医療事務への転職・未経験採用はある?
医療事務への転職状況は?
将来性から転職を希望する人も
終身雇用制度の崩壊、長引く不況の影響などから「手に職をつけて働きたい」「ずっと役立つ資格を取得したい」と考え、医療事務の仕事に興味を持つ人が増えています。
そして、医療業界は高齢化の進展にともない、ますます拡大しています。
そのような医療業界で活躍する医療事務は今後も大きな需要が見込まれる仕事であり、注目されるのは当然ともいえます。
実際、医療事務は長年勤務する人も多く、非常に安定した職種であるといえます。
そのため、今まで医療事務の経験がない人が、「転職」という形で医療事務を目指すケースが増えてきています。
20代で正社員への就職・転職
経験者が優遇されやすい
医療事務は未経験者の募集も多くありますが、レセプト業務など専門的なスキルが必要とされる仕事もあるため、経験者が優遇されます。
とくに大きな病院などではレセプト業務などは膨大な量になるため、仕事の流れを知っている経験者は貴重な存在となります。
医療事務の人気が高まるにつれ、今後は転職が今よりも厳しくなることも考えられます。
資格取得や知識・スキル向上に対する強い意志と努力が必要になるでしょう。
未経験者を採用する病院も
なお、未経験者を採用する病院やクリニックがゼロというわけではありません。
「未経験者歓迎」としている医療機関であれば、まったく医療事務の知識がない場合でも、医療事務として採用される可能性はあります。
その場合、先輩に教わりつつ受付窓口業務など比較的簡単なことから業務を覚えていき、同時にレセプト作成など専門性を要する業務に関する勉強をしていくのが一般的です。
医療事務を目指す人が増えており、未経験者を積極的に採用する医療機関の数はそこまで多くないようですが、とにかく早く現場に出たい人にはこのルートをたどるのがよいでしょう。
医療事務への転職の志望動機で多いものは?
医療事務への転職を考える人の動機はさまざまですが、先ほど挙げた「手に職をつけたい」という理由のほか、「医療の現場で働きたい」「結婚・出産後も長く働きたい」といった動機を持ち、他業種からの転職を志望する人も多いです。
医療の現場で働く事務スタッフは、企業の一般事務とは異なり、病気やけがなどで不安な気持ちをかかえる患者さんや、専門職である医師や看護師とかかわりながら働くことになります。
パソコンに向かって淡々と業務をこなしていく仕事よりも、弱っている人を手助けし、誰かのサポートになるような仕事に就きたいという思いを持つ人は、医療事務という仕事に興味を持ちやすいでしょう。
また、医療機関によって正社員からアルバイトやパート、派遣社員までさまざまな雇用形態があり柔軟に働けるため、結婚や出産後も長く働き続けたい人にとっては魅力のある職業だといえます。
20代で正社員への就職・転職
未経験・社会人から医療事務になるには
未経験者は資格の取得から検討を
医療事務は、未経験者でもPCスキルが高かったり、前職の業務内容に関連していたりする場合には問題なく採用されることもありますが、病院やクリニックの多くは経験者を採用したいと考えるようです。
そのため、未経験者が医療事務への転職を考える場合、アピールポイントとして資格の取得を考えたほうがよいでしょう。
医療事務には「レセプト業務」など専門知識を要する業務がありますが、その内容に該当する資格を取得しておくことで、採用試験において最低限のスキルがあることを証明しやすくなります。
ただし、医療事務には国家資格がなく民間資格が複数存在する形となっているため、働くうえで資格取得は必須というわけではありません。
やる気や熱意が伝われば未経験者でも病院に採用されることはありますし、仕事をしながら経験を積んで資格を取得する方法もあります。
しかし、条件のよい病院には多くの就職希望者が集まりやすく、未経験者が採用されるのはなかなか難しいのが実情です。
契約社員やアルバイトなどからステップアップ
医療事務はもちろん正社員として働くことも可能ですが、雇用条件のよい正社員の求人は競争率が高く、経験者が優遇されることが多いです。
そのため、まずは契約社員や派遣社員、あるいはパート・アルバイトとして実務経験を積み、その後、正社員への転職を目指すことを考えてみてもよいでしょう。
この仕事では実務経験やスキルがあると優遇されることが多いため、何度か転職しながら給与アップにつなげている人もいます。
また、病院によっては契約社員からスタートし、勤務態度や実績によって正社員に登用されることもあります。
医療事務への転職に必要な資格・有利な資格
医療事務の資格
未経験から医療事務への転職を叶えやすくするため、先に資格を取得してから転職活動をする人も増えています。
医療事務の資格は国家資格ではなく、さまざまな団体が認定する民間資格が複数存在している状態です。
そして、それらは医療事務全般の知識が問われるものから、「医科」、「診療情報」、「レセコン」といった、各分野に対して専門的な知識が必要なものまでさまざまです。
医療事務全般の知識が問われる試験は合格率も比較的高く、取得しやすい傾向にあります。
最初は「医療事務技能審査試験」など合格率が高い試験で資格を取得し、その後、専門的な勉強をして難易度の高い資格を取得していくとよいでしょう。
医療事務への転職に役立つ職務経験は?
他業種から未経験で医療事務を目指す場合にも、面接や実務に役立つ職歴があります。
医療事務は、会計やレセプト作成などでパソコンや数字を扱うと同時に、受付やクラーク業務では患者さんや医師、看護師とのコミュニケーションが必要となる職業です。
営業事務や経理事務など、パソコンで細かい数字を扱う職種に就いていた人は、事務処理スキルをアピールできるでしょう。
また、ホテルや企業、銀行の受付、アパレルや携帯電話の販売スタッフ、コールセンターの電話受付といった、お客さまの応対や丁寧な説明が求められる仕事も、医療事務への適性を示すにはぴったりです。
未経験の場合こうした職歴が立派なアピールポイントとなりますが、ただ経歴を挙げるだけでは説得力に欠けてしまいます。
職歴ごとの業務内容や自身の取り組み姿勢などを、志望動機や自己PRに盛り込んで積極的にアピールすることが大切です。
医療事務への転職面接で気をつけるべきことは?
未経験や他業種から医療事務を目指す場合、転職面接にも経験者とは違ったポイントがあります。
一般的によく尋ねられる志望動機や自己PR、なぜこの病院を選んだのかといった質問のほか、未経験からの転職では「なぜ医療事務を選んだのか」「医療機関で働くにあたり大切なこと」「前職に関すること」といった点に面接官は関心を持ちます。
回答は人によってさまざまですが、たとえば「患者さんの役に立つ仕事がしたい」「安心を提供することが大切だ」「前職の接客業でホスピタリティを培った」など、自分の経験や思いを交えて具体的に応えられるよう準備しておきましょう。
また、医療機関で働く医療事務スタッフには清潔感が求められます。
すっきりとした印象を与えられるよう、女性の場合は髪が肩にかからないよう後ろで結び、メイクやネイルは控えめにします。
男性の場合は、寝癖や無精髭に気をつけ、爪を切ってから面接に臨むようにしてください。
医療事務に転職可能な年齢は何歳くらいまで?
医療事務として働き始めるのに年齢制限はありません。
医療機関の求人にも「年齢不問」と記載されていることが多く、基本的には未経験でも年齢を問わず応募することができます。
しかし、医療事務には専門スキルが求められるため、未経験者を採用するとどうしても育成に時間がかかります。
そのため、未経験の応募者が複数いる場合は、若い人が優遇されるのが実情です。
一方で、40〜50代から医療事務の職に就く人も一定数います。
まったくの未経験から医療事務への転職を目指すのであれば、20〜30代のなるべく若いうちに応募するのがおすすめですが、資格を取得してから転職に望むのであれば、40〜50代の志望者にも可能性はあります。
医療事務関連の資格を持っていることに加え、基本的なパソコンスキル、コミュニケーション能力、ホスピタリティの高さなどをアピールできれば、年齢を問わず採用されるチャンスは広がります。
未経験から医療事務の転職での志望動機
未経験から医療事務への転職を目指す場合、志望動機は重要なポイントとなります。
採用担当者は、もともと他業界で働いていた人が「なぜ医療事務を目指すのか」という点に関心を持っています。
実際に病院で医療事務スタッフとかかわった経験など、具体的なエピソードを添えて伝えるようにすると説得力のある志望動機になります。
また、これまでの職歴を医療事務にどのように生かせるかしっかり説明できれば、未経験でも適性があることや、医療事務という仕事に対する理解のアピールになります。
医療事務は専門的な知識が必要となる職業なので、関連する資格を取得している、あるいは資格取得に向けて努力している場合は積極的に伝えるとよいでしょう。