僧侶(住職・坊さん)の衣装・服

「法衣」にも正装と略装がある

僧侶が仏前で着用している衣服を「法衣」または「袈裟」といいます。

法衣には正装用と略装用があり、その大きな違いは袖の大きさです。略装用の袖が普通の着物並みの寸法であるのに対して、正装用は手がすっぽり隠れるほど広く大きなものになっています。

また、正装用の袖のひだは略装用に比べてかなり多いのも特徴の一つです。

僧侶の地位を表す正装用法衣

正装用の法衣は宗派による形の差はほとんどありません。しかし、どの宗派においても階層によって色分けがなされています。

緋色を最高位とすることを除いては階層と色遣いの関係は各宗派の任意です。

正装用の法衣は主に葬儀や法事などの儀式や年中行事などの際に着用します。一方、略装用の法衣は宗派によって形も呼び名もそれぞれで近年では洋服に近いものを着用している宗派もあります。

また階層によって色が違う正装用に対して、略装用は黒一色しかありません。普段の勤行の際は略装用法衣を着用していることがほとんどです。

僧侶にも普段着がある

清掃などの日常の雑務の際には作務衣と呼ばれる上着ともんぺを着用しています。上下が分かれているため、大変動きやすいつくりになっており、僧侶ではない一般の人の中にも好んで着用している人がいます。

また山岳修行の際に着用する鈴懸と呼ばれる衣服も上着と袴に分かれています。

法衣とエコの意外な関係

お釈迦様の着用していた法衣は汚物を拭ったようなぼろぼろの布をつぎはぎして作ったようなものであったといわれています。このことから法衣のことを「糞掃衣」とも呼びます。

あまり聞こえの良い言葉ではありませんが、僧侶の原点は質素倹約です。人が捨てていらなくなった布を生かすことは仏法の世界において大変尊い営みでした。

現在さかんに叫ばれる「エコ」や「リサイクル」の始まりであるともいえるでしょう。