健康運動実践指導者の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
健康運動実践指導者の仕事とは
健康運動実践指導者は、「健康づくり」を目的として作成された運動プログラムに基づき実践指導を行う仕事です。
「第2次国民健康づくり運動(アクティブ80ヘルスプラン)」の一環として、平成元年の養成が開始された比較的新しい称号です。
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健康運動実践指導者の業務の内容
自らがお手本となる
健康運動実践指導者は、個々の健康状態に合わせて健康プログラムを作成する「健康運動指導士」と両輪となって国民の健康づくりを行っていきます。
そのなかでも健康運動実践指導者は、「自ら見本を示せる実技能力と、特に集団に対する運動指導技術に長けた者」として、国が養成を目指しています。
安全かつ効果的な運動の指導
健康運動実践指導者は、運動生理学の知識や医学的な基礎知識を持ったうえで、健康づくりのために作られた運動プログラムに沿って正しく実践指導を行います。
具体的には、一人ひとりの健康状態に合わせて、エアロビクス、ヨガ、ジョギング、ウォーキング、水泳・水中運動、筋力トレーニングといった各プログラムの指導です。
健康運動実践指導者の役割
正しい運動方法の指導
健康運動実践指導者は、対象者に見本を見せながら、健康づくりを目的とした運動を安全かつ効果的に実践するために指導を行うことが目的です。
いま、社会問題となっている生活習慣病は日頃の運動によって予防できるといわれています。
しかし、いざ運動をしようと思っても、正しい運動方法がわからないという人は大勢います。
そこで、運動生理学や医学的な知識を持つ健康運動実践指導者が、生涯を通じて国民の健康を維持・向上するために力を発揮するのです。
国民の生涯活動の指導
日本で健康問題を抱えるのは成人だけではありません。
近年は幼児期や児童期からの運動不足が問題視されていますし、高齢化を迎える中でお年寄りが健康的に過ごすためには運動は欠かせない要素です。
幼少期から老年期まで、生涯にわたって自らの健康を適切に管理し改善していくためには、健康運動実践指導者の知識や指導は欠かせないものです。
特に近年では、子どもの発達段階をふまえた健康教育の分野での活躍が期待されています。
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健康運動実践指導者の就職先・活躍の場
健康運動実践指導者の活躍の場
スポーツ関連施設
「公益財団法人 健康・体力づくり事業財団」によると、健康運動実践指導者は2020年1月現在、19,763人(女性11,314人、男性8,449人)いるといわれています。
すべての有資格者が資格を生かして働いているわけではありませんが、健康運動実践指導者の最も代表的な活躍の場は、民間のフィットネスクラブやアスレチッククラブです。
そのほか、健康行政機関や保健所、病院・診療所、公共スポーツ施設、学校・教育機関、スポーツ関連団体、介護施設なども活躍の場となります。
これらの施設において、生活習慣病予防のための健康運動メニューの実践指導や、利用者の心身の状態に応じた運動プログラムの実践指導をすることが、おもな仕事内容です。
NPO法人などの団体
健康運動実践指導者は「地域社会の中で健康運動を推進していくこと」を役目としているため、幅広い場所で需要がある仕事だといえます。
一般の企業のほか、地域住民のための健康推進活動や、高齢者向けに介護予防運動を行うNPO法人などの団体でも、健康運動実践指導者が求められています。
健康運動実践指導者の求人募集の情報は、一般の求人サイトや求人誌、施設のホームページ等に出されることが多いです。
そのほか「NPO法人 日本健康運動指導士会」の各都道府県支部のホームページにも求人情報が載ることがあります。
資格、経験、能力によって待遇や給与は変わってきますが、じつに幅広い場所で健康運動実践指導者は活躍できるといえるでしょう。
健康運動実践指導者の雇用形態
健康運動実践指導者として働いている人の多くは、正社員や正規職員です。
契約社員や非常勤職員、フリーランスとして働く人もいますが、30代以下の若い人は正社員が中心となっています。
また、フリーランスの人が業務委託で働けるところもあります。
60代以上になると、フリーランスや自営、パート・アルバイトで活動する人の割合が増え、健康である限り、長く仕事を続けやすいのが健康運動実践指導者の特徴といえます。
資格を生かした働き方はさまざま
仕事内容に違いも
この仕事をする上で注意したいのが、必ずしも「健康運動実践指導者」という名称で募集されるわけではないことです。
たとえば病院であれば、「リハビリ助手」といった名称で募集され、募集資格として「健康運動実践指導者の資格所有者」となっている例もあります。
スポーツ関連施設では、「フィットネスインストラクター」といった名称がついていることもあります。
工夫次第で活躍の場を広げる
健康運動実践指導者の資格を持っている人は、さまざまな仕事をしています。
たとえば、栄養士や保健師といった職種に就いている人が、健康運動実践指導者としてのスキルや知識も発揮して仕事をしているケースも多いです。
また、フリーランスや自営業の場合は、行政機関から依頼を受けて健康事業の講演実技指導をする人もいます。
そのほか、フィットネスクラブでの運動指導、独自プログラムの開発、指導者向けの研修といった多岐にわたる仕事を行っているのが特徴です。
健康運動実践指導者と関連した職業
健康運動実践指導者と似た資格に「健康運動指導士」があります。
どちらも「公益財団法人 健康・体力づくり事業財団」が認定する民間資格であり、地域社会のなかで、人々に健康づくりのためのサポートを行っていく仕事です。
大きな違いは、その役割にあります。
健康運動実践指導者は、健康づくりのために作成された運動プログラムに基づいて、指導を実践していくことを役割とします。
一方、健康運動指導士は、対象者一人ひとりの健康状態に合った運動プログラム作成や、運動指導を行うことを役割としています。