リハビリに関わる仕事の種類(15選) どんな資格が必要?
そんな悩みを抱え苦しんでいる人は、世界中にたくさんいます。
彼らの身体的な機能の回復を目的としたサポートを行うのが、リハビリに関わる職業の人たちです。
対象となる患者の年齢は、あかちゃんから高齢者までさまざま。
また、「立つ」「歩く」といった運動機能のリハビリだけではなく、言語や心のリハビリもあります。
大変な仕事ではありますが、患者さんと一緒に目標に向かって歩むことができるのが魅力です。
この世の中になくてはならない専門職であることは間違いありません。
身体のリハビリに携わる専門職(国家資格)
リハビリというとまず思い浮かべるのは、病院や介護施設で見かける身体的なリハビリを行う専門職の姿ではないでしょうか。
前者は、身体が不自由な人にリハビリを行い、「歩く」「座る」などの基本的な身体機能の回復を図ります。
後者も身体が不自由な人にリハビリを行いますが、「着替え」「トイレ」「家事」など日常生活を送るうえで必要な能力のリハビリを目的としています。
また、東洋医学に基づく治療家の一種で、はりやきゅうを使う人のこと、「鍼灸師」と呼びます。
身体をなでたり押したり揉んだりすることによって、血行の流れをよくし、こりや痛みを和らげる「あん摩マッサージ指圧師」もいます。
こうした資格を取得したうえで介護施設や病院で「機能訓練指導員」として働く人もいます。
この他に、リハビリに携わる国家資格として重要な役割を果たすのは、「医師」や「看護師」でしょう。
病気やケガ、生まれつきの障害がある患者さんに対して、適切な治療やリハビリが受けられるようにサポートをします。
大きな病院では、医師や看護師、理学療法士や作業療法士がチームとなってリハビリの計画を考えることもあります。
いずれの職業も、非常に専門性が高く、人々の命や健康を守るために重要な仕事であることは間違いありません。
こうした理由から、ここで挙げた仕事は全て国家資格が必要な職業となっています。
理学療法士(PT)とは、身体機能が低下している人に対して物理療法や運動療法などによるリハビリテーションを実施する専門職です。 リハビリの内容は患者によってさまさまですが、「歩く・座る・食べる」などの機能改善を図ります。 病院などの医療機関や介護・福祉関連施設に勤務し、医師や看護師などと連携しながら、最適な治療を提供していきます。 理学療法士になるには、理学療法士養成課程がある大学や短大、専門学校で3年以上学び、国家試験に合格する必要があります。 作業療法士(OT:occupational therapist)は、病気によって身体に障害を抱える人や、事故などで身体が不自由になった人に対してリハビリテーションを行います。 食事やトイレ、着替え、料理といった、日常生活に必要な「応用動作」を高める訓練や指導をする専門職です。 ときには手芸や工芸、楽器演奏などの作業も積極的に取り入れて、より高次機能の回復を図ります。 作業療法士になるには、作業療法士の養成課程がある学校(大学・短大・専門学校)で3年以上学び、国家試験に合格することが必要です。 鍼灸師とは、東洋医学に基づく治療家の一種で、「はり師」と「きゅう師」の国家資格を持つ人のことを意味します。 「はり師」「きゅう師」の施術は、人が本来持つ自然治癒力の活性化を目的としたものです。 「はり」治療では、肩こりや腰痛、神経痛などの諸症状を抱える患者さんに対して、症状に合わせた適切な場所の「ツボ(経穴)」に金属の針を刺して、刺激を与えます。 一方「きゅう」治療では、もぐさを燃焼させることによって、ツボに熱を与えます。 鍼灸師になるためには、はり師・きゅう師の養成所で3年以上学んだうえで、それぞれの国家試験を受験します。 あん摩マッサージ指圧師は、身体をなでたり押したり揉んだりすることによって、血行の流れをよくし、こりや痛みを和らげる仕事です。 東洋医学に基づく施術であり、基本的には器具は用いず、自然治癒力や免疫力を高めることを目的として治療を行います。 「整体師」や「マッサージ師」とは異なり、「あん摩マッサージ指圧師」は国家資格です。 あん摩マッサージ指圧師の養成課程がある学校で3年以上(盲学校の場合は3年から6年)学び、国家試験に合格することが必要です。 機能訓練指導員とは、介護施設や病院で機能訓練指導を専門的に行うスタッフのことです。 機能訓練とは、身体的機能の改善や現状の能力の維持、減退の防止を目的としている訓練で、ケガ・病気・加齢などで支援が必要になった人に対して行うものです。 一人ひとり身体の状態に合わせた訓練やリハビリを行い、健康で自立した生活を送れるようにサポートしていきます。 「機能訓練指導員」という国家資格はなく、以下の国家資格からいずれかを取得することで、機能訓練指導員の仕事をすることができます。 ・看護師または准看護師 医師の仕事は、医学の専門知識をもって病気やケガの診療・治療を行ったり、基礎医学の研究を通して医学の発展に貢献することです。 内科、外科、整形外科、小児科、耳鼻科、眼科、産婦人科。 病院にはさまざまな診療科があり、医師は専門性を生かして患者さんの治療にあたっています。 リハビリに携わることが多いのは、整形外科や外科でしょう。 最近ではリハビリテーション専門の病院も増えており、リハビリ専門の医師として活躍する人もいます。 医師になるためには、医学部で6年間学び医師国家試験に合格することが必要です。 看護師の仕事は、医師が患者の診察や治療を行う際の補助や、病気やケガを抱える患者のケアです。 血圧や体温の測定、注射や点滴、治療の補助など業務内容は多岐にわたります。 医師が診察して治療方針を決定し、看護師が採血や患部の手当などのケアを行い、理学療法士や作業療法士がリハビリを行うという流れで治療をすることも珍しくありません。 医師と同様に、看護師も国家資格を取得した人しか働くことはできません。理学療法士
作業療法士
鍼灸師
あん摩マッサージ指圧師
機能訓練指導員
・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・柔道整復士
・あん摩マッサージ指圧師
・鍼灸師
医師
看護師
身体のリハビリに携わる仕事(民間資格)
リハビリの仕事は国家資格が必要というイメージがあるかもしれませんが、民間資格を取得してリハビリに携わる仕事もたくさんあります。
たとえば、身体のケアをする仕事である「整体師」や「カイロプラクター」は民間資格です。
病気やケガによって引き起こされる腰痛などの痛みを改善させたいという思いから、多くの患者さんが施術を受けています。
また、身体のリハビリに携わる仕事として、スポーツ選手のコンディションを支えるトレーナーがいます。
身体のコンディションを整える手助けをする「スポーツトレーナー」や「アスレティックトレーナー」です。
普段のトレーニング方法を指導するのはもちろんのこと、ケガから復帰した選手のトレーニングメニューを考えたりリハビリをサポートしたりすることもあります。
どちらの仕事も国家資格や免許は必要ありません。
民間資格の場合も、他人の身体のケアやリハビリに携わるという点での責任の大きさは国家資格と変わりありません。
それぞれの団体や協会に所属して講座を受けたり、有資格者のコミュニティで勉強会を開いたりしながら、技術や知識を磨くことが多いようです。
整体師とは、肩こりや腰痛などを筋肉の矯正・緩和をさせる技術を用い、症状の回復を促す仕事です。 整体師の施術は、東洋医学を基礎としている手法療法で、自分の手を使って直接施術をします。 整体師になるには、整体師専門養成学校などに通ったのちに、整体院に就職するのが一般的です。 カイロプラクターは、1895年にアメリカで発祥した「カイロプラクティック」という、代替医療の手技療法を施術する人のことをいいます。 医師のように医学的な治療をするのではなく、自然治癒力を高めることを目的にした施術を行い、日本では厚生労働省医政局によって「医業類似行為」に分類されています。 法的な資格制度はなく、国家資格ではありません。 特定の講座を受けて民間資格を取得し、カイロプラクティック専門のサロンや施術院、整骨院などで働く人が大半を占めています。 スポーツトレーナーとは、スポーツ選手が最高のコンディションで試合や大会に臨めるように、身体面を中心としたトレーニング指導やサポートを行う人のことです。 仕事内容は、運動能力やパフォーマンス力を高めるためのトレーニング指導を行うことや、外傷の予防とリハビリを行うことです。 サッカーや野球のような著名なスポーツだけではなく、あらゆるスポーツで需要があります。 選手の活躍を裏方の一人として支える専門職として人気が高まっている一方、トレーナーとして求められるレベルも上がっており、確かな知識と技術の習得が不可欠です。 アスレティックトレーナーの仕事は、スポーツ選手がケガや故障をすることなくパフォーマンスできるよう、身体面から支えていくことです。 具体的な仕事内容は、健康管理やスポーツ障害・外傷の予防、応急処置、リハビリテーション、体力トレーニング、コンディショニングなど多岐にわたります。 この仕事に就くには、民間団体が認定するアスレティックトレーナー資格を取得するのが一般的です。 スポーツトレーナーと同様に、さまざまなスポーツの現場で需要が高まっています。整体師
カイロプラクター
スポーツトレーナー
アスレティックトレーナー
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言語や心のリハビリに携わる仕事
「歩く」「食べる」などの動作のリハビリ以外にも、言語や心のリハビリを行う仕事もあります。
言葉のリハビリのスペシャリストとして活躍するのは「言語聴覚士」です。
話すことや聞くことが不自由な人に対し、それらの能力を回復させるためのリハビリを行います。
また、音楽が持つ力を利用して心のリハビリを行うのが「音楽療法士」です。
心理的治療を実践し、音楽を通して自閉症や精神障害など心の問題にアプローチしていきます。
言語聴覚士は国家資格ですが、音楽療法士は公的な資格がありません。
しかしどちらの仕事も、人間が生きていくために必要なコミュニケーションの能力を回復させるという目的があります。
コミュニケーションの問題を抱える人にとって、頼れる存在となるでしょう。
言語聴覚士は、生まれつきの障害や病気などによって話すことや聴くことに不自由がある人に対して、「言語能力」や「聴覚能力」を回復させるリハビリテーションを行う職業です。 言語だけでなく、「食べること」や「飲み込むこと」ができないという問題についても扱います。 言語聴覚士になるためには、言語聴覚士の養成課程がある大学や短大、専門学校で3年以上学ぶか、一般の大学を卒業後、指定の養成所で2年以上学んだのちに、国家試験に合格することが必要です。 音楽療法士とは、音楽が持つ力を利用して、心身に障害を持っている人のリハビリテーションをする仕事です。 クラシック音楽などを聴かせることによって効果をもたらす「受動的音楽療法」と、リハビリテーションを受ける人と音楽療法士が一緒に歌を歌ったり、演奏したりする「能動的音楽療法」があります。 公的な資格はありませんが、民間の音楽療法士の資格があり、受験資格を得るためには、医療や福祉の分野での臨床経験が必要です。 アメリカでは健常者のカウンセリングにも用いられることもあるなど、海外では音楽療法の重要性が認められつつあります。言語聴覚士
音楽療法士
リハビリを助ける用具に携わる仕事
リハビリに携わる仕事というのは、患者さんに直接リハビリを行う仕事だけではありません。
リハビリの舞台裏で、リハビリに使う用具のスペシャリストとして活躍する仕事もあります。
代表的なのは、体幹機能に不自由を抱える人に向けて、人口の手足となる義肢・装具を作成する職人である「義肢装具士」です。
義肢や義手などを作る際には、採寸から製作、リハビリの際のアドバイスまで行い、幅広く患者さんをサポートします。
介護を必要とする高齢者や障害を抱える人などに対し、福祉用具の選び方や使い方のアドバイスをする「福祉用具専門相談員」もいます。
個人の身体の状態やリハビリの内容をよく理解したうえで、最適な福祉用具を選ぶことが大切です。
どちらの仕事も、リハビリの現場を陰から支える重要な仕事です。
義肢装具士とは、ケガや病気などで手足を失ってしまったり、体幹の機能に問題が生じている人に対して、患者さんの身体に適合する義肢や装具を作成する仕事です。 義肢とは、人工の手足のことであり、装具とはギブスやコルセットなどのことです。 義肢装具士は単に器具を作るだけではなく、採寸からリハビリのサポートまで行います。 義肢装具士になるためには、義肢装具士養成所で学ぶなどして、国家試験の受験資格を得た後、試験に合格する必要があります。 福祉用具専門相談員は、介護保険法に定められた福祉用具のスペシャリストです。 介護を必要とする高齢者や障害を抱える人、あるいは介護を行う家族などに対し、福祉用具の選び方や使い方のアドバイスをします。 都道府県知事の指定を受けた研修事業者が実施する「福祉用具専門相談員指定講習」を受講・修了して福祉用具の事業所などに就職するのが一般的なルートです。義肢装具士
福祉用具専門相談員
この記事のまとめ
リハビリに関わる仕事は、介護施設や医療機関で働くことが多いという特徴があります。
今後の日本が超高齢化社会を迎えることから、こうした職業の需要は今後も伸びると考えてよいでしょう。
国家資格だけではなく民間資格でもリハビリに関わることはできるので、リハビリに携わりたいのであればさまざまな選択肢があります。
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