刑務官の階級の種類とは? 看守長などの8つの階級について解説
階級によって与えられた役割は異なり、刑務官たちは長く働くか、特別な試験や研修を受けることなどによって階級を上げていきます。
この記事では、刑務官の8つの階級と、それぞれの役割について紹介します。
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刑務官の階級の名称
刑務官の階級は次のように区分けされており、上にいくほど高い階級です。
また、各階級は幹部相当の管理職と、一般職に分けられます。
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各階級の役割・仕事内容
ここからは、刑務官の各階級の役割・仕事内容を紹介します。
階級が高いほうから説明します。
矯正監
矯正監は刑務官の職務の最高階級であり、矯正管区長や、大規模な刑務所の所長などの役職につくことになります。
なお、上級管理職になるとほぼ2〜3年おきに、管区に関係無く全国の刑務所や拘置所への転勤があります。
総合職試験に合格した「キャリア組」や、高等科研修を終えている場合でも、勤続年数や年齢がネックとなったり、ポストの都合で昇進に時間がかかることがあるようです。
矯正長
一部の者は、矯正長の階級に昇任することができます。
大規模な刑務所では部長担当の階級で、小規模な場合は所長に任命されることもあります。
管理者としての高い能力が求められるポジションです。
矯正副長
矯正副長は、一般企業で例えると課長や部長クラスの階級です。
調査官や首席矯正処遇官、大規模な刑務所の課長クラス、拘置支所の支所長に任命されることがあります。
看守長
看守長の階級から「管理職」に区分けされます。
小・中規模の刑務所や拘置支所では、部長や支所長に任命される場合があります。
看守長に任命されるのは以下のような者です。
- 高等科研修を修了して一定期間勤続した刑務官
- 長年にわたり主任や現場責任者として働き続けたベテランで管理者研修を修了した者
また、この階級から幹部クラスの会議である「刑務官会議」に出席するようになります。
副看守長
中等科研修を修了し10年以上の勤続年数がある者、成績優秀で上官から推薦された者が、副看守長に任命されます。
階級章の地と、帽子と袖の筋が金色であることから「金筋」という通称で呼ばれています。
現場では主任など重要な役割を任せられることになり、施設が小規模な場合は責任者クラスになる場合も考えられます。
副看守長として勤続が10年を超えて勤務成績も良好な場合、所長から推薦されて「特任看守長」に昇進することもあります。
なお、高等科試験に合格して高等科研修を終了した者や、国家公務員総合職試験合格者はこの副看守長の階級からのスタートとなります。
昇進試験を受けない人の場合は、この階級か一つ前の看守部長で刑務官を退役することが多いようです。
主任看守部長
看守部長の中で10年ほどの勤務年数がある者、勤務成績が良好と上官から推薦された者が主任看守部長に任命されていましたが、現在は事実上廃止されています。
主任看守と同じく「名誉職的な階級」であり、仕事の内容は看守部長と同じですが少しだけ給料が上がります。
看守部長
看守部長は工場での指導監督や居室を担当するなど、看守よりも責任の重い仕事を担う階級です。
帽子と袖に銀の筋が入ることから「銀線」といわれています。
看守部長に昇進するには、次の3つのいずれかが条件となります。
- 勤続年数が20年程になる者
- 国家公務員一般職試験に合格し、法務省職員から刑務官を拝命した者
- 内部の中等科試験に合格し中等科研修を修了した者
以前までは中等科研修の修了が必須でしたが、近年はそうではなくなりました。
昇進の選考には勤続年数や勤務成績が考慮されるようになってきています。
しかしながら、同じ階級同士でも中等科研修を修了した者が上位者となり、昇進試験を受けない場合はこの階級以上には進めません。
主任看守
看守として勤続年数が10年ほどあり、勤務成績が良好と評価されると、上官からの推薦を受けて主任看守に任命されます。
仕事内容は看守とほとんど変わりませんが、給料が少し上がります。
「名誉的な階級」としての意味合いが強い階級です。
看守
刑務官に採用されて初等科研修を修了し、最初に任命される階級が看守です。
ここから刑務官のキャリアがスタートし、上官の指示に従いながら仕事を覚え、徐々に昇進して上の階級に進みます。
刑務官が階級を上げるには
国家公務員である刑務官は、ある程度の階級までは、勤務年数を重ねることで昇進することが可能です。
具体的には、初等科研修のみを修了した場合は「副看守長」までは昇進できるとされています。
さらに上の階級(幹部)を目指したい場合には、特別な試験や研修を受けなくてはなりません。
中等科研修を修了すれば矯正副長(課長、部長)まで、高等科研修を修了すると矯正監(大規模施設の所長)といったように、昇任の基準が設けられています。
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「刑務官の階級」まとめ
刑務官には全部で8つの階級が存在し、階級ごとに役割が異なります。
採用区分によってスタート時の階級の違いがありますが、一定の階級までは長く働くことで上げていくことが可能です。
幹部クラスまで目指したい場合には、特別な試験や研修を受けることで評価され、認められる必要があります。