テレビ番組制作に関わる仕事・職種(16選)
テレビをつけると、朝から晩までさまざまなジャンルの番組が放送されています。
子どもから大人まで楽しめる娯楽のひとつとして、私たちの生活を彩ってくれるのがテレビ番組です。
災害や事故の際には、人の命を守る情報を発信するという重要な役目も果たしています。
そんなテレビの番組を制作する現場では、たくさんの職種の人たちが働いています。
テレビに出演する仕事
テレビ番組に携わる仕事はたくさんありますが、多くの人が最もイメージしやすいのがテレビに出演する仕事ではないでしょうか。
まずは「アナウンサー」です。
ニュースを読んだり番組の司会を務めたりすることで、まさに番組の顔あるいはテレビ局の顔として活躍します。
ニュース番組の進行役となる「ニュースキャスター」の場合は、自分の意見や感想などをコメントする機会もあります。
VTRのナレーションを担当する「ナレーター」や現場での取材をメインに行う「リポーター」という仕事もあります。
また、バラエティ番組や生活情報番組では、「芸能人・タレント」がコメンテーターやゲストとして出演する機会も。
どの仕事も、番組のイメージや印象を左右する重大な役割を果たしています。
アナウンサー
アナウンサーとは、世の中にあふれるさまざまな情報を人々にわかりやすく伝える仕事です。
ニュース番組や天気、スポーツの実況中継などを手掛け、適切な言葉を用いながらテレビを通して正しい情報を伝えていきます。
決められた原稿を読むだけではなく、初めてその情報を耳にする人が理解しやすいよう、抑揚をつけたりテンポを工夫したりしながら発声する必要があります。
場合によってはテレビ番組やイベントの司会者やレポーターなどを務めることもあります。
主にテレビ局などの放送局に所属して働きますが、経験を積みフリーランスとして活動している人もいます。
ニュースキャスター
ニュースキャスターは、報道番組の進行役を務める人のことをいいます。
その日のニュースを読むのはもちろんのこと、ゲストとしてスタジオに招いた専門家から意見を聞き出したり、ときには自分の意見を述べたりします。
この仕事に就く人の大半は、放送局でアナウンサーや報道記者をしている局員であるため、なるには放送局に就職するのが近道といえます。
勤務先や雇用形態によって収入には幅があり、いわゆるキー局と呼ばれる大手放送局の場合、年収1000万円を超えることも珍しくありません。
実績や知名度があれば、フリーランスで活動することもできます。
しかし、人気商売であり視聴率や視聴者からの反響によって降板になる可能性もつきまとうため、気苦労もあるようです。
ナレーター
ナレーターとは、テレビ番組やDVDコンテンツ、ラジオ局などで映像に合わせてナレーション(解説・語り)をする仕事です。
テレビ番組ひとつとっても、ドラマ、ドキュメンタリー、バラエティ、ニュースなど、さまざまな番組でナレーションが必要とされています。
事前に渡された台本を読みながら声を入れていきますが、生放送の場合は修正が効かない一発勝負になるため、とくに入念な準備と打ち合わせが必要とされます。
その番組の雰囲気に合うような声のトーンや間の取り方を考えながら、音声による演出を手掛けていきます。
リポーター
リポーターは、自分が取材した情報を視聴者にわかりやすく伝える仕事です。
芸能人の記者会見、スポーツの試合、事件や事故現場、流行のグルメやファッションなど、リポーターが追う情報はさまざまです。
個人の人脈や実績がものをいう仕事ともいえるでしょう。
フリーランスで活動する場合は仕事量によって収入が大きく左右されている人もいるようです。
芸能人・タレント
芸能人やタレントは、テレビや映画、雑誌などメディアに出ることを仕事としています。
その活躍の場はメディアに留まらず、舞台、イベント、歌手活動など幅広い展開をする人が増えてきています。
華やかな見た目に反して、スケジュールは流動的で拘束時間も長く、苦労が多い仕事です。
また、売れるのはほんの一握りの人間だけという厳しい世界でもあります。
しかし、演じることや人前に出ること、人を笑わせることなどが好きな人にとっては夢のような仕事であることは間違いないでしょう。
テレビ番組を企画する仕事
テレビの番組制作の裏側には、ニュースやドラマなど、さまざまな番組内容を企画する仕事をしている人もいます。
その代表的な職種ともいえるのが、「テレビディレクター」でしょう。
テレビ番組の制作現場における監督役といえる立場であり、スタッフへの指示出しや演技指導を行っています。
ディレクターはテレビ局や番組制作会社で働いていますが、入社後すぐにディレクターになれるわけではありません。
まずは「テレビAD(アシスタントディレクター)」として現場で経験を積むことになります。
ディレクターが企画そのものを担当し、ADは事前取材や資料のリサーチ、ロケハンなどの下調べを担当しています。
テレビディレクターやAD以外に、「テレビプロデューサー」という仕事もあります。
プロデューサーは全体の指揮をするという使命があり、予算の管理やキャスティング、スタッフの勤務管理なども担っています。
この他に、放送用の台本を書く「放送作家」や番組のリサーチを専門に行う「リサーチャー」という仕事もあります。
どの職種にも共通しているのはクリエイティブな仕事であるということです。
企画力や発想力がある人が活躍できる現場でしょう。
テレビディレクター
テレビディレクターは、番組の制作現場においての責任者です。
番組作りのはじめから終わりまでの全てを指揮して、自分のイメージ通りに番組を作りあげていきます。
スタッフに細かく指示を出しながら番組作りを進め、ドラマの場合には俳優への演技指導もディレクターが中心となって行います。
報道、ドラマ、スポーツ、とジャンルが分かれており、それぞれのディレクターに得意な分野があります。
テレビ局の制作部門に入ると、まずはADからスタートすることがほとんどです。
そこで数年間、下積みとして番組制作の基礎を学んだのち、ディレクターに昇格するのが一般的なルートとなります。
テレビAD
ADは、テレビ番組の制作現場における、テレビディレクターのアシスタント役です。
テレビ業界では、番組の企画・制作に携わる場合、基本的にまずテレビADからキャリアをスタートします。
テレビディレクターが番組を演出する現場監督とするならば、テレビADはディレクターの補佐役として、彼らの手足となって動く役回りを担います。
番組内容の企画そのものを任せてもらえるわけではありませんが、事前取材や資料のリサーチ、ロケハンなどに関わることができます。
ハードな勤務となることもありますが、たくさんの若手ADがディレクターになることを夢見て努力しています。
テレビプロデューサー
テレビプロデューサーは、テレビ番組の最後に流れるクレジットでは「制作統括」とも書かれることがあります。
その名の通り、番組制作の責任者としてスタッフを管理する立場であり、あらゆる決定権を持っています。
企画会議、お金の管理、出演者のキャスティングなど仕事内容はさまざまです。
番組内で不適切な表現がないかどうか、コンプライアンスに違反していないかどうか、厳しい目でチェックすることも大切な役目です。
制作現場でのリーダー的役割はディレクターが担いますが、プロデューサーは一歩離れたところから全体を常にチェックし、番組を作り上げていきます。
放送作家
放送作家の仕事は、テレビやラジオの番組の構成や台本を考えることです。
担当する番組は、バラエティ、音楽番組、ドキュメンタリーなどさまざまで、ドラマや報道以外のすべてのジャンルになります。
プロデューサーやディレクターなどと番組の企画案を考え、アイデア出しをし、会議で決まったことを企画書にまとめていきます。
放送作家になるために、学歴や資格は必要なく、決まったルートもありません。
現在活躍している放送作家の経歴もさまざまですが、この業界ではコネクションが大事になるため、放送作家の養成スクールで学びながら人脈をつくるのも有効です。
個人の能力や感性などが重視され、売れる・売れないがハッキリとわかる厳しい世界ですが、インターネットでの番組配信などにより、放送作家の需要は高まっています。
リサーチャー
リサーチャーは、テレビ番組の制作や企画のための下調べをする仕事です。
リサーチャーがリサーチを行うのは、主に番組制作のための「情報=ネタ」です。
かつては図書館で新聞記事や雑誌を探したり外に出て聞き込みをしたりと、足を使って情報を集める手段がメインでした。
しかし、近年ではインターネット上でリサーチを行ったり電話取材をしたりするのが一般的です。
また、制作番組によっては、医者や学者などの専門家に取材をしたり、その分野の第一人者を探したりすることもあります。
インターネットの普及などによるメディアの増加や、映像作品のコンプライアンスが厳しくなっていることから、リサーチャーの需要も増しています。
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テレビ番組を技術職として支える仕事
テレビ番組の制作現場には、さまざまな技術で収録を支えているスタッフがいます。
放送用の大型のカメラを駆使して美しい映像を撮影するのが「テレビカメラマン」です。
ニュース現場にいち早く駆けつけることもありますし、スポーツの試合を生放送することもあります。
収録現場では、カメラアシスタントや音声スタッフがサポートにつくことが多くあります。
スタジオでの撮影の場合は、「美術スタッフ」や「照明スタッフ」の高い技術が欠かせません。
美術スタッフは、スタジオのセットや小道具を考え、番組のコンセプトが伝わるように背景を整えます。
さらに、照明スタッフが番組の内容や出演者の雰囲気に合わせたライティングを行い、映像としての完成度を上げていきます。
このような技術職のスタッフはアナウンサーのような目立つ存在ではありませんが、決して欠かすことのできない人材です。
制作現場の裏側にたくさんの人たちの高い技術力と情熱があるからこそ、面白い番組を作ることができるのです。
テレビカメラマン
テレビカメラマンは、テレビで放送するさまざまな番組の撮影をする仕事です。
撮影する番組の内容はテレビドラマやドキュメンタリー番組もあれば、生放送や実況中継、事故現場などに出向くようなものもあります。
学歴や資格が求められる仕事ではないものの、カメラの扱い方や撮影技法の習得は必須です。
スマートフォンやハンディカメラの高画質化が進み、一般人でも手軽に撮影ができる今だからこそ、プロならではの優れた映像センスや高いテクニックが求められます。
機材を運搬するカメラアシスタントや音声の収録を行う音声スタッフがサポートにつくことがあります。
美術スタッフ
美術スタッフは、テレビ・映画の撮影で使用する舞台装置や小道具を作る仕事です。
建物や街並みのような大掛かりなセットもあれば、作品中で使用する小物類を調達することもあります。
技術やセンスが問われるため、デザイン系の専門学校や美術大学でデッサンや造形について学んでから美術制作会社などに就職する人が大半を占めています。
一般的には、アシスタントから現場経験を積んで一人前を目指す流れとなっており、キャリアアップするほど年収も上がる傾向にあります。
近年の制作現場ではCG技術を使った美術が用いられる場面も増えているため、美術スタッフは新しい技術を学びながらスキルを身につけていくことが重要です。
照明スタッフ
照明スタッフは、照明を用いた演出を手がける技術職です。
活動の場はさまざまで、舞台やイベントやコンサートの照明を手がける人もいれば、テレビ専門で働いている照明スタッフもいます。
プロデューサーやディレクターなどと話し合い、照明機材や内容を考え、場のコンセプトや雰囲気、出演者の魅力を引き出すためのライティングを行います。
テレビ番組の照明に携わりたいのであれば、番組制作会社やテレビ局などに就職するのが王道のルートです。
番組制作の舞台裏を支える仕事
テレビ番組の制作に関わりたいけれど、企画や出演ではなく裏方としてサポートしたい。
そんな人は、「テレビ局社員」や「番組制作会社社員」になるという道があります。
テレビ局や番組制作会社にはさまざまな仕事があります。
社員になれば、広報や編成、人事、経理などの事務仕事を通してテレビの制作現場を支えることもできるでしょう。
また、「ステノキャプショナー」という放送用の字幕を打ち込む仕事もあります。
このような裏方のスタッフの仕事があるからこそ、毎日テレビ番組が放送できているのです。
テレビ局社員
テレビ局社員とは、テレビ番組の企画・制作を行うテレビ局に勤務する社員のことを意味します。
テレビ局では、番組制作に携わる「ディレクター」や「プロデューサー」のほか、「アナウンサー」「記者」「カメラマン」「営業」「編成」など、多種多様な職種の社員が活躍しています。
一般的な企業と同じように、「経理」や「広報」など管理系の仕事に就く社員もおり、多くの人たちが放送の裏側を支えています。
番組制作会社社員
放送局のテレビ番組やラジオ番組を制作するのが、番組制作会社の社員の仕事です。
ドラマやスポーツの生中継や音楽番組、バラエティ番組やドキュメンタリー番組など、特定のジャンルに限らず、さまざまな番組を請け負っています。
仕事の内容もさまざまで、編集を担当するスタッフやCGの制作を担当するスタッフもいます。
番組制作会社では専門性の高い人材を重宝する傾向があり、職種ごとの採用や育成を行うのが一般的です。
番組制作会社社員の仕事紹介ページ
ステノキャプショナー
ステノキャプショナーは、テレビ番組などで流れる字幕打ち込みを行う専門職です。
字幕入力専用のキーボードを用い、放送中の番組を視聴しながら、出演者の発言やナレーションをリアルタイムで字幕化するといった作業を迅速かつ正確に行うプロフェッショナルとして活躍します。
まだ認知度があまり高い職業ではありませんが、社会の変化のなかで確実に需要が高まってきている職業です。
この記事のまとめ
「テレビ番組の制作に携わりたい」という思いがある人は、自分がどんな仕事をしたいのか具体的に考えることが大切です。
アナウンサーやタレントとしてテレビに出演したいのか。
ディレクターや放送作家として番組を企画したいのか。
カメラマンや照明スタッフとして技術で舞台裏を支えたいのか。
それによって、進学先や就職先は大きく異なってきます。
テレビ局の制作現場はどの職種でも仕事がハードになる傾向がありますが、クリエイティブな魅力があることは間違いありません。
アイデアとセンスで勝負したい人にとって、大きなやりがいを感じられる仕事となるでしょう。
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