コンサート・ライブ演出に関わる仕事(15選)

見る人の心をグッと掴む感動的なステージを作り上げるためには、ステージで歌ったり踊ったりする主役はもちろんですが、裏方として活躍する人の存在も欠かせません。

コンサートやライブは、規模が大きくなればなるほど、大勢のプロフェッショナルたちが力を合わせて動いていきます。

ここでは、素晴らしいコンサートやライブを作り上げていくさまざまな仕事の一部を紹介します。





イベントを企画・運営する仕事

コンサートやライブを行うために活躍する仕事として、イベントを企画をし、当日までの運営を行う職業が挙げられます。

  • イベントプランナー:コンサートやライブをはじめ、展示会や音楽、スポーツ、セミナーなどの各種イベントを企画し、運営業務全般に携わる
  • コンサートスタッフ:コンサートやライブをなどが行われるステージの準備と運営を行う
  • コンサートプロモーター:ライブやコンサートといった公演の企画や準備、開催・運営を行う
  • これらの職業の詳細を、以下で紹介します。

    イベントプランナー

    イベントプランナーは、コンサートをはじめとする多種多様なイベントを企画・準備・運営する仕事です。

    手掛けるイベントの種類によって具体的な仕事内容も変わりますが情報収集や現地視察、パンフレット制作、宣伝・PR活動、会場内の音響や照明など、さまざまな仕事を担います。

    どのようなイベントにも目的がありますが、コンサートやライブの場合は、多くの人々に夢や感動を与えるエンターテインメントの一貫として行われます。

    どのようなイベントも、1人のプランナーだけで運営できるものではないため、各分野のプロフェッショナルが集結して、目的を達成するためにステージを作り上げていきます。

    コンサートスタッフ

    コンサートスタッフは、ステージ設営の専門家です。

    具体的には、コンサートの開催に向けて場内の機材の準備や柵の設置、それらの撤去や搬出、場内整理などを行います。

    大きな会場でのコンサートになればなるほど大勢のスタッフが配置され、それぞれの持ち場でチケットのもぎりや観客の誘導、警備など、さまざまな業務を分担して働きます。

    なお、ステージエンジニアやローディなど、コンサートの運営に関わる人を総称してコンサートスタッフと呼ぶこともあります。

    それぞれが自分の専門とする仕事をこなしながら、出演者と一体になって感動のステージを作り上げます。

    コンサートプロモーター

    コンサートプロモーターは、コンサートの企画をし、宣伝、販売促進などのプロモーション活動を行ってコンサートの開催を円滑に進めていく仕事です。

    コンサートプロモーターが手掛けるコンサートの種類は、芸能プロダクションやレコード会社から依頼を受けて行う「委託興行」と、自らが主催者となる「自主興行」の2種類に分けられます。

    委託興行の場合、会場の確保やスタッフの手配、プロモーション活動、チケット販売、当日の会場設営や観客誘導・警備、出演者の送迎手配、進行管理などを幅広く請け負います。

    自主興行とは、主に海外アーティストのコンサートや音楽フェスティバルなどを指しています。

    ステージ演出に関わる仕事

    コンサートやライブが行われる場合、舞台全体の動きやステージ上の演出などはあらかじめ決められており、ステージ演出を行うために、さまざまな人が裏で動いています。

  • 舞台監督:コンサート・イベント・演劇などで、舞台上のスタッフの調整・指揮・進行管理をする責任者
  • 舞台美術:ライブやコンサートなど舞台で行われる作品の大道具やセット、衣裳のデザインを行う
  • PAエンジニア:コンサートやライブ、舞台、イベントなどでPA(音響設備)を用いて音の調整をする
  • 照明スタッフ:コンサートやライブの場合、光を効果的に使用し出演者を引き立たせ、演出効果を高める
  • 特殊効果:花火・炎・スモークや水を使った演出、紙吹雪、シャボン玉といった特殊な演出効果を専門とする人
  • ステージ設営:ステージの設営を専門に行うスタッフ
  • スタイリスト:アーティストなどの出演者に、出演者が身につける衣裳やアクセサリー、小物などを選び、全体のコーディネートを行う
  • メイクアップアーティスト:出演者にメイクを施し、ヘアスタイルを整える
  • 演出家:ライブやコンサートなど舞台芸術の演出を取り仕切る総責任者
  • それぞれの仕事の詳細を以下で紹介します。

    舞台監督

    舞台監督は、コンサートやイベントを開催するときに、美術や照明、音響など多くのスタッフをとりまとめ、舞台を成功に導く仕事です。

    演出家などの意向を汲み、その伝えたいイメージを形にするにはどうすればよいのか考えながら、各スタッフや出演者などと打ち合わせを重ね、一つの作品としてまとめあげるために指揮や進行管理の責任者として動きます。

    もともとは、舞台に関係するスタッフの調整・指揮・進行管理などが主な仕事でしたが、近年では演出家と同じ役割を持つ人も増えてきており、両者の明確な違いはなくなってきています。

    舞台美術

    舞台美術は、コンサートの舞台装置などを舞台監督や演出家の意向を汲んでデザインする仕事です。

    コンサートの場合は大規模な会場で大掛かりなセットを組むこともありますし、演劇の場合は、舞台上の設備や装飾から、小道具や背景、衣装など、さまざまな物を手掛けます。

    脚本家や演出家がどのような作品にしたいのかをイメージしながらデザインを繰り返していくため、デザインセンスと高い設計技能が求められる仕事です。

    表舞台に出る仕事ではありませんが、観客に感動的な舞台を作り上げるために、音響や照明と同様に不可欠の存在です。

    PAエンジニア

    PAエンジニアは、アーティストが理想とする音を出すために、適切な機材やスピーカーの配置を考えたり、アーティストが出す音を整えていく仕事です。

    アーティスト本人や他のスタッフと打ち合わせを行いながら、本番で一番いい音を出せるように、PA(音響設備)を用いて音の調整をしていきます。

    会場への機材の搬入やセッティングからはじまり、本番中には曲調に合わせた音が出るように調整し、本番終了後には機材の搬出、撤去まで一連の仕事を担当します。

    また、常設の音響設備がないコンサートやライブ、イベント会場の場合は、事前に音響機材の選定および配置図・配線図の作成も行います。

    照明スタッフ

    照明スタッフは、コンサートのステージ上で照明装置を用い、さまざまな視覚効果を作りながら、アーティストと一体になって魅力的な舞台を作る仕事です。

    舞台監督やディレクターと打ち合わせをしながら、使用する照明の機材や照明チェンジのタイミングなどを決め、主役の魅力を最大限に引き出すためのライティングを行います。

    照明効果によって、音楽の盛り上がりをより深く演出したり、客席を煽ったりしながら、アーティストや観客の心に残る感動的なコンサートを作り上げていきます。

    大掛かりな照明を使う場合は、照明のプランニングを行うプランナーと機材を扱うオペレーターが組み、協力しながら仕事をします。

    特殊効果

    特殊効果は、さまざまな仕掛けや装置、材料を使って、照明、音響、美術などでは作れない現象を視覚化する仕事で、近年のコンサートやライブは、特殊効果を使用した演出が多用されています。

    略して「特効」または「SFX(エスエフエックス)」と呼ばれることもあります。

    スノーマシンを使って擬似的な雪を降らせたり、ドライアイスを使って白煙を浮き上がらせたりと、舞台を別の角度から盛り上げていく重要な役割を担います。

    また、コンサートやライブで銀テープや紙ふぶきを噴出させたり、花火など火薬を使った演出をしたりすることも特殊効果の仕事です

    ステージ設営

    ステージ設営は、コンサート会場におけるステージ機材の設置、撤去を行う仕事です。

    コンサートやライブ以外にも、企業や地域のイベント、学園祭や文化祭といったイベントなど、さまざまな場所でステージは利用されるため、その場所や集客に合った設営が求められます。

    ステージの時間はあらかじめ決められているため、それに間に合わせるよう深夜や早朝に作業をすることも少なくありません。

    決められた時間内で効率的に、安全に作業を進めていくことが大切です。

    広いステージ上で音響や照明などの重い機材を持ち運んだり、ときには真夏・真冬に野外ステージで設営を行うこともあるため、体力が欠かせない仕事です。

    スタイリスト

    スタイリストは、ステージに出演するアーティストに対し、服やアクセサリなどをコーディネートする仕事です。

    アーティストや他のスタッフと舞台のコンセプトを共有しながら、どのような雰囲気のスタイルにするのかについてイメージを固め、自らのセンスを生かしてブランドやアイテムを選びます。

    アパレルメーカーに対し、商品の貸出や返却を確実に行うこともスタイリストの仕事の一部である一方、イメージに合った衣装が見つからなければ、自らデザインし制作することもあります。

    メイクアップアーティスト

    メイクアップアーティストは、舞台に立つアーティストの髪型のセットとメイクアップを施す仕事です。

    衣装とのバランスを考えながら、披露する楽曲やアーティスト自身の雰囲気に応じて、その人を美しく魅せるためにはどうすれば良いのかを考えながら働きます。

    ライブや舞台などのイベントをメインにしてさまざまな仕事をする場合と、そのアーティストの専属メイクアップアーティストとして活躍する場合があります。

    直接人の肌や髪に触れる仕事であるため、ヘアメイクのセンスや技術だけでなく、相手に信頼してもらうための人間性も問われる仕事です。

    演出家

    演出家は、映画やテレビドラマなどの映像作品、演劇やコンサート、ライブなどを制作する際に演出を指揮する総責任者です。

    演技や音楽、照明、美術、カメラワークに対して指示を出し、より効果的な脚色を加えて作品の世界観を作り上げていきます。

    演技や舞台芸術に関する知識はもちろん、高い指導力や表現力、脚本解釈のための想像力などが必要な仕事です。

    監督の下で演出を担当するのが演出家という職業ですが、最近では監督がいる場合には演出家はおらず、演出家がいる現場には監督が不在というケースもあります。

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    アーティストとアーティスト支える仕事

    コンサートやライブを行うのはアーティストですが、アーティストを直接支える仕事もあります。

  • ミュージシャン:曲を作ったり演奏したりする
  • ローディー:コンサートやライブを開催するときに必要な楽器や機材を管理・運搬する
  • ツアーマネージャー:ライブやコンサートツアー中、アーティストやスタッフの宿泊先の手配や移動手段などを手配する
  • ミュージシャン

    ミュージシャンは、「アーティスト」とも呼ばれ、楽器を演奏したり歌を歌ったりする仕事です。

    とくにロック、ポップス、ジャズなどの大衆音楽の演奏家のことをいいます。

    ライブハウスやコンサート会場での演奏のほか、CDを出したり、作詞・作曲・編曲をしたり、音楽学校の講師を務めたりと、人によって活動内容はだいぶ異なります。

    レコーディング時にソロ歌手など他のアーティストの演奏の手伝いをする「スタジオミュージシャン」や、コンサートに同行して演奏する「サポートミュージシャン」などもいます。

    音楽の魅力を直接たくさんの人々に伝えていける職業です。

    ローディー

    ローディーは、コンサートツアーやライブに出演するアーティストが使う楽器の運搬や、セッティング、調整などを行う仕事です。

    ギターやベースの弦を張り替えたり、ドラムヘッドを交換したりと、アーティストが本番で気持ちよく、思い通りの音を出せるよう、全ての楽器や機材をベストなコンディションにしておきます。

    チューニングやメンテナンスなど楽器を正しく扱えることはもちろんですが、人によっては厳しい要求をすることもあるため、アーティストに信頼される人間になることも重要です。

    ツアーマネージャー

    ツアーマネージャーは、アーティストがライブやコンサートツアーを開くに当たり、会場ツアー全体のコーディネートを行う仕事です。

    アーティストやスタッフ全員の宿泊および移動手段などの手配をはじめ、ツアーに付帯する上でのさまざまな連絡や調整を行います。

    それほど規模が大きくない場合はアーティストのマネージャーが自ら行うことも少なくありません。

    しかし大々的なツアーや人気アーティストの場合には専門のスタッフが置かれ、ツアー中のアーティストをあらゆる面からサポートします。

    大勢のスタッフが一斉に動くツアーを成功に導くための、縁の下の力持ち的な存在です。

    「コンサート・ライブ演出に関わる仕事」まとめ

    コンサート・ライブ演出に関わる職業に携わっている人は、自分自身も音楽が好きであったり、ステージの雰囲気に魅力を感じたりするがほとんどです。

    これらの職業は、たとえ自分が主役にならなくても、仕事を通じて大勢の人々に感動を与えられる喜びが味わえるものといえます。

    コンサートやライブは一人の力では成功させることができません。

    多くの人と協力して、物事を達成することが好きな人に向いている仕事といえるでしょう。

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