航空整備士になるための学校と学費(大学・専門学校)

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航空整備士になるための学校の種類

航空整備士の学校の種類

高校卒業後、航空整備士になるために通う学校の種類としては、大きく以下3種類に分けられます。

・指定航空従事者養成施設
・航空機整備訓練課程
・一般的な4年制大学の理工系学部など

航空整備士を目指す学生の場合、国土交通大臣により「指定航空従事者養成施設」や「航空機整備訓練課程」の指定を受けている大学や専門学校で学ぶのが通例です。

その他、指定を受けていない一般的な4年制大学の理工系学部や航空コースなどで学ぶルートもあります。

ただしこちらは航空整備士職として就職するというよりも、4年制大学卒の学歴を活かし、JALやANAなどの航空会社の「技術総合職」に就職したい人向けのルートとなってきます。

航空整備士の学校には通う必要はあるか?

大手の航空整備会社や航空会社の場合、新卒採用時に次のような学歴的制限を設けていることが多いです。

<新卒採用と学歴>
・大手航空整備会社の「航空整備士職」採用:高等専門学校、航空専門学校、4年制大学または大学院で、航空整備分野を学んだ学生が対象
・大手航空会社の「技術総合職」採用:4年制大学または大学院の理系学部・学科を卒業または修了見込みの学生が対象

大手系の航空整備会社や航空会社を中心に、このような学歴的制限が入ることがあるため、高卒の人が航空整備士として就職するのは難しいのが現実です。

また、航空整備士は専門性が問われる仕事であるため、たとえ高校卒業後「未経験可」、「学歴不問」のような整備会社に就職できたとしても、まったく基礎知識のないまま航空整備に携わるのは現実的でない部分もあり、苦労も伴います。

したがって、航空整備士を目指す学生の多くは、高校卒業後は航空関連の専門学校や大学に進み、専門知識や資格を取得した上で就職活動をするのが一般的です。

航空整備士の学校に通うと資格も取得しやすくなる

学校に通うことで、航空整備士の国家資格が取得しやすくなるという大きなメリットもありあります。

航空整備士試験を受験するには、一定年数の「整備経歴」が受験資格として必要です。

前述した「指定航空従事者養成施設」や「航空機整備訓練課程」の指定を受けている学校で学ぶと、本業としての実務経験がなくとも、学業が整備経歴としてカウントされるため、より早くに航空整備士試験を受験できます。

<学校の種類と受験資格への影響>
・指定航空従事者養成施設:学業が整備経歴として認められる。かつ実地試験が免除となる。
・航空機整備訓練課程:学業が整備経歴として認められる。
・一般的な4年制大学の理工系学部など:学業は整備経歴として認められない。

努力次第では、在学中に「二等航空整備士」や「一等航空整備士」の資格を取得することも可能で、資格を取得していれば就職活動もより有利に進められるでしょう。

航空整備士になるには? どんな資格が必要?

航空整備士になるための「指定航空従事者養成施設」

学校の特徴

「指定航空従事者養成施設」は、国土交通大臣から航空整備士の教育施設として指定を受けている学校を指します。

平成27年時点で、指定航空従事者養成施設として指定を受けている学校は次の通りです。

<指定航空従事者養成施設に該当する学校>
・中日本航空専門学校
・国際航空専門学校
・千葉職業能力開発短期大学校
・日本航空専門学校
・東日本航空専門学校
・崇城大学
・大阪航空専門学校
・株式会社JALエンジニアリング 人財開発部
・全日本空輸株式会社 整備センター教育訓練部

指定航空従事者養成施設では、航空整備に関する知識や技術スキルを学ぶことができ、航空整備士試験合格に向けたカリキュラムも組まれています。

ほとんどの指定航空従事者養成施設は、航空整備士試験において、毎年100%の合格率を叩き出しています。

メリット・デメリット

指定航空従事者養成施設で学ぶと、学業が「整備経歴」としてカウントされます。

これにより、航空整備士試験の受験資格として必要となる整備経歴を満たすことができ、在学中に「二等航空整備士」などの資格試験を受験することが可能です。

昨今は、航空現場でのインターン実習を行うことで、最上位の「一等航空整備士」を在学中に受験できるコースも用意されています。

さらに指定航空従事者養成施設で学ぶと、航空整備士試験における「実地試験」が免除になる大きな特典もあります。

一方、デメリットとしては、指定航空従事者養成施設は全国で9校ほどしかなく、数が限られていることです。

このため、学校によっては定員オーバーとなることもあり、また自宅の近くに指定航空従事者養成施設がない場合は、引っ越しや一人暮らしを考える必要も出てきます。

学費について

学費は、学校によって多少上下しますが、目安としては年間100万円~120万円程度が相場です。

たとえば、指定航空従事者養成施設として有名な「中日本航空専門学校」の学費は年間で約120万円で、3年制となるため入学~卒業までの学費総額は約360万円です。

学校やコースによって、2年制、3年制、4年制(4年制大学の指定航空従事者養成施設)は変わってくるため、入学前に何年制かをよく確認しておく必要があります。

航空整備士になるための「航空機整備訓練課程」

学校の特徴

「航空機整備訓練課程」も「指定航空従事者養成施設」と同じく、国土交通大臣から航空整備士の教育施設として指定を受けている学校を指します。

平成27年時点で、航空機整備訓練課程として指定を受けている学校は次のようになります。

<航空機整備訓練課程に該当する学校>
・成田つくば航空専門学校
・第一工業大学

航空機整備訓練課程においても、航空整備に関する知識や技術スキルを学ぶことができ、航空整備士試験合格に向けたカリキュラムも組まれています。

メリット・デメリット

航空機整備訓練課程で学んだ場合においても、指定航空従事者養成施設で学んだ場合と同じように、学業が「整備経歴」としてカウントされます。

このため、学校に通わず航空整備士試験を受ける人に比べ、数年早くに整備士試験を受験できるようになるメリットがあります。

ただし、航空機整備訓練課程の場合は、指定航空従事者養成施設のように「実地試験」は免除になりません。

デメリットは、こちらも学校の数が少ないことであり、平成27年時点で航空機整備訓練課程に該当する学校は、全国で「成田つくば航空専門学校」と「第一工業大学」の2校しかありません。

通うにしても、ほとんどの人は学校の近くへの引っ越しや一人暮らしの算段をする必要となり、入学までのハードルは高いといえるでしょう。

学費について

航空機整備訓練課程の学費も、年間100万円~120万円程度が相場です。

なお「成田つくば航空専門学校」は3年制の専門学校、「第一工業大学」は4年制の大学となるため、それぞれの年数に応じた学費が必要となります。

航空整備士になるための大学(理工学部など)

学校の特徴

国土交通大臣から指定を受けていない一般的な4年制大学の理工学部や航空コースなどで学び、卒業後に航空会社の「技術総合職」などを目指すルートもあります。

一般的な4年制大学の場合は、現場で使えるような実務的なスキルが学べるというよりも、理論をアカデミックに身につけることが可能です。

また4年制大学では、他の学部・学科の授業なども受講できるため、幅広い一般教養を学べます。

メリット・デメリット

一般的な4年制大学に進むメリットは、航空会社の「技術総合職」への就職で有利になることです。

JALやANAなど航空会社は、技術総合職の採用を行っており、技術総合職として採用されると適性に合わせて各技術系部門に配属されます。

そのうちの整備部門などに配属されると、航空会社の社員として航空整備の仕事に携わることができます。

技術総合職の採用基準は「4年制大学または大学院の理系学部・学科を卒業または修了見込みの方」と設定している航空会社が多いです。

したがって、技術総合職を目指す場合には、専門学校よりも4年制大学を卒業した方が学歴的に就職有利に進めやすいという利点があります。

とくに大手航空会社は難関大学出身者が多数応募するため、できるだけ偏差値の高い大学に進学したほうが就職活動をスムーズに進めやすいでしょう。

また、4年制大学卒の学歴は他業種や他業界への就職際にも武器となり、仮に在学中に航空整備以外の分野に進路変更した場合でも有効活用できます。

一方でデメリットとしては、国土交通大臣から指定を受けていない一般的な4年制大学の場合、学業は整備経歴に一切含まれないことです。

仮に一般的な4年制大学を卒業後、航空整備士試験を受験する場合には、整備現場で実務に携わり、「二等航空整備士であれば整備経歴3年以上」「一等航空整備士であれば整備経歴4年以上」の整備経歴を積む必要が出てきます。

学費について

4年制大学の学費の目安は、「国立大学」の場合は4年間で約250万円、「私立大学」の場合は4年間で約400万円~550万円程度です。

学費が足りない場合には「奨学金制度」などを検討してみるのもよいでしょう。

航空整備士の学校選びのポイントは?

「指定航空従事者養成施設」で学んだほうがメリットは多い

「一等航空整備士」や「二等航空整備士」の国家資格は、できるだけ早いうちに取得するに越したことはありません。

資格取得を考えた場合、学業が整備経歴として認められ、実地試験も免除になる「指定航空従事者養成施設」で学ぶのがやはり確実で早いルートです。

なお、指定航空従事者養成施設の「崇城大学」や、航空機整備訓練課程の「第一工業大学」などは4年制大学となり、資格対策ができる上で同時に大学卒の学歴も得られるため、JALやANAなどの「技術総合職」を目指すことも可能です。

「技術総合職」を目指す場合の注意点

最初からJALやANAなどの「技術総合職」一本で決めている人の場合は、難関の4年制大学などに進学し、学歴を武器に技術総合職を目指す方法も選択肢に入るでしょう。

ただし、技術総合職の場合「整備部門」に配属されれば航空整備の業務に携われますが、
「品質保証部門」「技術部門」「機体計画・部品計画部門」など他の部門に配属となった場合、残念ながら航空機の整備を経験することは難しいです。

また、仮に整備部門に配属となった場合でも、技術総合職の場合は各部署をローテーションしながらゼネラリストとしての経験を積んでいくことが多く、将来的には技術部門の管理職の立場に就く形となるため、整備一本でキャリアを重ねていくことは難しくなります。

もしも航空整備士として、現場のスペシャリストとしてのキャリアを歩んでいきたい人は、航空会社の技術総合職ではなく、航空整備会社の航空整備士職として採用されるほうが適しているでしょう。