和裁士のやりがい・楽しさ・魅力
和裁士のやりがい・楽しさ
難しい仕事を仕立て終わったとき
特別なカスタマイズをして仕立ててほしい、といった難しい依頼が入ることは珍しくありません。
たとえば、成長期前の女児の着物を仕立てる際に、成人式まで着られるようにしてほしいという依頼があります。
その場合、何度もほどいて寸法直しをすることを前提に裁断をし、布地に余裕を持たせた仕立てをしなくてはなりません。
寸法を直してもきちんと柄が合うように裁断すること、また布地に余裕を持たせた状態でも、初めからきれいに着付けられるように計算して仕立てるなど、非常に高度な技術を要します。
こういった難しい仕立てをきちんと仕上げられたときに、和裁士として一段と成長できた実感が湧き、やりがいに繋がります。
依頼主からのフィードバック
フリーランスの和裁士として活躍している人に共通するやりがいに、依頼主の反応をダイレクトに受け取れる、というものがあります。
仕立てたものをその場できれいに着付けてみせてくれ、和服は人が袖を通してこそ生きるものだ、と感動する和裁士は多いです。
また、依頼主の家族が世代を超えて仕立てを依頼してくれる、自分の仕立てた和服を何度も寸法直しに持ってきてくれるなど、繰り返し依頼をしてもらえることに喜びを感じる和裁士もいます。
着物文化を後世に伝える
和裁士は経験を積み、和裁の指導者となることも仕事の一つです。
和裁所やカルチャーセンターなどで指導したり、独立して和裁教室を開いたりすることもできます。
和裁の技術は専門性が高いため、教えたからといってすぐに誰にでもできる仕事ではありません。
自分の技術を後世に伝え、次の世代に着物の文化を伝えていくことは、非常にやりがいを感じる仕事です。
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和裁士の魅力
二次元から三次元へ
和裁士という仕事の魅力は、反物という二次元のものを、人が実際に着る3次元の和服に仕立てられる面白さにあります。
近年では機械化が進み、服や着物の大量生産も可能になりましたが、ひとつの作品を一から自分の手で仕上げられる仕事というのは、非常に魅力的です。
自由な働き方ができる
フリーランスの場合、仕事のペースや量をある程度コントロールできるところも魅力です。
主婦として家事や育児と和裁士を両立している人も多くいますし、自宅で働けるため比較的簡単に開業できるところも大きな魅力でしょう。
和裁所勤めの人では、技術が身に付き何でも縫えるようになれば、一人で仕立てに没頭できるのが魅力という人も少なくありません。
一人で仕事ができる、人間関係の煩わしさがあまりないというのは、多くの和裁士が共通して感じる魅力です。
一生ものの技術が身につく
着物は洋服のように流行でデザインが変わることがないため、一度和裁の技能を身に付けておけば、一生仕事をすることができます。
若手の和裁士が少ないため、70~80代になっても仕事をしている人は大勢いますし、経験を積んだベテランが仕事をするチャンスも多くあります。
手に職をつけたい人、また一生働きたいという人にとっては、非常に魅力的な仕事といえるでしょう。