刑務官の需要・現状と将来性
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刑務官の現状
法務省矯正統計表によると、刑務所と拘置所に収容されている人数は1日平均で約5万人です。
この数がゼロになることは考えにくいため、刑務官の仕事は今後も存続していくでしょう。
しかしながら、刑務官の人数が足りていない施設もあり、そこでは刑務官の残業時間の延長や一人あたりの負担の増加が問題となっています。
厳しい現実を目の当たりにして若い刑務官が辞めてしまうケースも多く、このような離職を防ぎつつ、刑務官の採用をどう拡充していくかが今後の課題といえるでしょう。
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刑務官の需要
規制緩和の影響により公的な部門にも民間事業者が参入するようになり、刑務所もその一環として「民間事業者との共同運営」という施設も数ヶ所でてきています。
たしかに巡回や点検、保安といった業務内容は民間の警備会社などと似通っていますが、一方で「民間の参入には限界があるのではないか」とも言われています。
刑務官と民間事業者の一番の違いは「戒護権」を有するどうかです。
戒護権とは、監獄法に基づいて受刑者の規則違反を罰することができる権利であり、それにともなって規定の範囲内での「武器の使用」も許可されている権利です。
これは人権の侵害にもつながりかねないものであるため、基本的には治安関係の公権力が保持する権利となっています。
刑務所などの刑事施設を官民協働で運営するなかで、刑務官の役割を「民間事業者がどこまでまかなえるのか」が疑問視されています。
刑務官の将来性
刑務所などの受刑者施設は日本全国に76箇所、拘置所は8箇所あり、そこで勤務する刑務官は全体で17,000人程といわれています。
刑務官の数はこれまで大きな変動なく現在まで続いてきましたが、今後は「行政改革の影響を受けるかもしれない」ということが予想されています。
刑務官はほかの公務員よりも12%程度割高の給料が支給され、また各種手当も充実している職業です。
通常は「不況に強い職種」といえますが、近年では役人の給料削減や人員カットが叫ばれており、政治的な状況の変化によっては刑務官にも大胆な改革が押し寄せるかもしれません。
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刑務官の今後の活躍の場
過去には「刑務所の過剰収容」が問題となっていましたが、施設の大幅な増改築や受刑者の総数が減ったことなどにより、現在はこの問題は解消されています。
過剰収容は解消されたものの、一方で「受刑者や収容者の高齢化」が新たな問題として指摘されています。
高齢受刑者のなかには移動や入浴の際に介助が必要な場合や、認知症のリハビリがおこなわれるケースもあり、刑務官の負担は今後さらに大きくなると考えられるでしょう。
受刑者が体調を崩して入院するような事態になれば、刑務官は24時間付き添って看病しなければいけません。
ただでさえ刑務官の数が不足している施設があることや、民間に権限委譲できない特殊性から、行政改革により人員削減が起こったとしても「一定の歯止めがかかるのではないか」と予想されています。