女性の政治家のキャリアパス・結婚後の生活
女性の政治家の現状
日本における政治への女性進出は、国際的に見ると非常に遅れているのが現状です。
2019年に実施された列国議会同盟の調べによると、日本の女性議員(衆議院)の割合は約10%で、調査対象国193カ国のうち164位という結果になっています。
調査対象は衆議院のみでしたが、参議院や地方議会ともに同じ状況といえます。
参考:NHK政治マガジン 女性議員の割合 日本は
165位 先進国で最低水準
少しずつ制度改革も進んでいますが、まだまだ男社会の名残が残っており女性が働きやすい環境になっていない表れかもしれません。
そんな現状の中、男女共同参画局では女性の政治参加を推進するための取り組みを行っています。
その取り組みの1つとして、2019年5月には「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が施行されました。
この「男女共同参画推進法」は、以下の3つの理念をを柱としています。
・衆議院、参議院及び地方議会の議員の選挙において、男女の候補者の数ができる限り均等となることを目指して行われること
・ 男女がその個性と能力を十分に発揮できること
・ 家庭生活との円滑かつ継続的な両立が可能となること
これらを実現するために、国や地方公共団体は施策を策定し実施しなければいけません。
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女性の政治家の強み・弱み
女性ならではの目線で問題提起できるのが強みといえるでしょう。
例えば育児や介護、少子化担当や経済財政関連など、生活に直結した問題などは女性の目線が大事ですし、自分で経験している政治家も多いでしょう。
また女性の社会進出を推進する政策にも当然女性政治家の意見がなければ役立つ仕組みを構築できません。
苦労する点を挙げるなら、体力的にハードな面と、まだまだ出産・育児に関する制度が整っていない点です。
政治家に限ったことではありませんが、パートナーや家族の大きな協力なくして政治家を続けるのは難しいのが現状です。
少子高齢化が進む日本にとって、男女を問わない働き方の推進は将来を左右する問題といえます。
出産・育児に関する制度をはじめ、女性が活躍できる環境づくりを政治の世界が率先して取り組まなければ世の中に浸透するはずもなく、早急な改革が求められています。
政治家の結婚後の働き方・雇用形態
国会議員の場合は特別職の国家公務員、地方議員の場合は特別職の地方公務員という立場です。
一応、公務員という名称は付いていますが勤務時間や休日など就労に関する規則はほぼありませんが、衆議院、参議院に関してはいえば産休制度があり取得できます。
地方議員の場合、そうしたライフイベントに関する休暇制度は整っていないのが現状です。
結婚、出産後の働き方は政治家個人で決めなければならず、家族や周囲のサポートなくして政治家を続けるのは難しいでしょう。
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政治家は子育てしながら働ける?
政治家を続けながら子育てをするのは家族などのサポートがなければ難しいでしょう。
勤務時間の決まりもなく、土日も公務やイベント出席などもあり子どもと触れ合う時間を確保するのにも苦労するかもしれませんが、子育てをしながら政治家を続けている女性議員がいるのも事実なため、働けないわけではありません。
逆にそうした環境で頑張っている議員が育児や男女共同参画といった政策に取り組むことで説得力が増すとともに、世の中をよい方向に変える原動力になるでしょう。
政治家は女性が一生働ける仕事?
女性議員が一生政治の世界で働けるかと問われれば、答えは「働ける」ということになりますが、大変な苦労が伴うのは覚悟した方がよいでしょう。
しかし、国際社会と比較すればまだまだ少ないとはいえ、都道府県知事や市長といった首長を務める女性政治家や、大臣として活躍している女性議員もいます。
働き手として女性にも大きな期待が寄せられている昨今、時代に合わせた議会制度の改革を推進し、女性議員を増やしていくのが今後の課題かもしれません。
また、女性が社会で活躍できる環境と制度を整えるのも女性政治家の役割といえるでしょう。