僧侶(住職・坊さん)の修行・訓練

「得度」を経て修行開始

宗派によって若干異なりますが、たいていの場合、「得度」と呼ばれる儀式を経て仏門に入ることが、僧侶としての修行のスタートになります。

一般的に言われる「出家」とは、このことを指します。

具体的には、まず剃髪し、定められた戒律を守ることを制約します。そして戒名が与えられ、いよいよ僧侶の仲間入りを許されるという流れです。

得度は出家のために必要不可欠な儀式であり、古くは肉親との絶縁、俗世との決別を意味しました。

現在は肉親と縁を切ることはありませんが、僧侶として生きていく決意を表明するための大切な過程の一つであると考えられています。

ただし、得度を受けたからといって一人前の僧侶として認められるわけではありません。

あくまで得度は入門の儀式であり、その後生涯を通じて修行を続け、人生をかけて理想の僧侶を目指していくことになるのです。

日常生活のすべてが修行

僧侶の生活は一般の人とは異なることが多く、独特の厳しさがあります。早寝早起きはもちろんのこと、粗食、質素倹約、身の回りを清廉に保つなど仏の教えに基づいた理想の生活を追求します。

とくに早朝の清掃は作務と呼ばれ、仏に仕える者として毎日欠かすことなく行う雑務です。

夏の暑さや冬の寒さに屈することなくほうきや雑巾などを使って心を込めて行い、常に境内を清潔に保ちます。これも立派な修行の一つです。

また一日2食の精進料理は感謝の念を絶やすことなく、私語を慎んで食べます。このような日常の当たり前の所作も僧侶にとっては重要な修行の一つであるといえます。

宗派によってさまざまな修行が

経典の修得のための読経や写経はどの宗派でも共通して行われています。読経は一日数回、姿勢を乱すことなく、30分以上休憩なしで行われることがほとんどです。

宗派によっては滝行や川行などの水行、山岳修行、瞑想、お百度参りやお遍路などが行われており、僧侶は仏の教えをより深く理解するためにすべての修行に真摯に取り組んでいます。