外交官の仕事は激務? 残業時間や休みも解説
外交官の勤務時間
外務省の規定では、勤務時間は1日7時間45分です。
勤務開始時間や終了時間は赴任先によって異なりますが、おおむね8時30分ごろより勤務開始となり、17時30分ごろに勤務時間終了となります。
しかし、外交官に限らずどの仕事にも共通していえますが、担当する仕事や視察・出張先によって、定時で帰れないこともあります。
日本と大きな時差がある国に赴任した場合、日本とのテレビ会議を行うために、夜遅くまで残ることもあるようです。
また、外交官の仕事は赴任先の国との友好関係を維持することですから、夕食を交えたパーティーやレセプションに招かれた場合には、必ず出席しなければなりません。
当然、帰宅時間は遅くなりますし、日本より国会議員が視察に来るような際には、大幅に勤務時間が変更になるなどといったこともあります。
万が一、赴任先で大災害やテロ、日本人の行方不明事件などが起こった場合、外交官は真っ先に動かなければなりません。
この場合、勤務時間など関係なく、事件の早期解決に向けて、ときには大使館に泊まり込みで対応します。
また、赴任先と関係の深い国で同様の災害や事件が起こった場合も、その国の日本大使館に出張し、作業にあたることもあるようです。
外交官が日本に戻り外務省に勤務する場合、規定時間は9時30分から18時15分ですが、在外公館での仕事よりも仕事量が多く、定時に帰れないことがほとんどです。
とくに国会が開催されている期間や大きな会議が開かれる前後などは、夜遅くまで仕事をすることになります。
20代で正社員への就職・転職
外交官の休日
規定では、土・日・祝日が休日と定められていますが、これも赴任先によります。
とくに祝日は現地の祝日に合わせて休みとなりますが、これも日本の祝日数と同数程度が休日となりますので、現地の祝日が日本よりも多い場合でも、すべて休めることはないようです。
また、土・日・祝日にパーティーやレセプションに招かれた場合は出席しなければなりませんし、日本から政府要人が来る場合には、やはり規定の休日関係なく対応に当たります。
なお、3年以上の長期赴任をする場合は帰国休暇が与えられます。
また、環境や衛生状態が厳しい国に赴任する場合には、健康管理休暇が取得できることもあります。
外交官の残業時間
外務省勤務の外交官や外交官経験者は、「とにかく残業が多い」と口を揃えて言います。
月間残業時間が相当な時間になることも珍しくないそうで、とくに国会開会期間中は国会答弁作成作業があり、大臣官房などの部署では深夜までの残業となる場合もあるとのことです。
ただしこれは時期や部署によって異なります。
例えば国会開催期間中とそうでない期間の業務量には差がありますし、直接的に国益に関わる大きな課題を扱う部署では残業時間が多くなりがちですが、反対にそれほど緊急課題が多くない部署では残業時間は少ない傾向にあるようです。
もちろん、国際情勢に大きな動きがあったときには、残業時間が大幅に増える可能性もあります。
20代で正社員への就職・転職
外交官は忙しい? 激務?
公務員として日本と世界各国間の交渉・調整業務を行う外交官。重大な使命と責任を負っている外交官の仕事は、激務というイメージがありますが、実際のところはどうなのでしょうか?
24時間体制で緊急対応
たとえば本省で安全保障政策を担当している外交官の場合、海外で何か有事があった際には、深夜でも出勤しなければならないことがあります。
関係各所と迅速に連絡を取り、対策を立てるためです。
24時間いつでも出勤できる体勢でいなければならないことは大きなストレスでしょうし、体調管理が難しいという問題があるかもしれません。
海外勤務が多い
基本的に、国家公務員総合職または外務省専門職員試験に合格すると、外務省に入省後3年ほど、専門に選んだ言語の国に留学することになります。
その後も5〜6年周期で海外勤務と本省勤務を繰り返すことになります。
入省してすぐの若い頃はフットワークも軽く、キャリアアップのために海外経験を積むいいチャンスといえます。
しかし、家庭を持つ、不動産を購入するなど、日本国内に生活基盤を作るには、海外勤務や度々の海外出張はマイナス要因になるかもしれません。
ただし、海外で日本を代表して仕事をすることに誇りを感じている外交官も多く、海外勤務の多さを理由に激務と感じるかどうかは個人差がありそうです。
外交官の休日の過ごし方
何か特別なイベントや予定がない限り、休日は自由に使うことができます。
国内勤務の場合、レジャーや趣味に時間を使うほか、国際関係や語学に関するセミナーに出席したり、関連する書籍を読んだりと、自分の武器となる知識やスキルを磨くために時間を使うことも多いようです。
海外勤務の場合にも、赴任国の文化や歴史を知るため、情報収集をしたり、街を見て回ったりする時間もあります。
もちろん、観光をしたり、その国を楽しむことも可能です。