僧侶(住職・坊さん)のつらいこと・大変なこと・苦労

僧侶のつらいこと・大変なこと

厳しい修行

僧侶は、やはり厳しい修行が大変です。

仏門に入ってからは、生涯にわたって修行を続けることになるため、日常生活においても多くの制限があります。

たとえば起床は早朝であり、境内の清掃から1日が始まりますが、自分の身の回りの環境を清浄に保つことも仏道に生きる立派な修行のひとつなのです。

食事は精進料理で粗食を基本としており、1日に2食しかとらない場合が多く、夕食は通常取りません。

日常のひとつひとつが修行であると考える僧侶の生活は、一般の人からするとつらいと思われるかもしれません。

しかし古くから脈々と受け継がれてきた仏の教えを後世に伝えるという使命感が、このような厳しい修行を乗り越える精神力につながっています。

繁忙期の忙しさ

僧侶の繁忙期となるお盆とお彼岸は、1日に何軒もの檀家の法事をまわるため、体力的にも大変厳しい時期であるといえるでしょう。

1回の読経は30分程度かかりますが、同じ姿勢をとり続けながら腹式呼吸での発生となるため、慣れるまでは苦労する僧侶が多いようです。

もちろん失敗は許されませんので、高い緊張感を持って臨むことが求められます。

寺院によって収入格差がある

寺院によって収入格差があることは、僧侶にとって大変なことのひとつです。

全国的によく知られ観光地としての需要も高い寺院と、地方の小さな寺院とでは、当然収入に開きが出てきます。

檀家の数によって葬儀や法事を依頼される数にも差があり、地域によっても収入格差があると考えてよいでしょう。

寺院は宗教法人であるため、お布施や寄付金が非課税であるという優遇措置があります。

このことから安易に多くの収入を見込んで僧侶を目指す者が、少なからずいるのも事実です。

寺院の収入で非課税の部分はあるものの、各僧侶の収入は個人資産であるため、一般の会社員と同様に所得税などの納税の義務が発生します。

この点を正しく理解し、仏道の追求に金銭には代えられない喜びを感じることのできる人物にこそ、僧侶が向いているでしょう。

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僧侶の悩み

僧侶の悩みは、休みがほとんどないことです。

お寺ごとに休日は設けられていますが、お寺自体に休みがないため24時間誰かがお寺にいることになります。

人が亡くなるのに時間や日にちは関係がないため、訃報の連絡はいつ来るかわかりません。

そのため僧侶が何人かいる場合は交代で休みを取ることもできますが、もともと人数が少なかったり、訃報の連絡が重なってしまった場合は長期でお休みを取ることも難しいでしょう。

中には寺をあけられずに何十年も自由に旅行に行けない人や、思い切って海外旅行に行ったものの急遽訃報の連絡を受け、すべての予定をキャンセルして日本に帰国した僧侶もいます。

休みがあっても会社員のように完全なオフモードにすることは難しく、常に緊急事態に対応できるような緊張感を持ち続けることが必要な仕事でしょう。

僧侶を辞める理由で多いものは?

僧侶を辞める理由で多いものは、早朝から夜遅くまでの勤務なのに休暇がほとんどなく、低賃金な場合です。

もちろん月々の給与があり、休みが確保され、社会保険などの制度を取り入れている寺院もあります。

しかし一方で、毎日朝早くから夜遅くまでの勤務なのに、低賃金や歩合制の不安定な収入の寺院もあるようです。

たとえば一般的な会社員では1日8時間労働が基本ですが、僧侶の場合は朝5:00〜18:00までと13時間以上勤務することも珍しくありません。

通常であれば残業代が支払われますが、仏教の世界では起床してから就寝までの全てが修行だと考えられているため、境界線が曖昧で残業代が支払われていないケースもあるのです。

年金や雇用保険などがなく、休みはひと月に1〜2回ほどか、ほとんど取れない寺院もあります。

このような状況から体調がすぐれず、生活も困窮していき、辞める選択をする僧侶もいるのです。

勤務僧侶となる前に、その寺院の待遇について確かめられると安心でしょう。