データベースエンジニアの求人・就職状況・就職先選びのポイント
データベースエンジニアの就職先にはどんなところがある?
代表的な就職先
データベースエンジニアの最もポピュラーなキャリアパスは、大学や専門学校を卒業後、新卒採用で、SIer(システムインテグレータ)系のIT企業に就職するパターンです。
大手のSIerとしては、たとえば「NTTデータ」、「日本ユニシス」、「日立システムズ」などが挙げられます。
なおSIerの新卒採用の場合、「データベースエンジニア職」として明確に括って採用することは少なく、「ITエンジニア職」や「システムエンジニア職」といったエンジニアの「総合職」として採用されることが多いです。
新卒のITエンジニア職・システムエンジニア職として入社後、データベース部門などに配属され、データベースの構築や運用といった現場での経験を積んだ人間が、ゆくゆくはその道のスペシャリストであるデータベースエンジニアとしてのキャリアを固めていくケースが多めです。
他にも就職先はさまざま
データベースエンジニアには、SIer以外にもさまざまな就職先が用意されています。
<データベースエンジニアの就職先の種類>
・大手企業のIT部門やデータ部門(例:メーカー、銀行、航空会社など)
・Webサービスを扱うインターネット系企業やゲーム会社
・データベースの構築などを請負う専門業者
・専門学校やITスクールでの講師
など
情報化社会となった現代では、メーカーや銀行、航空会社などの一般的な企業であっても、社内に大規模なデータベースやITシステムを保有しています。
同時にそのような企業では、社内にIT部門を設置しているケースも多く、自社のシステムを専属で担当するデータベースエンジニアを採用していることがあります。
また、近年急成長したインターネット系企業、Webサービス会社、スマホアプリ会社なども、自社のWebサービス用のデータベースを保有しているケースが多く、それらを管理する専属のデータベースエンジニアを採用していることがあります。
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データベースエンジニアの求人の状況
オールラウンドタイプの求人が目立つ
昨今は「クラウド」が普及したことで、データベースの運用にあまり労力が掛からなくなりました。
また、データベースソフトウェアの進化によってデータベースの操作自体も簡易になってきていることもあり、従来のようなデータベースの仕事だけを専属とする求人は少なくなってきています。
どちらかというと、データベースだけなく、サーバー周りやネットワーク、セキュリティなど他のシステムインフラ部分も兼任する「インフラエンジニア」的な求人が増えており、企業側もそのようなオールラウンドタイプの人材を必要視するようになってきています。
もちろん、純粋にデータベースの仕事だけを専属する求人もありますが、そのような求人はプロフェッショナル向けであり、データベースエンジニアとしての相応の経験がないとなかなか採用を勝ち取るのは難しいようです。
未経験者向けの求人は数が限られてくる
データベースエンジニアの仕事は、データベースの設計スキルやSQL言語の操作スキルなど、その分野の専門知識が求められるため、経験者向けの求人が大多数を占め、未経験者向けの求人というのはごく一部に限られてきます。
特に大手IT企業の場合は、未経験者向けの求人というのはなかなか出されないため、未経験者が大手で働きたい場合、新卒もしくは第二新卒で入社できるかがカギとなってくるでしょう。
一方で、IT業界全体として人手不足が進んでいることもあり、なかなか人の集まらない中小IT企業やベンチャーIT企業であれば、未経験者向けの求人を出していることもあります。
未経験者の場合、会社側のニーズとしては、「意欲」や「適性」のある人材を重視する傾向にあります。
したがって、人間性の部分を上手くアピールできれば、未経験でも就職できる余地はあります。
ビックデータ分野の求人が増加傾向
「ビックデータ」は、次世代の一大産業として急成長が進んでおり、この分野の求人も現在増加傾向にあります。
ただし、ビックデータ分野では、単にデータベースを運用するだけでなく、併せてビックデータの分析やビジネス戦略など行う仕事が多く、職種名でいうと「データサイエンティスト」「データエンジニア」寄りの求人が多くなってきます。
「データベースエンジニア」「データサイエンティスト」「データエンジニア」、この3つの職種は共通する部分もありますが、異なる部分もあるため、ビックデータ関連の求人に応募する場合はその違いをよく理解しておく必要があります。
データベースエンジニアの就職先の選び方
「仕事内容」をよく確認する
勤める会社によって、同じデータベースエンジニアであっても、仕事内容は変わってきます。
例えば、「要件定義や設計などの上流工程の仕事に携われる会社」、「データベースの日々の運用やメンテナンスが主な業務となる会社」、「データベース製品のサポートやアフターフォローを担当することになる会社」など、会社によって仕事内容はさまざまです。
また、「大規模システムのデータベース構築に強みをもつ会社」、「クラウドを用いた小規模なデータベース案件を得意とする会社」など、会社毎の強みや個性というのもあり、それによって経験できる案件のタイプも変わってきます。
よく調べずに入社してしまうと、自分の考えていたデータベースエンジニア像とまったく違う仕事を任されることもあり得ますので、不一致を避けるためにも、募集要項や面接時の質問で、採用後の仕事内容についてよく確認しておくことをおすすめします。
「社外」と「社内」
データベースエンジニアには、「社外エンジニア」と「社内エンジニア」の大きく2タイプの働き方があります。
「社外エンジニア」は、顧客先や社外プロジェクトなどに派遣され、そこに「常駐」して働くタイプであり、主にSler系企業に就職するとこのタイプの働き方となることが多いです。
「社内エンジニア」は、一般的なサラリーマンのように自社のオフィス内が職場となり、自社のデータベースの専属エンジニアとして働くタイプであり、主に企業のIT部門などに就職するとこのタイプの働き方となることが多いです。
このどちらかによって、職場環境や身に付けられる経験なども大きく変わってきますので、どちららが自分に適しているかをよく考慮した上で選ぶことをおすすめします。
なお、社外エンジニアであるか社内エンジニアであるかは「募集要項」に記載がある場合もありますが、記載がない場合は面接時などにやんわりと質問してみるのもよいでしょう。
「平均年齢」や「平均勤続年数」を確認する
IT業界には、いわゆる「ブラック企業」と呼ばれる会社も目立ち、あまりに過酷な労働環境の会社を選んでしまうと、耐えきれずに退職に至る恐れもあります。
IT業界においては、「平均年齢」は35歳~40歳、「平均勤続年数」は10年前後が、一般的な目安となっています。
この平均よりも極端に数値が低い企業ですと、社員が入社しては耐えられずに直ぐ辞めるを繰り返している会社である可能性が疑われます。
ただし、Web系IT企業やベンチャーIT企業などであれば、もともと若い人材が集まりやすく、会社の設立年数自体も若いことが多いため、平均年齢や平均勤続年数だけでは会社の優劣を判断しにくい部分もあります。
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データベースエンジニアの志望動機・面接
志望動機は「なぜデータベースエンジニアなのか」を明確に
データベースエンジニアは、文字通りデータベース分野のスペシャリスト職となりますので、「なぜデータベースエンジニアなのか」の理由を、志望動機内で明確化することがポイントとなってきます。
たとえば、「ITやコンピュータが好きであるから」、「ITを用いて社会貢献をしたいから」といったような志望動機は、データベースエンジニアだけに限定したものではなく、システムエンジニアやネットワークエンジニアなど、他のITエンジニア職にも該当してしまう志望動機です。
そうではなく、「データベースに対して関心があるから」、「データベースに可能性を感じているから」など、焦点をデータベースに充てた上で、自分ならではの熱意や想いを伝えられると、その道を進む意欲のある人材として好感されやすいでしょう。
面接で聞かれること
データベースエンジニアの面接では、次のようなことを聞かれることが多いです。
<面接での代表的な質問内容>
・なぜデータベースエンジニアを目指すのか
・なぜ当社を選ぶのか、当社は第一志望か
・将来的なキャリアプラン、将来どのようになりたいか
・長所や短所
・あなたを採用することでどのような利点があるか
・学生時代に努力したこと
・ストレス耐性はあるか
・健康や体力には自信があるか
など
特に「ストレス耐性はあるか」や「健康や体力には自信があるか」は、長時間残業などの多い、IT業界特有の質問となります。
さらに、「残業が多いけれど大丈夫か」「勉強することも多いがやっていけるか」など、手厳しい質問が投げ掛けられることもありますので、動揺せずに回答したいところです。
就職先はどのように探したらいい?
就職サイトで探す
最もポピュラーな方法としては、「就職サイト」経由で求人を探し、エントリーするパターンです。
大手IT企業や有名IT企業のほとんどは、これらの就職サイト経由からエントリーが可能となっています。
就職サイトは基本的には無料で利用できますので、窓口を広めるためにも、一つではなく何個かの就職サイトに登録しておくことが望ましいです。
IT企業合同就職説明会で探す
「IT企業合同就職説明会」や「ITエンジニア系合同就職フェア」といったような名称の就職イベントが、就活シーズンには全国各地で開催されています。
合同就職説明会には、大手IT企業からベンチャーIT企業まで何十社ものIT企業が参加しており、いままで知らなかったIT企業と出会えることもあります。
会場では、採用担当者とキャリアの相談をしたり、先輩社員の生の声なども聞けることもあるため、インターネット上だけで企業を探すよりも、視野を広げやすいでしょう。
就職課で探す
大学や専門学校には、学生の就職をサポートする「就職課(キャリアセンター)」が用意されています。
就職課では、学校側の独自ルートで仕入れた就職情報が公開されていることもあり、就職課で掘り出しものの求人を見つけられることもあります。
また、就職活動の相談サポートや、「学校推薦制度」の申し込みなども、就職課を通して利用できますので、就職活動時には一度足を運んでおくとよいでしょう。
ハローワークで探す
地域の「ハローワーク(公共職業安定所)」でも、求人情報の提供を行っています。
ハローワークの場合は、どちらかといえば地域密着型の求人が多く、リクナビやマイナビなどの大手就職サイトには求人を掲載していない、地元IT企業の求人情報が見つかることもあります。
なお新卒者向けの「新卒応援ハローワーク」、既卒の若者向けの「わかものハローワーク」などハローワークにもいくつかタイプがありますので、自分に合ったタイプのハローワークを利用するのが望ましいです。