新人ケアマネ必見! 実務で使われる略語集を主任ケアマネが解説します
業界ごとの略語って難しいですよね。
私も働き始めのころは専門用語が飛び交う現場で、先輩たちが何をしゃべっているのか理解できませんでした。
そのうえ、さらに略語にされるとチンプンカンプン。
(ちゃんと説明してくれよ!!)と思ってました。言えないけど・・・
そして、なんと!!5年以上も介護業界に身を置きケアマネジャーになってからでも、新たな略語が登場するのです!!
今回は新人ケアマネ向けに、実際に良く使われる略語とその意味を紹介していきたいと思います!!(そういえばケアマネもケアマネジャーの略ですね・・・)
3つの項目に分けて略語を紹介します
医療用語や介護技術についての略語は紹介していません。
介護保険の事業所や施設の略語
居宅(きょたく)
居宅介護支援事業所の略になります。
居宅介護支援事業所とは在宅介護のケアプランを作成するケアマネジャーが所属する事業所になります。
ケアプランの対象は要介護1~要介護5の認定を受けている人が対象になります。
相談は無料です。
包括(ほうかつ)
地域包括支援センターの略になります。
地域包括支援センターは地域の高齢者の相談窓口です。
住所で地域包括支援センターの担当が決まっています。
主に高齢者が住み慣れた地域で生活できるように介護サービスや日常生活の相談に乗ります。
介護保険申請の窓口にもなっています。相談は無料です。
訪看(ほうかん)
訪問看護の略になります。
看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門職が自宅を訪問して看護やリハビリテーションを提供するサービスです。
病気や障害のある人が住み慣れた地域や家庭でその人らしく療養生活を送れるように、看護ケアを提供します。
訪リハ(ほうりは)
訪問リハビリテーションの略になります。
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が自宅を訪問してリハビリテーションを提供する事業所になります。
リハビリをして生活機能の維持、もしくは向上を図ることを目的としているサービスです。
通リハ(つうりは)
通所リハビリテーションの略になります。
デイサービスと似ていますが、デイサービスは利用者の生きがいづくりや日常生活の世話などを重点的に対応します。
通所リハビリテーションでは、心身機能や社会生活の維持回復を図るためにリハビリを重点的に行います。
通所リハビリテーションは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門職が必ずいます。
尚且つ病院に所属しています。
特養(とくよう)
特別養護老人ホームの略になります。
介護の必要性が高い人で、自宅で過ごすことが困難な人が入居する施設になります。
申し込みは基本的に要介護3以上となります。
民間の老人ホームより費用が安いことから待機待ちが100人以上ということもたくさんあります。
老健(ろうけん)
介護老人保健施設の略になります。
介護老人保健施設は、入居者が在宅復帰をするためにリハビリテーションを提供する施設になります。
もちろん入居施設ですので栄養管理や食事の提供、入浴などの日常的なサービスも提供します。
要介護1から入所できます。
特別養護老人ホームよりリハビリを重点的に行い、ずっと入居していることが出来ない施設になります。
×老いた犬の老犬(ろうけん)ではないので注意です!!
療養(りょうよう)
介護療養型医療施設の略になります。介護療養型医療施設は特別養護老人ホームや老人保健施設と同じ介護保険適用施設で尚且つ医療施設になります。
(介護療養型医療施設は2024年3月末までに介護老人保健施設等へ転換される。)
「介護療養病床」と「医療療養病床」があります。医療依存度が高い方が入居し、最後まで過ごせる場合が多いです。対象は要介護1以上となります。
有料(ゆうりょう)
有料老人ホームの略になります。
有料老人ホームは民間企業が運営する老人ホームで「介護付き」「住宅型」「健康型」の3つのタイプに分かれます。
入居対象は施設によって違います。大手の有料老人ホームは「木下の介護」「SOMPケア」「ベストライフ」「サニーライフ」などがあります。
養護(ようご)
養護老人ホームの略になります。
経済的に困窮していて、複雑な家族関係、住宅事情などで在宅生活が困難な高齢者などが入所できる措置施設になります。
措置入所は行政機関が介入します。
事務的仕事で使われる略語
認調(にんちょう)
介護保険の認定調査の略になります。
認定調査とは介護保険の申請をすると介護度を決めるため、市区町村の職員や市町村が委託した認定調査員が本人や家族に聞き取りを行います。
手足を少し動かしたり、認知機能を確かめる簡単な質問があります。
区変(くへん)
介護保険の区分変更申請の略になります。
介護度を変更したいときに申請する手続きのことです。
認定されている介護度と現在の状態が合わない時に申請します。
状態が悪くなった時に区分変更する場合がほとんどです。
ケアマネジャーの間では「状態が悪いので区変をかけます!」という感じで頻繁に使われる言葉です。
担会(たんかい)またはサ担(さたん)
サービス担当者会議の略になります。サービス担当者会議はケアプラン初回作成時や変更時に利用している各サービス機関の担当者を集めて意見を出し合う会議です。
主催はケアマネです。
利用者の生活で何か問題があってみんなで話し合いたいときも会議が開かれます。
色んな種類のサービスを使っている利用者のサービス担当者会議は10人近く集まってしまうこともあります。
住改(じゅうかい)
住宅改修の略になります。
手すりの取り付け、床の段差解消、引き戸等へ取り替え、滑り防止、移動の円滑化等のための床材変更、洋式便器等への取り換えなどの改修工事が介護保険で行えます。
介護保険の負担割合に応じて改修費を支給する仕組みとなっています。
自己負担は1割~3割です。
実調(じっちょう)
実態調査の略になります。
利用者に会って実態を調査する時に使われます。特別養護老人ホームの相談員が入居のために本人の状態を確かめる時に良く使う言葉になります。
デイサービスの相談員やショートステイの相談員も良く使います。
とにかく利用者の状況を知りたいときに「実調(じっちょう)行ってきます!」と使います。
認定調査の認調(にんちょう)と間違えやすいので注意です!
国保連(こくほれん)
国民健康保険団体連合会の略になります。
国保連は保険者である市町村から委託を受けて、介護給付費の審査・支払業務を行っています。
ケアマネが介護保険の請求を毎月10日までに国保連に電子申請します。
国保連は苦情処理業務も行っています。
生保(せいほ)
生活保護の略になります。生活保護とは持っている資産や自分の能力などすべてを使っても、生活が困窮した時に受けることができる制度になります。
国が経済的に救済してくれます。生活保護課の担当ケースワーカーは市町村の職員です。
また、生活保護を受給している人達は「福祉を受けている。」「福祉をもらってる。」という言葉を使います。
×生命保険の略ではないので注意です!!
福祉専門職の略語
社福(しゃふく)
社会福祉士の略になります。
高齢者や障害者、病気や怪我などさまざまな理由で生活が困難になっている人から相談を受けて支援をする専門職になります。
ソーシャルワーカーと呼ばれます。国家資格になります。
介福(かいふく)
介護福祉士の略になります。
介護が必要な人に専門的知識や技術で入浴や食事、排泄などの介助をする専門職になります。
家族への介護方法のアドバイスをしたり、介護現場で働くリーダー的な存在になります。国家資格になります。
主マネ(しゅまね)
主任ケアマネジャーの略になります。
主任介護支援専門員とも言います。
ケアマネジャーの上位資格となります。
ケアマネジャーを3年~5年経験し、市町村の推薦を受けて研修を受講すると主任ケアマネジャーになることができます。
サ責(させき)
サービス提供責任者の略になります。
訪問介護事業所で管理的な立場の職種です。
資格や研修要件はありません。
仕事は訪問介護計画書を作り、サービスが提供できるように事業所に所属するヘルパーのコーディネート業務を行います。
ケアマネジャーが招集するサービス担当者会議にも参加し、色々な事業所の専門職と連携します。
ここ障害分野でのサービス提供責任者のことを、サビ管(さびかん)と言います。
サービス管理責任者の略になります。
略語はまだまだありますが、主要な物だけまとめてみました!
紹介した言葉を理解していればケアマネ業務をしていて略語で困ることはありません!!
是非、参考にしてみてください!!