入国審査官になるには? 必要な資格や英語力を解説
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入国審査官になるまでの道のり
入国審査官になるための独自の試験は存在していません。
まずは高卒や大卒(及びその予定)の状態で国家公務員一般職の採用試験を受け、試験に合格する必要があります。
公務員試験に合格後、各地方の出入国在留管理局の面接を経て、出入国在留管理庁職員として採用されることになります。
いずれかの入国管理局において採用されると、最初は「法務事務官」として働き始め、総務や会計といった入国審査以外の業務をこなす立場となります。
法務事務官として数年間の業務経験を積んだ後にようやく入国審査官になることができ、はれて審査業務を担当できるようになるのです。
なお、法務事務官から入国審査官になるにあたって、特別な試験等は必要としません。
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入国審査官の資格・難易度
資格は必要?
入国審査官になるためには、後述する国家公務員一般職の試験に合格するほかに、特別に何らかの資格を持保有していなければならないということはありません。
入国審査官は「国家公務員」であり、その難易度は極めて高いです。
しっかりと対策して本番に臨みたいところです。
入国審査官に必要な語学力
入国審査官として働くためには、英語の語学力は必要不可欠です。
訪日外国人の全てが日本語を流暢に話せるわけではありませんので、最低限、世界各国で使用されている英語の語学力は必要になります。
ただし、入国審査官の新規採用者に対しては、最初から即戦力としての語学力が求められるわけではないようです。
採用後に英語や中国語、韓国語などの語学研修などが充実しているため、公務員になった後にフォローすることは十分可能です。
とはいえ、働き始めてから外国語を勉強するのは大変なことですので、できれば学生のうちに英語と、もう1言語の習得を目指しておきたいところです。
入国審査官になるための学校の種類
入国審査官になるために有利な学部
入国審査官になるために特別な学校や学科に通う必要はありませんが、「法学部」や「政治経済学部」など、公務員試験に出てくる分野の学問を専攻していると多少は有利に働く可能性があります。
また、入国審査官に求められる語学力の参考になるような「語学系の学部」も有利に働く可能性があります。
ただし、これらの勉強は独学でも十分可能であり、その理由が必須ではないため、これらとは異なる学部・学科の大学に通っているとしても入国審査官になるチャンスは十分に残っているといえます。
公務員試験予備校を活用する
入国審査官になるためには、まず国家公務員試験に合格しなければなりません。
国家公務員試験の競争倍率は高いため、対策のために公務員試験対策となる予備校に通って勉強することも有効な手段となります。
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入国審査官に向いている人
コミュニケーション能力がある人
入国審査官は、様々な国や地域の出身者、文化背景を持つ人と接することになります。
国際感覚豊かであり、コミュニケーション能力の高い人であれば、スムーズに入国審査官の仕事を進められるでしょう。
責任感がある人
入国審査官の仕事は、日本の安全にも深く関わる仕事です。
その仕事に責任を持ち、正義感と責任感を持って仕事に従事できる人こそ、入国審査官としての適性があるといえます。
冷静な判断ができる人
入国審査官は、法律にのっとって仕事をこなしていかなければなりません。
関連する法律を適用し、スムーズに仕事を進めるためには、情に流されない冷静な判断力を有していることが求められます。
難しい課題に取り組める意欲
入国審査官の仕事は、さまざまな法律の知識とその運用力、語学力を必要とします。
採用後の研修や実務に積極的に取り組むことで、難しい仕事のスキルも身についていくことができるでしょう。
必要であればどんな課題にも取り組むことのできる意欲の高さが求められます。
入国審査官のキャリアプラン・キャリアパス
在外公館で勤務
入国審査官として働く中で、場合によっては外務省に出向することもあります。
これは、他省庁との人材交流の一環として行われる人事であり、外務省に出向後、在外公館においてビザの発給事務などの仕事に従事することになります。
これにより、外国での勤務経験を体験し、国際感覚の豊かな入国審査官としてスキルアップにつなげることができます。
経験を生かして転職
入国審査官としての経験を生かして転職することも視野に入れることができます。
例えば、外国人とのコミュニケーション経験を生かして、外国語の教師になったり、外国に支社または本社のある会社に転職することも視野に入れることができます。
在外公館での勤務経験があれば、外国で生活することにも抵抗を感じなくなるかもしれません。
入国審査官は高卒から目指せる?
入国審査官は、高卒の人が受験できる国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)に合格すれば採用される可能性があるので、高卒でも入国審査官を目指すことは可能です。
外国語の語学力に関しても、採用後に研修を受けられるので基本的に問題ありません。
- 初等科研修:採用後間もない職員に対して基礎的な法律知識や実務経験を修得させるための研修
- 中等科研修:採用後4年をめどに実施、より高度な法律知識や実務の習熟を目的とした研修
- 語学委託研修:語学学校の専門課程で外国語を学ぶ研修など
- その他の研修(高等科研修、管理科研修、長期留学制度など)
入国審査官になったらどんな研修をする?
入国審査官の研修
初等科研修
出入国在留管理庁の職員として採用後間もない職員に対して、基礎的な法律知識や入管職員として必要な実務知識を修得させるための研修です。
全寮制により行われ、茨城県牛久市にある「法務総合研究所牛久支所」において研修を行います(OA教室や体育館、運動場や宿泊設備などを完備)。
初等科研修の後は、入国審査官の補助業務や一般事務などに従事しながら、入国審査官として必要となる知識と技術の修得に努めることになります。
中等科研修
出入国在留管理庁職員として採用後、おおむね4年以上の職員を対象として実施される研修です。
入国審査官の業務は幅広く、勤務経験などに応じてより難易度の高い業務に従事することになります。
そのために必要な、より高度な法律の知識や実務の習熟を図るための講義や実習が行われ、中堅職員を育成することを目的としたカリキュラムが実施されます。
語学委託研修
語学学校の専門課程で、英語や中国語などを学ぶ長期委託研修(3か月程度)です。
また、勤務終了後に語学学校に通学する「在勤地研修」なども実施されます。
入国審査官のような国際的な業務に興味はあるものの、そのために必要になるであろう語学力に不安を感じている場合であっても、この研修を活用して語学力を修得・習熟することは十分に可能です。
その他の研修
これらの研修のほかにも、勤務年数や役職に応じて行われる「高等科研修」「管理科研修」「特別科研修」などの研修があります。
また、国内外の大学に留学して研究を行う「長期留学制度」も用意されています。
このように、より高度な教育を受ける機会も提供されており、入国審査官としてのキャリアアップを図ることができます。
在外公館勤務
また、研修とは異なりますが、入国審査官は外務省に出向し、在外公館での勤務を命じられる可能性があります。
在外公館ではビザ発給などの業務に携わり、外国での生活を経験することによって国際感覚の豊かな職員を育成するための制度となっています。
語学研修があれば学生時代に外国語の勉強は不要?
語学力は研修で修得できる
入国審査官は外国人を相手にする仕事である以上、どうしても外国語の語学力は必要不可欠ですが、語学研修により修得する機会があります。
必ずしも、入国審査官になるために学生時代に英語や中国語などの外国語に習熟していなければならないわけではありません。
学生時代の語学の勉強も重要
とはいえ、英語やその他の外国語学習を軽視してよいうということではありません。
学生時代に外国語の勉強をしておけば、入国審査官になった後に役に立つでしょう。
また、入国審査官には国際感覚の豊かさも求められますので、海外での留学経験は将来の仕事に活きるでしょう。
公務員試験に合格するだけの学力も重要
入国審査官は国家公務員であり、入国審査官になるためには国家公務員試験(一般職)に合格する必要があります。
競争倍率は4倍以上、厳しい競争に勝つためには、語学力に加えて高い学力が必要です。