レコーディングエンジニアになるには

レコーディングエンジニアになるまでの道のり

アシスタントからのスタート

レコーディングエンジニアは新卒ですぐに就ける仕事ではありません。

まずはレコーディングスタジオやレコード制作会社、エンジニアを派遣するプロダクションなどにアシスタントや見習いとして就職するのが一般的です。

先輩であるレコーディングエンジニアにつき、教わったり先輩の技を吸収したりしながら、現場で数年間、経験とスキルを磨いた後に、晴れてレコーディングエンジニアへのキャリアアップが叶います。

アシスタントとはいえ、さまざまな音響機器の操作技術、Macパソコンと専門のDAW用ソフトウェアであるPro Toolsによるデジタル処理の技術が必要であるため、学校で学ぶことは王道だといえるでしょう。

レコーディングエンジニアを目指せる学校は、音楽系専門学校のレコーディングエンジニアコースやコンピュータ系専門学校の音響エンジニア専攻などがあります。

本格的なレコーディング設備が備わった学校を選び、即戦力を目指すことがポイントになるでしょう。

また、こうした学校はレコーディングスタジオやレコード制作会社へのコネクションも強いため、紹介や推薦により就職できるチャンスもあります。

アシスタントエンジニアの求人

未経験者の場合、まずはアシスタントエンジニアとしてレコーディングスタジオやレコード制作会社に就職します。

比較的募集が多いのはレコーディングスタジオで、雇用形態はアルバイトまたは契約社員です。

24時間体制のレコーディングスタジオでは交代制をとり、時給制のアルバイトのみで運営しているところもあります。

仕事内容はレコーディングスタジオでのアシスタント業務全般ですが、ほぼ雑用や接客からのスタートだと考えた方がいいでしょう。

給与は専門学校のレコーディングエンジニアコース卒やアシスタントエンジニア経験者の場合は若干優遇されるようです。

レコーディングエンジニアの求人

レコーディングスタジオやレコード制作会社では、アシスタントを採用して育てるのが基本ではありますが、急に欠員が出た場合などにレコーディングエンジニアの募集をすることがあります。

大手レコード会社の場合は数年に1回という募集頻度であるため、大変狭き門だといえるでしょう。

スタジオでの実務経験が必須であるため、同職からの転職者のみの募集となり、CDなどの製品を手がけるレベルのミキシング経験と実力が必要です。

レコーディングエンジニアの資格・難易度

レコーディングやミキシングは、実力や経験がものをいう世界です。

学校でしっかり音響機器やデジタル処理の技術を身に付けてさえいれば、資格や免許を取得している必要はありません。

ただし、技術力の証明になる検定は以下のようなものがあります。

ProTools技術認定試験

社団法人日本音楽スタジオ協会主催。レコーディングスタジオで使われる音楽制作ソフトウェア、ProToolsの技術をランク形式で判定する検定試験です。

サウンドレコーディング技術認定試験

社団法人日本音楽スタジオ協会による認定試験です。

音響の理論やレコーディング技術など、レコーディングエンジニアとして欠かせない知識や技術を評価します。

レコーディングエンジニアになるための学校の種類

レコーディングエンジニアの仕事に欠かせないのが、レコーディングスタジオで使われる標準的なデジタル・オーディオ・ワークステーション(DAW)用のソフトウェアであるPro Toolsです。

また、これを操作するMacパソコンのオペレーション技術や、たくさんの音響機器の操作技術、これらの機器をスムーズに接続し、簡単な修理には対応できるよう、電気工学的な知識も必要です。

さらに、幅広い音楽に触れて知識と感性を身につける、音感や各楽器の音のバランス感覚を養う、ことも大切です。

幅広い楽器を実際に自分の手で演奏するといった経験も、プロの現場で活躍するための基礎づくりには欠かせないでしょう。

これらの知識やスキルを余すところなく習得するためには、レコーディングエンジニアを目指せる音楽系やコンピュータ系の専門学校への進学が一般的です。

学生にレコーディングスタジオやレコード制作会社への紹介なども行っているため、コネクションにより就職できる可能性も広がります。

音楽大学や工科大学でもレコーディングエンジニアの仕事に役立つ学科やコースはありますが、大学での学びは音楽やコンピュータについて幅広く、深く掘り下げる内容のカリキュラムです。

「レコーディングエンジニアになりたい」という明確な目標がある人には遠回りになるため、専門学校で2年間学び、プロの現場に飛び込んだ方が近道だといえるでしょう。

レコーディングエンジニアに向いている人

音に関するセンスを持っていることは、レコーディングエンジニアを目指す上でもっとも大切な資質です。

一流アーティストの曲を聴く、音響に優れるライブハウスやコンサート会場で音楽を聴くなど、いい音をたくさん聴くことが大切です。

また、レコーディングエンジニアは、自分の好みで仕事を選んでいてはプロとして通用しません。

まったく好みでないアーティストや、親しみのないジャンルの曲をレコーディングすることもあるため、さまざまなな音楽を聴くのが好きな人ほど、臨機応変に対応することができるでしょう。

レコーディングエンジニアに向いている人・適性・必要なスキル

レコーディングエンジニアのキャリアプラン・キャリアパス

実際の能力が未知数である転職者を求めるより、アシスタントから育てた方が自社に合った人材に成長できるという考えがあるため、レコーディングエンジニアの中途採用の求人数は非常に少ないです。

1つの会社でアシスタントからキャリアアップし、そのまま働き続けるのがもっとも無難な道だといえるでしょう。

一方で、会社員として働いていたレコーディングエンジニアが腕を認められ、有名アーティストのお抱えとなって活躍するのはよくあることです。

こうしたエンジニアの中には、一定の収入が見込めると独立し、フリーランスへ転向する人もいます。

レコーディングエンジニアを目指せる年齢は?

異業種からの転職

専門性の高い技術職であるレコーディングエンジニアは、まったく知識のない異業種からの転職が非常に難しいです。

各種音響機材の取り扱いなど、勉強しなくてはならないことが大量にあるため、新卒者と同様にアシスタントからスタートすることになるでしょう。

最初は先輩エンジニアの手足となって雑用をこなすことを考慮すると、20代前半までの若い世代でなければアシスタントとして採用されることも厳しい現状です。

関連する職種からの転職

前職がアーティスト、ミュージシャン、アレンジャーなど、仕事内容を熟知し、自宅に音響機材を持って実際にミキシングを行った経験があるような人は、比較的スムーズに転職が可能です。

ただし、アシスタントではなくレコーディングエンジニアとして採用されるためには、その経験やレコーディングエンジニアとして通用するスキルを持っていることを知っている人の紹介が必要です。

こうした人脈がなければ、短い期間だとしてもアシスタントからのスタートは避けられないでしょう。

レコーディングエンジニアは高卒から目指せる?

レコーディングエンジニアは、最初はアシスタントや見習いとして先輩エンジニアのアドバイスをもとに勉強しなければならず、専門学校を卒業していたとしても再度学び直す必要があります。

プロの現場に出てからどれだけの経験と技術を習得できるかが、レコーディングエンジニアとしての成功を左右するといえるでしょう。

そのため専門学校に行かず、高卒でレコーディングスタジオにアルバイトとして入り、現場で勉強しながらレコーディングエンジニアへのキャリアアップを目指す方法をすすめる人もいます。

レコーディングエンジニアは女性でもなれる?

女性のレコーディングエンジニアの強み

レコーディングエンジニアは技術職ではありますが、音にこだわりを持つアーティストやミュージシャンと円滑にレコーディングを進めるためには、雰囲気作りや気配りも大切です。

また、アーティストたちの意向をすばやく察知する勘の良さも欠かせません。

こうした点では、男性より女性の方が優れていることが多いです。

他にも、女性ならではの繊細さは音の響きや定位などの細かな違いを聴き分けるときにも役立ちます。

女性のレコーディングエンジニアの弱み

レコーディングエンジニアには長いアシスタント期間がつきものですが、この間は先輩エンジニアの小間使いのような働きを求められ、体力的にも精神的にも非常に厳しいものです。

また、レコーディングが長引き、深夜や朝まで帰れないことも日常的にあるため、拘束時間の長さと給料の安さから、アシスタントには「割に合わない」と感じる人が多く見られます。

結婚、出産などライフイベントに影響されることが多い女性の場合はとくに、エンジニアとして定着しにくく、アシスタント期間のうちに退職せざるを得ない人もいます。

結婚、出産後の働き方

こうした過酷な環境の中で、40代、50代になってもレコーディングスタジオに勤め続けることができる女性レコーディングエンジニアはほとんどいません。

女性でありながらレコーディングエンジニアとして活躍していた貴重な人材でも、結婚、出産を機に退職または独立を迫られることがほとんどです。