データベースエンジニアの仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

データベースエンジニアの仕事とは

「データベース」というのは、大量のデータを保存しておくデジタル上の保管庫のようなものです。

顧客情報・販売情報・アクセス履歴など、今や多くの企業が膨大なデジタルデータを扱いながらビジネスを展開しています。

そして、企業の持つその大量の業務データを保管・管理するためには、データベースやデータベースサーバーなどを構築する必要があります。

また、データベースは一度構築したらそれで終わりではなく、以降も管理・運用を行い、円滑かつ安全にデータの出し入れが行えるように、最適なデータ環境を保っていく必要があります。

そのようなデータベース周りを専門とするITエンジニアを「データベースエンジニア」という名で呼ばれています。

データベースエンジニアは、データベース言語である「SQL」、データベース製品である「Oracle」「Microsoft SQL Server」「MySQL」の知識や操作スキルなどが必要となり、データベースを扱うスペシャリストとしての力が求められます。

また近年普及が始まっている「クラウド」や「ビックデータ」などの分野もデータベースエンジニアと密接な関係にあり、そのような先端IT分野の知識も備えたデータベースエンジニアは、従来よりも活躍の場が広がってきています。

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データベースエンジニアの業務の内容

データベースエンジニアの業務内容は、「設計・構築」「管理」「運用」「その他」の大きく4つに分けられます。

設計・構築

まず最初に、顧客となる企業がどのようなデータを扱っているか、どのように扱っていきたいかなどの全体的な要望を「要件定義」します。

要件定義の内容をもとに、使用するデータベース製品、データベース容量、データを並べる順序の方針、バックアップの方針などの細かな方針・仕組みを「設計」していきます。

設計が完了したらサーバーセンターに出向き、データベースのインストールやセットアップ、動作テストなどの「構築」の作業を行います。

管理

データベースは不安定なものであり、最適な状態で稼働させるには、定期的な「管理」が必要となります。

データベースを安定稼働させ、パフォーマンスを向上させることも、データベースエンジニアの役目となります。

代表的な管理業務として「SQLチューニング」があり、より高い速度で円滑にデータが処理できるように、データベース内部の構造を適時チューニングしていきます。

また、データテーブルを整理したり、最新のセキュリティ対策を施し安全性を高めることなども管理業務に含まれてきます。

運用

「運用」というのは、稼働中のデータベースを維持する上で、常に必要となる定例作業やメンテナンス作業などを指します。

運用業務の例としては、「データベースアクセス権の更新作業」、「データベースのバックアップ作業」などが挙げられ、システムによっては毎日のように事細かに運用作業を行うこともあります。

基本的には、運用操作マニュアルに沿ったルーチンワークとなるため、新人エンジニアや派遣のエンジニアなどが担当するケースが多いです。

障害対応などのイレギュラーな運用業務に関しては、ベテランのデータベースエンジニアが対応することもあります。

会社によっては、自社で販売するデータベース製品の「サポート業務」や「アフターフォロー」などを、その分野での有識者であるデータベースエンジニアが担当することもあります。

他にも、営業担当に同行して「プリセールス」を行ったり、データベース製品メーカーであればデータベース用のソフトやアプリケーションそのものを作り上げる「ソフト開発」の仕事に関われることもあります。

データベースエンジニアの役割

組織内での役割

IT業界の企業には、さまざまなITエンジニアが所属しています。

データベースエンジニアは、データベース分野に特化したエンジニアという位置付けになり、他にもサーバーエンジニア、ネットワークエンジニア、セキュリティエンジニアなど、各分野を専門とするエンジニアが所属しています。

そして、各々のエンジニアが役割を分担し、専門とする分野の仕事に携わるのが一般的です。

ただし、会社によって、もしくは案件によって、データベースエンジニアがサーバーエンジニアやネットワークエンジニアの仕事を兼ねることもあり、その逆パターンもあり得ます。

社会的な役割

情報化社会となった現代では、顧客情報などの機密なデータが、データベース上に大量に保管されるようになりました。

それらのデータが消失したり盗難されたりすれば、社会的にも大きな損失となります。

また昨今は、データが企業のビジネスを左右するほど重要な存在となってきており、そしてデータを上手く活用するためには扱いやすいデータベースが必要となります。

そのようなデータ環境を、縁の下から支えているのがデータベースエンジニアです。

データベースエンジニアはこの情報化社会の土壌を作っている職業といっても過言ではなく、データベースエンジニアがより高品質なデータベースを作り上げることで、デジタル上のデータがより扱いやすい社会となっていきます。

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データベースエンジニアの勤務先の種類

主な勤務先

データベースエンジニアの主な勤務先として、次のようなものが挙げられます。

<データベースエンジニアの勤務先の例>
・SIer系の企業(例:NTTデータ、日本ユニシス、日立システムズなど)
・大手企業のIT部門やデータ部門(例:メーカー、銀行、航空会社など)
・WEBサービスを扱うインターネット系企業やゲーム会社
・データベースの構築などを請負う専門業者
・専門学校やITスクールでの講師
など

最もポピュラーな就職先としては、SIer(システムインテグレータ)が挙げられ、データベースエンジニアを目指す多くの学生は、SIerに就職しています。

SIerに就職すると、たとえば政府系システムのデータベース構築や大手企業のITシステムのデータベース管理運用など、外部のさまざまな案件に、「外注」のシステムインテグレーションとして携われます。

続いて、東証一部上場の大手企業などの場合は、自社内に「IT部門」や「データ部門」を設立しているケースが多く、そのような部門部署に就職すると、社内専属エンジニアとして自社のデータベースの構築や運用に携われます。

たとえば、銀行や証券会社のような金融機関は大量の顧客データを扱いますので、社内システム内に巨大なデータベースを持っています。

かつそれを管理するIT部門があり、専属のデータベースエンジニアを募集しているケースが多いです。

その他にも昨今は、WEBコンテンツ用やゲームコンテンツ用のデータベースを保持しているインターネット系企業やスマホゲーム会社などが、社内専属のデータベースエンジニアを採用するケースも増えてきています。

「社外」と「社内」での働き方の違い

データベースエンジニアには、「社外エンジニア」と「社内エンジニア」の大きく2タイプの働き方があり、それぞれで職場環境や求められるスキルなどは変わってきます。

<社外エンジニアと社内エンジニアの働き方の違い>
1.社外エンジニア:顧客先の企業や社外のプロジェクトに「常駐」し、外部のデータベースの管理運用を行うタイプのエンジニア。常駐先に直行直帰する形となり、自分の会社には社内ミーティングなど特別な用事がない限りは戻らない。

2.社内エンジニア:自社のデータベースの管理運用を専属で行うタイプのエンジニア。一般的な会社員のように自分の会社に出社し、自社の上司や部下に囲まれながら、自社のデータベースの管理運用を行うこととなる。

1つ目の「社外エンジニア」の場合、社外の人間ばかりの環境で働くことになり、独特の緊張感がありますが、その分、多種多様な企業のデータベースに触れられるというメリットもあります。

SIerに就職すると、この社外エンジニアとして働く機会が多くなります。

2つ目の「社内エンジニア」の場合、慣れ親しんだ自分の会社で働けるという利点がありますが、社内のデータベースのみしか触れられず、技術スキルが狭まってしまうという弱点もあります。

大手企業の「IT部門」や「データ部門」などに就職すると、社内エンジニアとして働く機会が多くなります。

データベースエンジニアの仕事の流れ

まったくのゼロからデータベースを設計・構築するとなると、小規模なITシステムであっても最低1~2カ月の期間は要します。

それこそ、何百人体制のプロジェクトを組んでいる大規模なITシステムとなれば、データベース部分の設計・構築だけでも、半年や1年といった長い期間を要することがあります。

いずれにしても、データベースエンジニアの仕事は1日や2日で終わるものではなく、1つの案件に何カ月も携わることになるのが基本です。

また晴れて案件が完了した後も、担当した箇所に問題などがあれば、後々担当者として呼び出されることもありますので、そうならないためにも一つ一つの仕事をしっかりと完了させておく必要があります。

データベースエンジニアと関連した職業

データベースエンジニアとシステムエンジニアの違い

データベースエンジニアに関連した職業として、「システムエンジニア」があります。

システムエンジニアは、ITシステムの設計・構築・運用などに携わる、いわば「システムを作る人」の総称であり、広い意味を持ちます。

一方でデータベースエンジニアは、ITシステム内のデータベース部分の設計・構築・運用に携わる職種という、限定的な位置付けで扱わることが多いです。

どちらの職種も言葉の定義が明確化されていないため、曖昧な部分もありますが、一般的には「システム全体を見渡し多角的に携わっていくのがシステムエンジニア」、「データベース部分に特化し、データベースのスペシャリストとして携わっていくのがデータベースエンジニア」とイメージしておくとわかりやすいでしょう。

システムエンジニアの仕事

データベースエンジニアとデータエンジニアの違い

データベースエンジニアと似た名前の職業として、「データエンジニア」があります。

データエンジニアは、今後が注目されている「ビックデータ分野」の職種となり、いうなれば「データの準備」を担当する職業です。

分析対象とするビックデータを各方面から収集したり、収集したデータを整理・管理することがデータエンジニアの主な仕事となるケースが多いです。

ただし、単にデータを準備するだけでなく、データエンジニアもデータベースエンジニアと同じように、データベースの構築や運用などを担当することもあります。

また、こちらも言葉の定義が明確化されているわけではないため、会社によっては、データエンジニアとデータベースエンジニアを同列に考えていることもあります。

なお、データエンジニアが準備したビックデータを分析し、ビジネス上の課題解決をしてく「データサイエンティスト」と呼ばれる職種もまた別に存在します。

データサイエンティストの仕事

データベースエンジニアとデータ入力スタッフの違い

事務系の仕事として、「データ入力スタッフ」という職種があります。

データ入力スタッフは、部署の顧客情報や給料情報などをPCに入力し、データを纏めていく仕事です。

データ入力スタッフが企業のデータベースを触るケースも稀にありますが、あくまで「入力」作業がメインとなります。

一方、データベースエンジニアは、データベースという環境そのものを作り、管理する職業です。

データベースの設計・編集・メンテナンスなどの深い部分は、その分野の専門知識を持つデータベースエンジニアが担当することになります。