのような未経験可、学歴不問の整備会社であれば、文字通り高卒の未経験者であっても就職することは可能です。

ただし、航空整備士として本格的な航空整備業務を行うには、「二等航空整備士」や「一等航空整備士」といった国家資格が必要です。

したがって未経験で採用された場合は、基本的には整備の補助作業などを行う見習い整備士としての扱いになるでしょう。

航空自衛隊や官公庁の整備士を目指す

高校卒業後、「航空自衛隊」や「海上保安庁」の採用試験を受けて入隊し、航空機整備員になるという道もあります。

ただし、配属先は適性などによっても判断されることがあり、確実に航空機整備員の職に就ける保証はありません。

また、高校卒業後「警察」や「消防」といった官公庁の航空隊を目指すルートもあります。

警察や消防の採用試験も高卒で受験できるため、学歴的にはなんら問題はありません。

ただし、こちらも必ずしも航空隊に配属されるとは限らず、訓練に耐えうるだけの強い覚悟や熱意も必要です。

このように、航空自衛隊や官公庁に採用され航空整備士を目指すルートもありますが、やはり不確定要素が多くなり、適性に応じて航空整備とはまったく異なる部署に回される恐れもあります。

確実に航空整備の仕事に就きたい場合は、高校卒業後、国土交通大臣により指定を受けている大学や専門学校で航空整備について学び、その後は航空整備会社の「航空整備士職採用」で就職したほうが確実性は高いでしょう。

「航空科」を用意する高校も存在する

数は少ないものの、高校の段階から航空整備について学べる学校もあります。

たとえば山梨県にある「日本航空高等学校」は、日本では極めて珍しい「航空科」を設置する高等学校です。

同校の「航空科 航空工学コース メカニック専攻」では、航空整備士・設計技術者などのエンジニアを目指すための専門的な教育が行われており、エンジンや機体の整備実習を通して、機体の構造や航空力学を学ぶことができます。

小学生、中学生のうちから航空整備士を目指している人の場合は、このような専門的な高校に進学し、早くから基礎を身につけておくという道もあります。