家や住まいに関わる仕事の種類(18選)
「自分の好きな土地で、自分の好きな家に住む」ことに憧れを抱いている人も多いのではないでしょうか。
そんなマイホームの設計や建築には、多くの職種の人が携わっています。
不動産業者で土地の販売をする人、住宅メーカーで家の設計をする人。
大工や左官として建築に携わる人、インテリアコーディネーターとして内装をデザインする人。
それぞれの専門的なスキルがあるからこそ、素敵な住宅を完成させることができます。
施主にとって生涯の宝物となるのがマイホームです。
そんなマイホームづくりに携わる職業は、大きなやりがいと誇りを感じられる職業といえるでしょう。
土地の売買をサポートする仕事
家づくりに携わる仕事というと、建築家や大工を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、家を建てるためにまず必要になるのは土地です。
このような住宅用の土地の売買に携わるのが、不動産関係の仕事をしている人です。
たとえば、「不動産会社社員」は、不動産業界の会社に勤務し、顧客に対して不動産に関する提案を行う人のことです。
「土地家屋調査士」は、土地の調査や測量をし、不動産の表示に関する登記の申請手続きを独占的に行います。
不動産の取引を行うにあたり、権利関係の調査や内容説明、契約締結などの業務を担当するのは「宅建士」です。
近年は地震や大雨による災害が多く発生していることから、安全な土地選びが家づくりの重要なポイントだと考える施主も増えてきています。
不動産の売買に携わる人の役割や責任も、ますます大きくなると考えてよいでしょう。
不動産会社社員
不動産会社社員とは、不動産の売買、賃貸、管理、あるいはそれらの仲介などを行う会社で働く人のことです。
不動産の種類は、土地、アパート・マンションや一戸建てなどの各種住宅など多岐にわたります。
営業系の職種の需要が大きいですが、その他、企画系、管理や事務系の仕事などに就く人もいます。
人口減少、少子高齢化などによって、不動産業界を取り巻く環境は厳しさも増しており、市場ニーズに対応できる熱意ある人材が求められています。
不動産会社社員の仕事紹介ページ
土地家屋調査士
土地家屋調査士とは、土地の測量および表示に関する登記の専門家のことをいいます。
他人の依頼を受けたうえで、土地や建物がどこにどのような形状で存在し、何に利用されているかを調査および測量します。
さらに、図面などを作成して不動産の表示に関する登記の申請手続などを主に担います。
土地家屋調査士は、この表示に関する登記の調査・測量・申請手続きの代理を独占的に行えます。
境界紛争の解決手続きの一つの手段である筆界特定手続きの代理業務なども独占的に行える国家資格です。
土地家屋調査士の仕事紹介ページ
宅建士
宅建士(宅地建物取引士)とは、不動産の取引をするために必要な国家資格です。
具体的には、不動産の売買や賃貸を継続的に繰り返して取引する場合に必要とされる資格です。
住宅を建てるための土地の取引で、宅建士の知識が必要になることがあります。
ただし、この資格さえあれば仕事ができるというわけではなく、実際は不動産会社や住宅メーカーに所属しながら宅建士の資格も持っているという人が多いのが実態です。
宅建士の仕事紹介ページ
住宅の企画や設計に携わる仕事
家づくりや住まいの仕事のなかでも代表的なものが、住宅の企画や設計に携わる仕事です。
「住宅メーカー社員」は、規格化・工業化によって住宅を大量生産し、全国規模で事業展開をしています。
メーカーごとに家づくりのコンセプトが異なり、耐震性や高気密、デザイン性など各社それぞれの強みがあります。
建売住宅の販売をメインにする企業と注文住宅の販売をメインにする企業と分かれているのも特徴です。
住宅メーカーとは異なる、オリジナリティを重視する家づくりをするのは「建築士」です。
建築事務所や設計事務所に所属し、施主の予算や建物のイメージを基に、安全性や耐震性を考慮した建築物の設計を行います。
建築士に対して、各種建築設備などの設計や工事監理に関するアドバイスをする技術者が「建築設備士」です。
建物においてスイッチやコンセントなどの電気設備全般の設計を行う「電気設備設計」も、電気のスペシャリストとして活躍します。
この他にも、調理機器や給湯機器などの設備の企画、設計を行う「住宅設備メーカー社員」が、住宅メーカーと連携をとりながら住宅の設計に携わっています。
どの職業も、家づくりや住まいに関する専門的な知識やスキルが必要とされる仕事です。
住宅メーカー社員
自社ブランドで戸建て住宅やマンションをつくり、それらの販売を行うのが住宅メーカーの仕事です。
契約を結ぶ営業担当、施主のニーズに合った図面を作成する設計担当、図面を形にする現場管理担当が三位一体となって住宅を提供しています。
住宅を販売したら終わりというわけではなく、物件の定期的メンテナンスや、リフォームなども行うので、顧客と長く付き合うことになるのが特徴です。
営業担当は契約数に応じたインセンティブが支給されることも多く、努力次第で高収入が目指せるでしょう。
住宅メーカー社員の仕事紹介ページ
建築士
建築士は、建築事務所や設計事務所に所属しており、建築物の設計および工事の監理を行う仕事です。
設計業務では、建物や内装のデザインを考えるだけではなく、安全性や耐震性などを考慮した構造設計を行います。
工事現場にも足を運び、計画通りに作業が進んでいるかチェックするのも重要な役割です。
建築士の資格を取得するためには、大学などの建築学科を卒業することが近道となります。
建築士の資格には「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」があり、それぞれの資格ごとに、設計できる建物の種類が異なります。
建築士の仕事紹介ページ
建築設備士
建築設備士は、建築士に対して建築設備の設計や工事監理に関するアドバイスをする仕事です。
配管や空調設備、給排水衛生設備、電気設備といったさまざまな建築設備の専門的な知識を持ち、建築士から求められた場合に適切な助言や意見をしていきます。
建築設備士になるには、国家試験である建築設備士試験に合格する必要がありますが、この試験は実務経験がある人だけが受験できるものです。
そのため、まず建設会社、設備工事会社、設計事務所、ビルメンテナンス会社などへ就職し、所定の実務経験を積んで、資格取得を目指すのが一般的なルートとなります。
建築設備士の仕事紹介ページ
電気設備設計
電気設備設計とは、建物のなかで照明のスイッチやコンセントなどが機能するよう電気設備全般の設計を行う仕事です。
電気設備設計者が取り扱う電気設備は幅広く、スイッチやコンセントのほかにも発電設備や通信設備、映像音響設備、自動火災報知設備なども設計の対象に入ります。
また手がける建物も住宅だけではなく、ビル、商業施設など多岐にわたります。
電気設備設計を行うには電気に関する専門知識が必要なので、電気系や工学系の大学・専門学校に通い、専門知識を身につけてから就職を考えるのが一般的です。
電気設備設計の仕事紹介ページ
住宅設備メーカー社員
住宅設備メーカーの社員は、住宅設備の企画からメンテナンスまでを一貫して扱っています。
技術職が企画、設計、生産した商品を、事務職である営業担当が法人中心に販売します。
技術職の場合は理系の人を採用しており、部署によって専攻も指定されています。
人口の減少に伴い市場は縮小する一方ですが、メーカー間の統合やメーカー直販システムの整備等で各社苦境を乗り切っています。
住宅設備メーカー社員
20代で正社員への就職・転職
建築現場で作業をする仕事
家づくりの仕事をする人のなかには、建築の現場で働く人たちもいます。
木材やレンガ、コンクリート、さまざまな道具・工具を使って、建物を完成させる仕事を請け負っている職人たちです。
主に木造住宅の領域で、ノコギリ、ノミ、カンナなどの道具を使い、建築物の下地を造るのが「大工」です。
高所での作業に携わり、足場作りや骨組みの取り付けを中心に行う「鳶職人」もいます。
壁塗りやタイル貼り、レンガ積み、床仕上げなどを専門に行うのは「左官」。
一般住宅やビル、店舗など、あらゆる建物の電気設備の設計・施工を担当する「電気工事士」。
建物や自動車、家具などを造る際に、ペンキを使って塗装を専門に行う「塗装工」。
ガス・空調・給排水などの建築設備分野で、配管工事や設備取り付けを専門とする「配管工」もいます。
こうした作業のなかには大型重機を扱う仕事もあるので、気力と体力が必要とされる職業といえるでしょう。
大工
大工とは、木造建造物の新築や増築、修理、リフォームなどを手掛ける職人のことです。
仕事を覚えるためには、現場に入り親方の下で働きながら地道に技術を習得していく必要があります。
はじめは単純作業の繰り返しで、職人の世界ならではの厳しさをも乗り越えなければなりません。
経験を積むと現場を統率する「棟梁」になり、大工ならではの知恵と腕を駆使し、重要な仕事を任されます。
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鳶職人
鳶職人とは、高所での作業を中心に行い危険が伴う専門性の高い職種であり、建設現場でも一目置かれる存在です。
現場の足場を組むのが「足場鳶」、鉄骨造の建物の骨組みを組み立てるのが「鉄骨鳶」。
建物内部の大型機械などの重量物の据え付けなどを行う「重量鳶」と分類されることもあります。
新築の工事現場に限らず、改修工事の現場でも活躍し、建設現場においては欠かすことのできない存在です。
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左官
左官とは、建築工事において鏝(こて)を用いた「塗り」の技術を駆使する職人のことです。
土、漆喰(しっくい)、珪藻土などを塗って壁を仕上げたりするほか、タイルを貼ったり、レンガやブロックを積んだりすることも仕事に含まれます。
左官になるために資格は不要ですが、一定の技能力を備えていることを示す国家技能検定があります。
左官は、1000年以上の歴史をもつ由緒ある職業であり、近代建築の現場でなくてはならない存在であると同時に、伝統技術の継承者の役割も担います。
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電気工事士
電気工事士は、一般住宅やビル、店舗、病院、工場など、あらゆる建物の電気設備の設計・施工を行う仕事です。
建物に電気配線や配電盤の据え付けを行ったり、新たな電気設備を追加したりと、他の建設作業と連携しながら作業を進めます。
電気工事は危険を伴うことから、そのほとんどは「電気工事士」の国家資格を取得した人だけが行えるものとなっています。
資格には「第一種」と「第二種」があり、第二種が一般住宅や小規模の店舗、第一種がビルや工場といったように、手掛けられる業務範囲が異なります。
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塗装工
塗装工は、金属や建築物の塗装をするスペシャリストです。
塗装には外観を美しく見せるだけではなく、水や錆を防いで耐久性を高めたり、遮光性や断熱性を高めたりする効果があります。
人々が生活するうえで欠かすことのできない技術のひとつです。
近年では「リフォーム」や「リノベーション」に関心を持つ人が増えているので、こうした分野で実績を築くことが業界に生き残るための重要なカギとなるでしょう。
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配管工
配管工とは、建築設備分野において、水道管やガス管などの管をつないで配管を造ったり、それらの設備を取り付けたりする職人です。
使う配管は鋼管や塩ビ管などで、それらの材料や必要な設備分野によってさまざまな技能が必要とされます。
既存の住宅が老朽化していく中で、修理やメンテナンス業務もかなりの量が見込まれており、今後の活躍が期待されています。
配管工の仕事紹介ページ
内装や外構の空間やインテリアをデザインする仕事
家づくりは、建物を完成させたら終わりというわけではありません。
カーテンや家具などの内装をどんなものにするのか、玄関や門などの外構をどうするのか。
こうしたことを考えることが家づくりを仕上げる作業になります。
ここでは、内装や外構などを通して空間をデザインするスペシャリストをご紹介します。
家具、照明などのインテリアを選び、その場の雰囲気に合う快適な空間を生み出すのは「インテリアコーディネーター」です。
色彩の効果や特性などの専門知識を持ち、効果的な配色やデザインを考える「カラーコーディネーター」もいます。
注文住宅では、家具の設計図面を基に木材の切り出し、加工、組み立て、塗装を行う「家具職人」が専用の家具を作ることがあります。
また、庭の芝生や玄関周りの植栽などを考える「庭師」が外構のデザインを行うことがあります。
どの仕事も、住宅を素敵なものに仕上げるために欠かせない仕事ばかりです。
施主の好みやニーズを把握しながら最適なデザインを提案することが大切です。
インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターは、住宅や店舗などのインテリア(内装)について、依頼主からのオーダーに応じて計画・アドバイスする仕事です。
住宅の場合、依頼主からのヒアリングをもとに、壁紙や家具、照明、小物などを組み合わせ、依頼主の要望に合った居住空間を提案します。
インテリアコーディネーター養成コースがある専門学校や大学の建築学科などを卒業して、デザイン事務所や住宅メーカー、家具メーカーに就職するのが一般的なルートです。
リフォーム市場が伸び、インテリアコーディネーターの活躍の場は広がり、需要も増えてきています。
インテリアコーディネーターの仕事紹介ページ
カラーコーディネーター
「カラーコーディネーター」とは、色彩の専門知識を持ち、効果的な配色やデザインについてアドバイスをする仕事です。
インテリアやエクステリアなどに携わる機会もあり、新築の住宅のカーテンや建具の色を決める際にアドバイスをすることがあります。
この仕事を目指すのであれば、デザイン系の専門学校や美術大学・短大などで美的感覚やセンスを鍛えておくとよいでしょう。
カラーコーディネーターの仕事紹介ページ
家具職人
家具職人は、家具デザイナーが設計した図面に基づいて、家具を製作する仕事です。
技術の発展によってオートメーション化が進む家具工場が増えているものの、一部の作業は手で行うことや、オーダーメードでひとつひとつ手作業で製作することもあります。
いわゆる「箱物」の家具を専門としている職人、布張りの技術等にも長けている家具職人、家具の製作に必要なパーツを専門に製作している職人などがいます。
今後は独創性のある家具を製作できる職人が人気を集めると考えられ、技術力と創造力を身につけることで活躍し続けることができるでしょう。
家具職人の仕事紹介ページ
庭師
庭師とは、 主に個人宅の日本庭園を造り、手入れをして庭の維持管理をする職人 です。
樹木や草の特性、日当たり、水の流れなどを考慮し、依頼主との話し合いの上、庭を造ります。
作業は日の当たり方や季節の変化、枝の生え方などを考慮しなければならないため、自然や植物に対する深い理解がなければできません。
屋外での作業に加え、枝や石、土などの重いものを運ぶことも多いため、体力が求められる仕事ですが、近年はガーデニングの流行もあり、女性の進出が目立つ職業です。
庭師の仕事紹介ページ
この記事のまとめ
家づくりには、さまざまなスキルを持つ人たちが関わっています。
土地の売買、住宅の設計や施工、内装や外構のデザインなど、どれも専門性の高い知識が必要とされる仕事ばかりです。
責任が大きいぶん仕事のやりがいも大きく、施主から感謝や労いの言葉をかけられることもたくさんあります。
自分の仕事を形あるものとして残すことができるという意味でも、魅力的な職業といえるでしょう。
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