刑務官の勤務地は? 転勤は多い?
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刑務官の転勤の現状
刑務官は国家公務員であるため、転勤は避けられません。
刑務官の転勤の特徴は、「階級によって転勤範囲と転勤する回数に差があること」です。
たとえば、新人や下級の刑務官の場合であれば、転勤の頻度は約8~10年ごと、転勤の範囲についても同じ管区内での異動となるケースが多いようです。
矯正局は全国を9つの矯正管区(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄)に分けており、基本的には採用された管区内での転勤になると考えておくとよいでしょう。
そのため、新人や下級の刑務官だけをみれば、公務員のなかでは転勤は少ないほうだといえるかもしれません。
しかしながら、幹部や上級の刑務官になると状況が変わるため注意が必要です。
幹部や上級刑務官の場合、約2~3年おきに転勤があり、転勤先も管区に関係なく全国の施設を回ることになります。
そして国家公務員として転勤を命じられた以上、どこに転勤を命ぜられても基本的にはそれを拒否することは難しいといえるでしょう。
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転勤がおこなわれる目的
「そもそもなぜ転勤がおこなわれているのか」という部分ですが、長期間同じ場所に勤務することで、さまざまな弊害が起こることが予想されるからです。
たとえば、一つの刑務所に長年勤務することによって「そこに収容されている受刑者との関係性が密になり過ぎてしまう」という問題が挙げられます。
刑務官の仕事は受刑者の監督・指導だけでなく、受刑者の抱える悩みや不安の相談に乗ったり、要望を聞いたりすることも重要な役割です。
そういった仕事を通して、万が一にも刑務官と受刑者が親密な関係に発展すれば、保安上の観点から大きな問題があると考えられるでしょう。
このような刑務官特有の事情もあるため、ある程度の年数で転勤を命じられることは仕方のないことだといえます。
転勤しないことのさまざまな弊害
長期間転勤しないことによる弊害は、「受刑者との関係性」以外にも考えられます。
とくに刑務官は特殊な環境のなかで毎日を過ごし、施設の出入りなども厳しく制限されている職業です。
そのため、同じ施設にずっと居続けてしまうと、同僚との間に過度の馴れ合いや感情的な対立関係が起きるなど、好ましくない現象が生じる可能性が高いでしょう。
実際にそういったことが原因で不祥事が起こっており、時折メディアを騒がせています。
また、閉鎖的な環境で同じルーティーンワークが毎日のように続くと「マンネリ化」が起こり、勤労意欲・労働効率の低下などの問題も発生します。
ずっと同じ施設で働き続けるよりも、さまざまな地域や施設で新しい業務にたずさわりながら経験を積んでいくほうが、仕事のマンネリ化を防ぎつつ刑務官自身の能力も向上できると考えられているのです。
以上のような理由から、新人や下級の刑務官なら約8~10年ごと、幹部や上級の刑務官なら約2~3年おきに転勤を命じられています。