有名・人気の競艇選手(ボートレーサー)
有名・人気の競艇選手(ボートレーサー)
真の天才レーサーと評される今村豊選手
「艇界のプリンス」と呼ばれる今村豊選手は、ボートレーサーとして数々の記録を塗り替え、「真の天才レーサー」と呼ばれています。
今村選手は、1961年に山口県小野田市(現在の山陽小野田市)に生まれました。
小さい頃から競艇ファンだった父親に「大きくなったらボートレーサーになるんだぞ」とささやかれながら育ち、その言葉通り、1981年に第48期生として当時の本栖研修所に入りました。
研修所の教官から、「全速ターン」を教えてもらいます。
全速ターンとは、レースで行う180度のターンを減速せずに行うことで、転覆の危険があるため、当時の競艇界では誰も挑戦していませんでした。
以後、今村選手は、本栖研修所でこの全速ターンの練習に励みます。そのたびに転覆するため、「本栖の転覆王(ドボンキング)」と呼ばれたほどでした。
しかし、来る日も来る日も練習を繰り返した甲斐あって、全速でも旋回半径を小さくできる「全速ターン」を会得しました。
ターンする際、体重をボートの右側に思い切りかけることでボートの右半分を沈め、遠心力の影響を食い止めることに成功したのでした。
翌1981年5月、徳山競艇場でデビューすると、デビュー戦で1着に入り、なんと優勝戦に進出したのです。
操縦テクニックやレースの駆け引きが着順を左右するボートレースで、先輩レーサーたちを相手に新人レーサーが優勝戦に進出することは異例中の異例でした。
先行する先輩たちがターンで減速すると、今村選手は全速ターンで追い抜き、先頭に立ちました。
新人が所属する最下位クラスから、わずか半年で最上位クラスに駆け上がり、1年後に初勝利をあげると順調に勝利数を積み重ねました。
デビュー11年目には、公営ギャンブルの選手で史上初めて生涯獲得賞金が20億円を突破しました。
難病の一つであるメニエール病とも闘いながら、デビューから26年目の2007年には通算2000勝、33年目の2014年目には通算2500勝を達成し、現在も現役選手として活躍しています。
人気漫画のモデルとして知られる濱野谷憲吾選手
競艇を題材にした人気漫画『モンキーターン』の主人公のモデルとなったのが濱野谷憲吾選手です。
作者の河合克敏さんが、取材で東京の平和島競艇場を訪れた時、濱野谷選手の豪快なターンを見て、作品のイメージが湧いたそうです。
濱野谷選手は、ターンの豪快さと華麗さから、「艇界のファンタジスタ」とも呼ばれています。
濱野谷選手は、1973年、東京都世田谷区に生まれました。
高校を中退した17歳の時、当時の本栖研修所に入り、1992年にデビューしました。
デビュー2走目で1着に入り、デビュー1年半後に初優勝を飾っています。
豪快なモンキーターンで、順調に成績を伸ばしました。
モンキーターンとは、レースのターンの時、ボート上に前傾姿勢で立ち上がる旋回方法です。
その姿勢でボートのバランスを微妙に調整することで、より高速でターンすることを可能にします。
競馬のモンキー乗りに似ていることから、「モンキーターン」と呼ばれるようになりました。
高速ターンで旋回するため転覆することが多く、濱野谷選手も1日に2度転覆して失格になったこともあります。
濱野谷選手は、初勝利後も順調に成長しましたが、優勝戦では25連敗とここ一番の試合でなかなか勝てない時期が2年以上も続きました。
ようやく2勝目をあげたのが、デビューから丸4年の1996年5月で、これをきっかけに優勝を重ねました。
漫画『モンキーターン』の作者が濱野谷選手を見たのは、ちょうどその頃のことです。
漫画がヒットしたことで、濱野谷選手の知名度も一気に上がりました。
1998年から2006年まで、9年連続で年間獲得賞金が1億円を突破。
松井繁選手ら近畿勢や植木通彦選手ら九州勢に対し、東京出身の濱野谷選手は「東都のエース」と呼ばれました。
2020年現在も第一線の選手として活躍しています。
才色兼備の賞金女王・大山千広選手
大山千広選手は福岡県の出身で、近畿大学付属福岡高校を卒業後、ボートレーサー養成所に入学し、2015年に福岡競艇場でデビューしました。
学生時代は陸上競技に打ち込んでいたという大山千広選手がボートレーサーを目指したきっかけは、母の大山博美選手です。
大山千広選手いわく「(母が)男の人とかと一緒にレースしてるのがすごく格好よくって、自分もボートをやったら恰好いいしすごく楽しいんじゃないか?という気持ちが強くなっていって、それ以外の選択肢は思いつかなかった」とのこと。
母娘がともにボートレーサーとなったのは、大山博美・千広選手が史上初です。
2018年には登録から3年以内の選手の中で最も優秀な選手が受賞する最優秀新人選手に選ばれました。
その実力に加え、かわいらしいルックスで多くのファンを獲得しています。
翌2019年には23歳の若さで賞金女王に輝くなど、現在まさに旬を迎えているボートレーサーです。