国連職員の一日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説

国連職員の職場

国連職員と聞くと、国連本部を思い浮かべ、官僚組織であり事務局として働くイメージや、通訳、会議運営を主催する職員のイメージがある人もいるでしょう。

しかしながら実際の国連職員の職場のほとんどは、国連本部ではありません。

国連加盟国は193の国があり、その全てが国連職員の職場となるのです。

取り組む業務も所属する機関によって全く異なるため、かなり多様な働き方が可能といえます。

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国連職員の業務スケジュール

国連職員は、専門職として働く場合、基本的に自国以外の国に赴任します。

国連職員の業務は所属によって大きく異なっており、それぞれの1日のスケジュールも全く違います。

ここでは例として、国連事務局の専門職として働く国連職員のある1日を見てみましょう。

8:30
出勤したら、まずはパソコンでのメールチェックをします。

日々たくさんの連絡が入ってくるため、重要度の高いものから対応していきます。

9:00
来年に控えた世界国連会議の準備会議に出席、多様な国籍を持つ同僚と意見を出し合いながら、進捗状況などの共有を行います。
12:00
出向先から一時戻った同僚とランチミーティングの時間を持ちます。
13:00
他機関と合同で行うスカイプ会議に出席します。
15:00
当日行われたミーティングや会議の内容を書類にまとめていきます。

国際機関では必ず文書で残されるため、事務処理にかかる時間も長くなります。

16:30
上がってきた報告書に目を通し、内容に誤りや齟齬がないか入念に確認します。
18:00 退勤
退勤

国連職員の勤務時間・休日

国連職員の勤務体系

国連職員の雇用形態は多様です。

短期契約をはじめ、終身雇用であるパーマネント契約、数年契約をし、その後更新するフィックスタームなどの形態があります。

中には数ヶ月単位の契約もあります。

現在、パーマネント契約は減少傾向にあり、ほとんどの職員が契約雇用です。

そのため、1年1年成果を出し認められなければならいないという緊張感があります。

また、実際の勤務先も多岐に渡ります。

スイスのジュネーブ、オーストリアのウィーン、ケニアのナイロビに拠点を置く「国連グローバル事務局」をはじめ、「世界銀行」「国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)」「UNICEF」など国際機関の事務局や、開発支援の現場で働くこともあります。

国連職員の勤務時間

国連職員の勤務時間は、どの機関、どの現場で働いているかによって大きく異なります。

事務局での仕事であればある程度定まった勤務時間がありますが、活動の最前線での勤務の場合、勤務時間として明確に定まっていないこともあります。

対応が必要なことがあれば、時間や曜日を問わず行わなければいけないような場面もあります。

勤務時間が定まっている仕事の場合、一般的な職業と同様に、朝9時・10時頃から勤務開始し、17時や18時に終了するといったスケジュールが一般的です。

ですが、多くの事務局でフレックス勤務を採用しているため、実際には働く当人の裁量に任されている部分も多いようです。

国連職員の休日

勤務時間と同様、休日をどのように取るかについても、勤務環境によって異なります。

基本的には、平日が勤務日で週末が休日ですが、週末に業務がある場合には、臨機応変にスケジュールが変更となることも多々あります。

その他、10日間の休暇日の設定もありますが、具体的な日付によっては勤務地によって異なるようです。

また、年次有給休暇は全ての職員に対して30日間与えられています。

年次有給休暇の消化率は機関によって異なりますが、概ね消化している職員が多いようです。

30日を一度につなげて取得し、バカンスに出かける、という過ごし方も珍しい光景ではないようです。

母国以外の国で勤務している職員には、勤務地によって1年ないし2年に1回、帰国休暇も与えられます。

この期間は、機関の費用負担で本人と家族が帰国することができます。

国連職員の残業時間

国連職員の仕事にも、残業は存在しています。

これも就業先によってどの程度発生しているかは大きく異なるようです。

少ない場合はほとんどないようなこともありますし、多い場合には家に帰れないような日もあります。

同じ機関に勤めていても、業務内容や時期によって大きく変動することもあります。

また、国連職員の業務量や内容は国際情勢の影響を大きく受けます。

状況が大きく変わったタイミングや、大きな国際イベントの前後などには一時的に業務量が増加し、長時間の残業が発生することもあります。

国連職員の休日の過ごし方

休日の過ごし方は、国連職員だからという特徴的なものはあまりありません。

勤務地の一般的な社会人と同じように過ごしていると言えるでしょう。

それよりも、どこで勤務しているのか、居住地による要素の方が大きくなります。

世界中に赴任の可能性がある国連職員ですから、自国を遠く離れ、自分では行かないような地域で勤務している職員も多くいます。

休日を利用して観光したりする人もいますし、治安上の理由から、あまり積極的には出歩かないという場面もあるようです。

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国連職員の生活水準は?

国連職員の勤務地は世界各地に広がっており、中には紛争地帯や難民キャンプ支援の仕事を行う職員もいます。

そこで不安に感じるのは、生活水準はどの程度なのか、安全なのか?ということではないでしょうか。

例えば給与についてですが、国連職員はどの国に赴任されたとしても同程度の水準が維持されるような制度となっています。(国連共通制度 ※OECD等金融機関を除く)

また、生活水準は国によって異なりますが、一定以上の生活環境は確保されているようです。

国連職員は異動がつきもの?

実は、国連職員で終身雇用者は少数です。

ほとんどは、数年契約や中には数ヶ月の契約までさまざまです。

また、国連職員は、転勤・異動も多く、職員は空席が公表されると、希望の席に応募します。

それゆえ、2年程度で転職活動(空席に応募)をする必要が生じ、こうした異動は国連で働く限りつきものとされています。

中には過酷な場所で任務に当たることもあるため、短い任期でないと厳しい…という部分もあるのでしょう。

この雇用体制については、受け取り方は人それぞれですが、さまざまな職場や貢献の機会に恵まれ、成果を求められるため緊張感を持ち仕事に取り組めるなど、プラスに捉える職員も多くいます。

家庭と両立できる?

国連職員にはさまざまな手当があり、扶養手当や帰国休暇・手当、家族訪問休暇など、離れて暮らす家族にも配慮した制度もあります。

また、出産休暇をはじめ、子供の出産1人当たり最長2年の育児休暇をとることも可能であることや、自宅勤務や日本でいう時短勤務など、国連は、家族に配慮した勤務環境を作ることにも力を入れています。

しかし、そのような働きやすい環境であっても、忙しい環境であるため、キャリアとライフ・ワーク・バランスをどう取っていくのかが課題となっています。