芸術・美術・アートに関する仕事の種類(14選)

音楽や絵画、陶芸や彫刻。

この世の中には、見る人の心を豊かにしてくれる芸術や美術がたくさんあります。

そんな素晴らしい世界を生み出しているのが、芸術家や美術家と呼ばれる人たちです。

プロとしてやっていくためには、センスとテクニックを磨くための惜しみない努力が必要とされます。

しかしそのぶん、思い通りの作品やパフォーマンスができたときの感動は大きく、好きなことを仕事にする喜びを感じられる職業です。

ここでは、そんなクリエイティブな芸術や美術に携わる人たちの仕事を紹介します。





作曲や演奏を通して音楽に携わる仕事

芸術や美術に関する仕事はさまざまですが、まずは作曲や演奏を通して音楽に携わる仕事から見てみましょう。

オーケストラやポップスなど、ジャンルを問わず新しい音楽を作り出すのは「作曲家」です。

それぞれが得意なジャンルの音楽を持っており、自分自身が何らかの楽器を演奏できる人も多いといわれています。

作曲家が作った曲を演奏するのが、「ピアニスト」や「音楽家」「声楽家」「指揮者」と呼ばれる人たちです。

ピアニストはピアノを、音楽家は管楽器や弦楽器などのさまざまな楽器を、声楽家は歌を、指揮者は指揮を専門に活動しています。

どの仕事も、音楽的なセンスと卓越したテクニックがなければプロとして活動していけません。

子どもの頃からレッスンに通っている人も多く、高校の音楽科や音楽大学の出身者も珍しくない世界です。

作曲家

作曲家は、音楽を作曲し、曲をアーティストやクライアントに提供するのが仕事です。

クラシックやジャズ、ポップスなどさまざまなジャンルの音楽を作曲します。

歌だけではなく、CMの作曲やゲーム・携帯電話などのBGMを作曲する作曲家もいます。

最近では、ネット上で自作の楽曲を発表して注目を集める人も増えてきています。
作曲家の仕事紹介ページ

ピアニスト

ピアニストとは、ピアノ演奏によって聴衆を楽しませ、生計を立てる音楽家の一種です。

演奏する場は、音楽ホールをはじめ、バーやホテルのラウンジ、各種イベント会場などさまざまです。

クラシック音楽のほか、ジャズやポップスなどのジャンルを得意とするピアニストもいます。

ピアノ講師など別の職をもちながら、ピアニストとして演奏活動を続ける人も少なくありません。
ピアニストの仕事紹介ページ

音楽家

音楽家とは、主にクラシックの分野において音楽を生業とする人のことをいいます。

ソリスト(独奏者)として活動する人もいれば、オーケストラに属して他の音楽家と演奏する人もいますし、音楽大学や個人レッスンで後進の指導に当たる人もいます。

成功できるのは一握りの人間だけですが、一流になれば世界を股にかけて活躍することができるでしょう。
音楽家の仕事紹介ページ

声楽家

声楽家とは、クラシックの歌曲やオペラを歌い、オペラやコンサートの舞台で披露する音楽家のことをいいます。

楽器を使用した音楽(器楽)とは異なり、「人の声」を中心とした音楽を奏でていくのが声楽家です。

音楽大学で声楽を学んだのち、オペラ団体や歌劇団、合唱団に所属しながら声楽家としての技量を高めていく人が多いようです。

コンクールで入賞をすれば、世に認められてソロの声楽家として各コンサートに出演できる機会も得られます。
声楽家の仕事紹介ページ

指揮者

指揮者とは、オーケストラなどの演奏を取りまとめる重要な役割を持った音楽家のことです。

指揮をするために、演奏する楽曲の楽譜はもちろん、各楽器の楽譜なども完全に暗記します。

どんな演奏にするかについても、演奏者と指揮者とのイメージをすり合わせていく必要があるので、音を聞き取る能力、的確な指示を出す能力も必要となってきます。

指揮者になるためには、音楽系の大学、特に指揮科のある大学に入学するのが一般的です。
指揮者の仕事紹介ページ

絵画や彫刻などの美術に携わる仕事

芸術家のなかには、音楽だけではなく、絵画や彫刻などの美術に携わる仕事をしている人もたくさんいます。

まずは、絵を描いて販売することを生業にしている「画家」です。

画家という職業の歴史は古く、過去から現在にかけて世界中でさまざまな名作が生み出されてきました。

画家のなかでも、木や銅、石、アルミ板などに細工をし、絵具やインクの転写や透写を行う版画を制作する人を「版画家」と呼びます。

同じ美術系の仕事のなかで、土とろくろを使って食器や壺などの焼き物を成形し、窯で焼き上げて作品を作るのは「陶芸家」です。

粘土類、石材、木材、金属などあらゆる素材を彫り刻み、立体的な造形芸術を表現するのは「彫刻家」です。

さらに、書道の道を究め、書道の作品を世の中に発表したり、書道教室の師範として活動する「書道家」もいます。

古来より伝わる特殊な技法を用い、寺院や仏壇に置かれる仏像を制作する「仏師」も、日本の伝統的な美術を支えてきた存在といえるでしょう。

どの仕事も、美術的なセンスやアイデア、豊かな創造力と表現力がなければ続けていけない仕事です。

芸術の道は大変厳しいもので、この仕事だけで生計を立てていける人は決して多くはありません。

それぞれの得意な分野を見つけ、専門性を極めながら自分だけの美術を追求していくことが大切です。

画家

画家とは、絵を描き作品を販売することを職業とする人のことです。

画家になるためには特別な資格や学歴はいらず、絵を描く技術と独創性あるセンスがあれば誰にでもなることができます。

日本にも多くの画家はいますが、安定した収入や知名度を得ている画家は非常に少なく、有名な画家になるまでには大変な労力と根気が必要となります。

画家の中にはアルバイトをしながら画家を続けている人も多くいます。
画家の仕事紹介ページ

版画家

版画家は、木や銅、石、アルミ板などの版材に彫刻などの細工をして製版し、絵具やインクの転写や透写によって複数の絵画を制作する「版画」を制作する人のことをいいます。

専門的な技法を身につける必要があるため、美術系の大学や短大、専門学校で学び、卒業後に版画家として活動を始める人が大半です。

若手であればまずは画廊で作品を展示できるようにし、展覧会が行われるデパートへ自ら企画書を持ち込むなどの営業をすることで活躍の場は広がるでしょう。
版画家の仕事紹介ページ

陶芸家

陶芸家の仕事は、食器や花瓶、壺やオブジェなどの焼き物を作り出すことです。

焼きものにはさまざまな種類があり、土の種類や焼き方、焼く温度、釉薬を塗るか塗らないかなどを考えます。

また造形にも手びねり、型を使う方法、電動や手動のろくろを使う方法などがあり、陶芸家はこれらを駆使して自分の作風を見出し、作品を作り上げていきます。

最近はネットショップなどで販売する陶芸家も増えてきており、アイデア次第で活躍のチャンスが広がっています。
陶芸家の仕事紹介ページ

彫刻家

彫刻家は、粘土類、石材、木材、金属などあらゆる素材を彫り刻み、立体的な造形芸術を表現する仕事です。

「空間造形作家」や「立体アーティスト」と呼ばれることもあります。

多くの彫刻家は、芸術系、美術系の大学で彫刻を学んだうえで、作家として活動をスタートしています。

実力とセンスが認められ、自治体や企業からのモニュメントやシンボルなど大口の仕事を依頼されるようになれば、安定した収入を得ることができるでしょう。
彫刻家の仕事紹介ページ

書道家

書道家は、 書道の道を極め、書道の作品を提供する、あるいは書道を教える人 のことをいいます。

書道教室で書道を教える場合は、流派に所属して師範と認められる必要があり、学校など教育現場で書道を教える場合は、学校の教員免許を取得しなくてはなりません。

一方、芸術家としての書道家を目指す場合は、師事したい流派に所属し、先生の教えを受け継いで技術を高めていきます。

近年は、ネットで注文を受けて筆を使ってロゴや看板をデザインしたり、音楽家や画家などとコラボレーションしたりして、書道の可能性を切り開く書道家も増えてきています。
書道家の仕事紹介ページ

仏師

仏師は、寺院や仏壇に置かれる仏像を制作する人のことをいいます。

仏像には彫刻による木彫仏や石仏、鋳造(ちゅうぞう)による金銅仏(こんどうぶつ)、和紙や粘土の塑造(そぞう)、乾漆造(かんしつぞう)などの技法があります。

この仕事に就くためには仏師のもとに弟子入りし、10年ほどかけて修業をするのが一般的とされています。

仏師養成の専門学校や美術系大学の彫刻専攻課程で学んでから修業することもできます。
仏師の仕事紹介ページ

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芸術や美術の魅力を伝える仕事

芸術や美術に関わる仕事のなかには、芸術家や美術家の魅力を伝える仕事もあります。

たとえば、「画商(ギャラリスト)」という職業を耳にしたことがあるでしょうか。

画廊やギャラリーなどのショールームで働き、絵画を仕入れ販売するバイヤーのことです。

絵を売りたい画家と絵を買いたいお客さんを仲介する役割を果たしている存在です。

芸術や美術に関わる仕事としては、博物館や美術館で働く「学芸員」も重要な役割を果たします。

学芸員は資料収集、管理や企画、広報活動まで幅広く担当しており、優れた美術展の企画をする学芸員もたくさんいます。

もうひとり、芸術や美術の魅力を伝える仕事として欠かせないのは「教師」ではないでしょうか。

芸術家や美術家のなかには、「吹奏楽部で活動するうちに音大を目指すようになった」「美術の授業で面白さに気付いた」という人が少なくありません。

若い世代に芸術の道を志すきっかけを与えるという意味では、教師が大きな役割を果たしていることは間違いないでしょう。

画商や学芸員や教師は、自分自身が芸術を生み出すわけではありません。

しかし、芸術を愛する気持ちを大事にして働くことができる魅力的な仕事なのです。

画商(ギャラリスト)

画商は、絵画の売り買いを専門とするバイヤーで、画家から作品を仕入れ展示し、販売する仕事です。

画商は画廊やギャラリーとよばれる絵画のショールームで働き、自身が集めた作品を展示して販売することで収入を得ています。

絵画を仕入れる方法は、コレクターから買い付けたり、オークションで競り落としたりする場合などさまざまです。

自分自身で画廊やギャラリーを持っている人は「ギャラリスト」ともよばれます。
画商(ギャラリスト)の仕事紹介ページ

学芸員

学芸員とは、博物館、美術館、動物園などにおいて、資料の収集、保管、展示などを担当する専門の職員のことです。

欧米では「キュレーター」と呼ばれる専門職ですが、日本の学芸員は数が少ないため、多岐にわたる業務を担当します。

具体的な業務内容は、資料の収集および整理・保管・修理、展示の企画、研究・分析、教育普及活動などです。

大学で博物館に関する科目の単位を修得するなどして「学芸員」の資格を修得する必要があります。
学芸員の仕事紹介ページ

教師

教師とは、公立や私立の学校(小学校、中学校、高校、特別支援学校など)で授業を行う仕事です。

国語や数学、英語といった各教科を教えるだけでなく、集団生活や道徳面、部活動、進路などの指導にも携わります。

美大の出身者が美術部の顧問をしたり、音大の出身者が音楽の授業を教えたりすることも多くあります。

教師になるには、まず教職課程のある大学などで教員免許状を取得したうえで、自治体や各学校が行う教員採用試験に合格し、採用される必要があります。
教師の仕事紹介ページ

この記事のまとめ

芸術の道は大変厳しいものであることは間違いありません。

プロの芸術家として生計を立てていけるのはほんの一握りの人間だけという現実もあります。

しかし、自分の表現を追求できる面白さや、好きなことを仕事にできるという喜びは何にも代えがたいものです。

また、自分自身が芸術家や美術家にならなくても、画商や学芸員や教師のように芸術の魅力を伝える職業もあります。

「音楽が好き」「美術が好き」という気持ちがある人にとって、何よりもやりがいのある仕事となるでしょう。

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