和裁士の1日のスケジュール・生活スタイル

和裁士の業務スケジュール

和裁士の1日のスケジュールは、専業か兼業か、会社勤めか自営業か、などでさまざまに変わってきます。また、依頼内容によってもスケジュールは大きく違います。

共通していえるのは、和裁士の仕事は個人で黙々と仕事をこなしていく、地味な仕事だということです。

印つけまでは神経を使う行程ですが、縫製の段階になれば、あとはどれだけ早く手を動かせるかが勝負になるので、ひたすら針を動かしていく毎日を繰り返します。

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和裁士の1日のスケジュール

9:00 仕事開始
まずは依頼人から預かった反物の検品をしていきます。

これを怠ると、後でシミや傷が見つかった場合、仕立てた和裁士のせいにされかねないため、重要な作業です。

9:30 見積もり
依頼人のサイズに合わせた訪問着を仕立てるために、反物が足りるか、身頃、袖、衿などの部分に必要な生地の量を、実際の反物と照らし合わせて確認します。
10:00 柄合わせ
身頃や袖、襟元などの柄が連続するよう、一枚の反物のどの部分をどこに使うかを計画する行程です。

縫い代についても考えながら計画するため、とても複雑で神経を使います。

計画が立ったら、裁断のための目印を付けていきますが、これには非常に時間がかかります。

12:00 休憩・昼食
13:00 裁断
依頼人から預かった反物を間違った場所で裁断してしまうと、取り返しが付きません。

柄合わせに狂いはないか、注意深く確認しながら裁断していきます。

14:30 休憩
集中力を要する裁断の後には、小休憩を挟みます。
15:00 印つけ
ヘラ付けとも呼ばれ、裁断した布の縫い合わせる部分に印をつけていきます。
16:00 縫製開始
いよいよ縫製開始です。

すべてを手縫いで仕上げると想定すると、専業の経験年数が長い人で、縫製には2日から3日ほど時間がかかります。

20:00 仕事終了
自営業の和裁士の場合、1日10時間から12時間ほど働く人も少なくありません。

どれだけ短期間で1枚を仕上げられるかが、収入にダイレクトに影響するからです。

和裁士の生活

和裁士の勤務時間

和裁所などで社員として働いている場合は、通常平日の日中8時間~9時間を会社で過ごします。

一般的には通常の会社と同じく、週休2日制で、有給や夏期休暇、年末年始休暇、慶弔休暇なども取得できます。

フリーランス、または自営業の会社として仕立てを受注している場合は、すべてが個人の裁量です。

働こうと思えば1日何時間でも働けますが、和裁はとても神経を使う細かい作業のため、集中力が続くのは熟練のプロでも10時間ほどと、作業時間は会社勤めの人と変わらない程度です。

どれくらいの頻度で注文が入ってくるのか、それを何日で仕立てられるのかは、かなり個人差があります。

個人で和裁士として活躍している人の休日は、個人の受注量や作業速度によって大きく変わってくるでしょう。

和裁士の休日

休日も仕事と趣味を兼ねて、呉服店のつてを辿って反物の工場を見学に行ったり、フリーマーケットに出店したり、コネクションを作るために和裁士の会合に顔を出したりする和裁士もいます。

着物好きが高じて、着付けや茶道など、和服に関係のある資格取得に励む和裁士も少なくありません。

和裁士の繁忙期

一番の繁忙期は、年末年始や成人式に着用する訪問着や振袖の仕立てが殺到する11月から12月です。

呉服店から依頼が殺到するのもこの時期で、和裁士はこの2ヶ月は非常に多忙となります。

それが終わると、卒業式・入学式シーズンに向けた訪問着や袴などの仕立ての注文が入りだし、冬の期間は和裁士にとっては繁忙期であり、稼ぎ時です。

6~7月の夏期には浴衣の注文が多く入りますが、浴衣の仕立ては着物に比べると比較的容易で、時間もかからないため、余裕を持って仕立てられます。