女性の刑務官のキャリアパス・結婚後の生活
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女性の刑務官の現状
昭和48年から女性にも刑務官への門戸が開かれました。
過去10年間の女性受刑者の収容人数はおおむね横ばいで推移しており、比率でみると男性受刑者よりも女性受刑者の比率が年々上がっている状況です。
こうした状況にともない、法務省は女性刑務官を増員する方針を打ち出していることから、女性の積極採用がしばらく続くと考えられます。
刑務官採用試験では「刑務B」に分類され、基本的な試験内容は男性と変わりません。
違いとなる部分は、採用枠が女性の方が男性の半数以下と少ないこと、体力検査の最低基準が男性よりも低く設定してあることなどがあります。
配属先はほとんどが女子刑務所ですが、女性刑務所に男性刑務官が少数いるように、少数は男子刑務所にも配属されます。
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女性の刑務官の強み・弱み
強み
先ほどご説明したように、受刑者の女性比率は近年高くなっている傾向があります。
女性受刑者の収容施設では女性刑務官の存在が必須であり、性別の観点から男性刑務官ではどうしても対応できない業務も発生するでしょう。
刑務官は「男性の仕事」というイメージがあり、実際に男性刑務官の方が多いですが、一定数の女性刑務官もなくてはならない存在です。
弱み
女性刑務官も男性刑務官と同じく、閉鎖的な環境の中での「人間関係」が問題となることが多いです。
とくに女子刑務所の場合、職場で働く人のほとんどが女性です。
看護師などと同じく、女性が多い職場特有のあつれきなども起こりがちで、そこでの人間関係のトラブルや精神面でのプレッシャーに辛さを感じる場面も多いようです。
また、受刑者の制圧など力が要求される部署では男性刑務官も配置されていますが、有事の際には女性刑務官も男性同様に制圧にあたる必要があります。
体力的に男性よりも女性の方が不利であるため、その点も仕事がきついと感じやすい部分でしょう。
刑務官の結婚後の働き方・雇用形態
言うまでもなく公務員は不況に強く、業績不振による解雇などもありません。
さらに、刑務官は一般的な事務系の公務員よりも給料や手当で若干恵まれていることもあり、経済的な独立がしやすい仕事と言えるでしょう。
福利厚生に関しても、出産や育児にともなう休暇や、そのほか介護などの休暇制度も女性の方が取得しやすいと言われています。
社会的に安定した職業であるため、伴侶の男性が女性刑務官の主夫の立場となる家庭もあるようです。
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刑務官は子育てしながら働ける?
育児制度は充実
現状は女性刑務官の採用人数は男性刑務官の半分以下ですが、以前と比べると増加してきており、今後はさらに女性刑務官を増やしていこうとする動きがみられます。
刑務官は給料や福利厚生などある程度優遇されている部分があり、女性刑務官の増加とともに、結婚や出産に対する福利厚生もさらに充実していく可能性があります。
現在の制度では、子どもが3歳になるまで取得可能な育児休業や、復帰後も育児時短勤務などの制度が準備されており、さらに子育てがある場合は夜勤のローテーションも配慮してもらえる場合もあるそうです。
また、刑務官のなかには家族と一緒に官舎で暮らしているケースもあるため、環境を気にしないのであれば職場近くでの子育ても可能かもしれません。
休暇は取りにくい?
しかしながら、配属先の状況によってはこれらの制度が十分に活用できないケースもあります。
人手不足の施設で働く場合、法定休暇でさえ出勤となってしまったり、超過勤務や非常召集に応じなければいけないことも多いでしょう。
とくに新人の頃や階級が低い間は休暇が取りにくいとも言われています。
また、女性刑務所などの女性職員が大半を占める部署に配属されることが多いため、子育てのための休暇であっても、周りに同じような状況の職員がいれば頻繁には取りにくいケースもあるそうです。
刑務官は女性が一生働ける仕事?
刑務官が一日に接する相手の大半は施設に収容されている受刑者であり、問題行為を起こす受刑者には懲罰を与えるケースもあります。
女性の刑務官であっても、受刑者に対しては厳しい態度や軍隊的な振る舞いが求められており、いわば「男まさり」な精神力も必要でしょう。
これに加えて、女性が多い職場特有の「人間関係に関するストレス」とも向き合っていかなければなりません。
男性刑務官でも精神的にまいってしまう人がいるぐらいですので、仕事のつらさから退職してしまう女性刑務官も決して珍しくありません。
もちろん、結婚して子どもを持つ女性刑務官もいますが、個人の性格や資質によっては、仕事のストレスが家庭環境に影響を及ぼす可能性も考えられます。
とくに子育てをしながら仕事を続ける場合には、結婚相手の男性の理解や協力が欠かせないといえるでしょう。